サイエンス

人工太陽の世界記録が更新、1億度のプラズマを20秒維持することに成功


韓国の核融合装置であるKSTARで、が、イオン温度1億度を超える超高温プラズマを20秒間維持することに成功し、人工太陽を維持する時間の世界記録を更新しました。

Korean artificial sun, KSTAR, sets the new world record of 20-sec-long operation at 100 million °C | EurekAlert! Science News
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-12/nrco-kas122420.php


Korean artificial sun sets the new world record of 20-sec-long operation at 100 million degrees
https://phys.org/news/2020-12-korean-artificial-sun-world-sec-long.html

ソウル大学とアメリカのコロンビア大学が共同で、KSTARを用いて高温プラズマを生み出す実験を行いました。KSTARがどんな装置なのかは以下のムービーを見るとわかります。

KSTAR(Korea Superconducting Tokamak Advanced Research) by drone - YouTube


KSTARはトカマク型の核融合装置で、強力な磁気の中に超高温のプラズマを閉じ込めるシステムとなっています。太陽と同じような核融合反応を実現するためには、KSTARの巨大なコイルに包まれた容器の中に水素同位体を配置し、イオンと電子が分離するプラズマ状態を作り、高温に加熱したまま維持する必要があります。


これまでにも1億度以上の温度でプラズマを短時間維持することができた核融合装置はありましたが、その状態を10秒以上保持できたことはありませんでした。これは、1億度という高温で、プラズマを形成できるほどの磁気を維持するのが難しいためです。

KSTARは2018年に初めてプラズマ温度の1億度到達に成功。この時はおよそ1.5秒保持することができたとのこと。そして、2019年の実験では1億度のプラズマを8秒間保持することができました。今回の実験では、この2019年の記録を2倍以上にまで伸ばしたことになります。


KSTAR研究センターのシ・ウーユン所長は「1億度という超高温プラズマの長時間維持に必要な技術が核融合エネルギー実現の鍵であり、将来の商用核融合炉の重要なコンポーネントです。今回の実験は、超高温プラズマを長時間維持するための技術を確立する競争において、重要なターニングポイントとなるでしょう」と語っています。

なお、KSTARの最終目標は「2025年までに1億度を超えるプラズマを300秒維持すること」だそうです。

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in サイエンス,   動画, Posted by log1i_yk

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