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インターネットアーカイブがフェイクニュースに警告を表示する取り組みをスタート

by drosen7900

カリフォルニア州サンフランシスコに本拠を置く非営利団体「インターネットアーカイブ」は、ウェブページのアーカイブ閲覧サービス「ウェイバックマシン」を運営しています。このサービスは、削除されたり非公開にされたりして見ることができなくなったサイトを閲覧できるサービスですが、削除されたサイトの中にはフェイクニュースとして削除されたサイトもあります。そこでインターネットアーカイブは、ウェイバックマシンがフェイクニュースを拡散させる手助けとならないよう、警告を表示する取り組みを開始しました。

Fact Checks and Context for Wayback Machine Pages - Internet Archive Blogs
https://blog.archive.org/2020/10/30/fact-checks-and-context-for-wayback-machine-pages/

インターネットアーカイブが開始した、ファクトチェックの取り組みの例が以下。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について論じているこのページの上部には、黄色で目立つように「このページは、Medium.comがCOVID-19コンテンツポリシーに違反していると判断したアーカイブ済みページです。ほとんどの場合、ページのアーカイブは自動的に行われています。ウェイバックマシンにページが掲載されたからといって、その内容の正確性が保証されているわけではありません」と書かれています。


別のページには、「このページは、『Secondary Infektion』と題したレポートに含まれていた、アーカイブ済みページです」と記載されています。


これは、SNS分析会社Graphikaによりフェイクニュースキャンペーンの一部だと判定されたことに基づく表示とのこと。「Secondary Infektion」が一体どんなものだったのかは、以下のページで詳しく解説されています。

SNSで偽情報を発信し国を分断させるロシアのネットワークが危険視されている - GIGAZINE


また、インターネットアーカイブは情報の精度を確認する取り組みも行っています。以下のページは、オバマケアとして知られているペイシェントプロテクション・アンド・アフォーダブルケア法の改正について報じたCNNのページです。ページの上部には、「このページは、政治にまつわる発言や声明をファクトチェックするサイトであるPolitiFactによってファクトチェックされています」と表示されています。


ウェイバックマシンに保管されているページのファクトチェックのため、インターネットアーカイブはGraphikaやPolitiFactのほか、「FactCheck.org」「Check Your Fact」「Lead Stories」「Stanford Internet Observatory」といった複数のファクトチェックサイトや報道機関と連携していくとのこと。

インターネットアーカイブは発表の中で、「私たちはデジタルの歴史の保存に努めていますが、誤った情報や誤解を招くような情報へのアクセスを提供することには問題があると認識しています。コンテキストに沿った情報への便利なリンクを提供することで、利用者がウェイバックマシンで閲覧中のページをよりよく理解できるようになることを願っています」と述べました。

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in ネットサービス, Posted by log1l_ks

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