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約15万台のHDDを運用するBackblazeがHDD故障率レポート2020年Q3版を公開、18TBモデルなど大容量化が進む


クラウドストレージサービスを運営するBackblazeが、自社で運用しているサーバーで使用しているHDDの故障率データをまとめたレポートの2020年第3四半期(7~9月)版を公開しました。

Backblaze Hard Drive Stats Q3 2020
https://www.backblaze.com/blog/backblaze-hard-drive-stats-q3-2020/

2020年第3四半期末において、Backblazeでは全拠点で合計15万974台のHDDを運用しています。今回の調査対象は台数が60台に満たないモデルを除いた15万757台で、2020年第3四半期におけるHDD年間故障率(AFR)をまとめたデータが以下となっています。


表を見ると、Seagate製14TB「ST14000NM001G」、16TB「ST16000NM001G」、18TB「ST18000NM000J」の故障率が0%となっていますが、これらのモデルは稼働を始めてまだ日が浅く、「故障率が低い」という結論を出すには時期尚早であるとのこと。他に故障率が0%だったモデルは東芝製4TB「MD04ABA400V」があり、こちらは7期連続で故障率0%を記録しています。最も優秀なHDDはモデル別の稼働日数と台数から算出した「ドライブ日数」が十分長く、故障率が0%であるHGST製4TB「HMS5C4040ALE640」ですが、2016年に製造終了となっているため、新規に購入するのは避けるべきだとコメントされています。

全体の故障率は0.89%となり、第2四半期の0.81%から0.08%悪化しましたが、対前年の2.07%からは大幅に改善を見せています。新型コロナウイルス感染拡大に伴い事業活動が制限された中でも、合計容量が150PB(15万TB)にも及ぶ1万1000台のHDDを新規に追加しており、故障率のさらなる低減に努めているとのこと。

2020年9月末時点においてBackblazeで運用されていたすべてのモデルについて、2013年の稼働開始から2020年9月末までの故障率を総計したデータが以下。今回のデータには「平均稼働月数(Avg Age)」が追加されています。全体の故障率は1.58%となっており、前期の1.64%から0.06%、前年の1.73%から0.15%の改善が見られます。モデル別ではHGST製HDDの低い故障率は健在で、Seagate製6TB「ST6000DX000」の平均稼働月数が65.9カ月と高くなっており、老朽化が進んでいることがわかります。


今回の調査で除外された「台数が60台に満たない」190台のHDDに関するデータも公開されています。ステータスが「Replacements」のモデルは、一度取り外されたものの、Backblazeが規定する品質評価プロセスを経て再利用されているHDDです。ステータスが「New」のモデルは新規に導入されたHDDで、東芝製「MG08ACA16TA」については今後稼働台数を増やしていくとのこと。


BackblazeがHDDの故障率データ収集を始めた2013年時点では、6TBのHDDが「大容量」とされていましたが、2020年時点では14TBや16TBといったさらに大容量のHDDが当たり前となっています。2019年時点でBackblazeが運用していたHDDは14TBモデルが最大でしたが、2020年からは16TBや18TBのHDDも導入しており、ドライブ日数は短いものの導入初期のパフォーマンスは良好。今後も大容量のHDDの導入をさらに進めていくとのこと。


Backblazeが2013年から行っているHDD故障率レポートの全データは、以下から確認することができます。

Backblaze Hard Drive Stats
https://www.backblaze.com/b2/hard-drive-test-data.html

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in ハードウェア, Posted by darkhorse_log

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