レビュー

いろんな明朝体の「明」をそろえるフォント好きにはたまらないパズル「明朝体神経衰弱」は精神修行のような難度


コンテンツクリエイターのもにゃゐずみ氏による「明朝体神経衰弱」は、多様な明朝体フォントで書かれた「明」の時を構成する「日」と「月」をそろえていくというパズルゲームです。目をこらして微妙に形の異なるピースを見分けながらはめ込んでいく精神修行のようなゲームを実際にプレイしてみました。

明朝体神経衰弱 - Mincho Puzzle | MONYA
https://monyaizumi.stores.jp/items/5f94104a0eb24a1616948901

「明朝体神経衰弱」の本体はこんな感じ。「明」をはめ込むプレートと「明朝体神経衰弱」と明朝体で書かれた箱が付いてきます。


箱を開くと、「明朝体神経衰弱」のピースである「月」と「日」が大量に入っていました。


「明朝体神経衰弱」は非常に繊細なアイテムなので、取り扱いには注意が必要。今回プレイに使ったものは、机に置いた際の衝撃で「黎ミン」の一部が破損してしまいました。


パズルピースは光沢のない方が表(左)、テカテカと光沢がある方が裏(右)です。


プレートの周囲に「月」ピースと「日」ピースを表向きにちりばめたらゲームの準備は完了です。「明朝体神経衰弱」のルールはシンプルで、各プレイヤーが「月」・「日」の順に失敗するまでピースを埋めていき、完成させた「明」の数を競います。ジャンケンの勝敗から時計回りで手番を進めていき、プレイヤーはまず「月」をはめ込むフォントを宣言し、正しいピースをはめることができたら続いて「日」のピースをはめ込み、ピースのはめ込みにミスしたら次のプレイヤーにターンが移ります。「月」ピースを埋めることができても、「日」ピースを埋めなければ自分の得点にはならない点には注意が必要です。


というわけで、さっそくプレイしてみます。「明朝体神経衰弱」では24種類の明朝体が並んでいるので、どのフォントを狙ってピースを埋めるべきかかなり頭を悩ませるところ。しかし、よくよく見てみるとプレート上のシルエットに特徴的な亀裂のようなものが入った「源界明朝」を発見。


ピースの中から同じように亀裂の入った「月」を発見。


プレートにはめ込みます。パズルピースはクオリティが高く、ピッタリとはめ込むことが可能。


さらに亀裂の入った「日」も見つけ出して……


プレートにはめ込んで「明」を完成させました。これで1ポイント獲得です。


さらに輪郭がにじんだ形が特徴の「秀英にじみ明朝」も完成させることに成功。


しかし、シルエット全体が特徴的なフォントはこの2つのみ。そのため、ここからは一目では見分けのつかないピースを埋めていく必要があります。


間違ったピースはこんな感じにうまくはめ込めません。一度失敗すると次の人の番になります。


フォントの中には「見出ミンMA31」と「見出ミンMA1」のようにほとんど見分けが付かないものもあります。


必死に目をこらして「見出ミンMA31」か「見出ミンMA1」のどちらかだと思われる「日」を発見。よく観察すると左の「日」の方が縦の線が太いため、左側が「見出ミンMA31」で右側が「見出ミンMA1」と判断してプレートにはめ込んでみると……


プレートにピッタリとはまり、2つの「明」を完成させることができました。


さらに「ヒラギノ明朝」で書かれた「明」にもチャレンジ。しかし、正しい「月」は探し出せたものの、間違った「日」を選んでしまいました。「明」を完成させられなかったのでポイントを得ることはできず、次のプレイヤーにターンが移ります。


次のプレイヤーは前のプレイヤーが3つほどに絞り込んだ「日」の中から正しい「日」を選び、「ヒラギノ明朝」で書かれた「明」を完成させることに成功しポイントをゲットしました。こんな具合に正しい「月」を見つけても、間違った「日」を選んでしまうと別プレイヤーに得点の機会が移ってしまうので、「日」のピースは特に注意深く選ぶ必要ありです。


ゲームに慣れると、最初は見分けの付かなかったフォント群を見分けるコツが段々と分かってきます。例えば以下の3つのフォントは「月」の「はね」部分に着目すると、それぞれ異なる形状をしていることがよくわかります。


リュウミン」と「黎ミン」は「月」の「はらい」の微妙な形の違いから見分けられ……


秀英初号明朝」と「秀英横太明朝」は「月」1画目にあたる右上部分の形状が微妙に異なっていたり、横線の太さが異なっていたり。これらの特徴から「日」ピースを推測する事ができました。


コツをつかみながら徐々にピースを埋めていき、開始から1時間半かけてようやく全てのピースを埋めることに成功しました。フォントの線の細さに着目したり、「はね」や「はらい」の形状に着目したりとプレイヤーによってフォントの見分け方が異なるのが面白いポイント。ボードゲームでは勝敗ももちろん重要ですが、「明朝体神経衰弱」ではパズルが完成した達成感で勝敗関係なく喜ぶことができました。


「明朝体神経衰弱」のプレートには、それぞれのフォントの名前が記されており、気になったフォントの詳細を調べることで、「『TB新聞明朝』は縦幅を短く、横線を太くすることで縦書きの文章における可読性を上げている」とか「『A1明朝』は線と線の交点にふくらみを持たせ、写植特有の墨だまりを再現している」といったようにフォントの特徴を学ぶこともできます。


「明朝体神経衰弱」はパズルゲームとして1人でプレイすることも可能。タイトルも見た目もインパクト抜群で、難易度も高めなので、普通のボードゲームでは満足できない人や、フォント好きにオススメです。


「明朝体神経衰弱」は税込9500円で、もにゃゐずみ氏の公式オンラインショップにて入手できます。

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in レビュー,   ゲーム, Posted by log1o_hf

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