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電車の中でも1Gbpsを保つ新手法をスイスコムが編み出す、ポイントは「窓ガラスの変更」

by Thomas Naas

通勤中の電車の中ではメールを打つ人・新聞を読む人・ムービーをストリーミングする人などインターネットを利用する人が多いため、必然的にネットワークの混雑により通信速度が制限されてしまうなどの問題が起きます。スイス最大の電気通信事業者・スイスコムは10年にわたってこの問題解決に取り組んでおり、2020年10月21日、その結果として「電車の中でも1Gbps以上を出せるようになった」と発表しています。

Greater bandwidth in trains | Swisscom
https://www.swisscom.ch/en/about/news/2020/10/21-mehr-bandbreite-im-zug.html

スイスコムの広報である Armin Schädeli氏によると、電車の中でも1Gbpsという高速インターネットを実現するために、電車の窓を電波を通過させる特殊なガラスに変更するという処置がとられたとのこと。しかし、それでも複数の携帯電話が多くのデータを送受信する電車内の通信環境で、電車の経路にかかわらず、常に良好な通信環境を保つことは非常に難しいそうです。そのため、線路に沿ってアンテナを設置するという方法が取られました。

by othree

スイスコムは記事作成時点において、バイバーコフからケレンツァーベルクまでのルートで線路に沿った「アンテナ回廊」の設置実験を行っているとのこと。アンテナ回廊は4kmにわたって設置され、走行中の電車においても1.2Gbpsを記録しています。

スイスコムのIT・ネットワーク&インフラストラクチャー代表であるChristoph Aeschlimann氏は「このコンセプトは携帯電話産業に新しいベンチマークをもたらしました。たった1年前までは、このようなことがどうやって実現できるのかさえ私たちにはわかりませんでした。しかし、今私たちは乗客に安定していて信頼できる解決策を提供でき、電車において重要な洞察を生み出しました」と述べています。


またスイスコムによると、アンテナとデバイスの距離が近くなることで通信に必要な電力を抑えられる可能性もあるとのことです。

今回のテスト結果を受けて、スイスコムは2021年第1四半期にアンテナ回廊をさらに拡大し、同時にさまざまな検証を行っていくとしています。より長期的な目標としては、電車の主要ルートに沿って途切れなく良好な通信を提供していくことだとスイスコムは述べました。

by SOB Suedostbahn

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in 乗り物, Posted by darkhorse_log

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