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「Facebookはタバコ産業から学んだ」とその有害さと中毒性を元ディレクターが語る


Facebookは「誤情報やフェイクニュース、陰謀論を拡散し社会を混乱させている」といった批判から、「青少年のメンタルに悪影響を与えている」といった批判まで、さまざまな問題点が指摘されています。そんなFacebookについて、元ディレクターが「Facebookはタバコ産業のやり方に学び、人々を中毒にさせている」と語りました。元ディレクターはFacebookで働いたことを公開していると述べています。

Hearing on “Mainstreaming Extremism: Social Media’s Role in Radicalizing America" | Democrats, Energy and Commerce Committee
https://energycommerce.house.gov/committee-activity/hearings/hearing-on-mainstreaming-extremism-social-media-s-role-in-radicalizing

House Committee on Energy and CommerceTestimony of Tim Kendall
(PDFファイル)https://energycommerce.house.gov/sites/democrats.energycommerce.house.gov/files/documents/09.24.20%20CPC%20Witness%20Testimony_Kendall.pdf

Former Facebook manager: “We took a page from Big Tobacco’s playbook” | Ars Technica
https://arstechnica.com/tech-policy/2020/09/former-facebook-manager-we-took-a-page-from-big-tobaccos-playbook/

ティム・ケンダル氏は2006年から2010年までFacebookで収益化のディレクターとして働き、その後独立してウェルネスアプリを開発する「Moment」という会社を立ち上げた人物。

2020年9月24日、アメリカの消費者保護とエネルギー商取引委員会が公聴会を開き、ケンダル氏に「Facebookがどのようにして過激・急進的コンテンツを広めていったのか」について尋ねました。これに対しケンダル氏は「過去15年にわたって私や同僚が作り上げてきたソーシャルメディアサービスは、恐るべき速度と激しさで人々をばらばらにしてきました。少なくとも私たちは人々の集団理解をむしばんできましたし、最悪、内戦を進めてきたのではないかと恐れています」と述べました。そして、「私たちは世界最大のタバコ産業に学び、当初から、人類が可能な限り私たちの商品に注意を払うよう、中毒性のあるものにしようとしていました」とケンダル氏は続けています。


ケンダル氏は「タバコ会社は当初、ニコチンをより強いものにする方向で開発を進めていました。しかし、最終的にはその方法では彼らの望む速度でビジネスを成長させることができないとわかりました。そこで彼らはタバコに砂糖とメンソールを加え、煙をより長い時間、肺にとどまらせることができるようにしたのです」と語り、タバコ産業と同じく、Facebookはステイタスアップデートや写真のタグ付け、いいねボタンといった機能を追加することで、「プラットフォームに長く留まらせる」という方法を取ってきたと説明。しかし、これらの機能によってユーザーに対する「評価」が重視されるようになり、「10代のメンタルヘルスを危うくする基礎が築かれました」ともケンダル氏は述べています。

加えて、「誤情報・陰謀論・フェイクニュースを野放しにすることは、タバコ産業における気管支拡張薬のようなものです。気管支拡張薬を使うことで煙は肺のより広い範囲を覆うことができます。しかし、火付け役のコンテンツだけでは十分ではないとして、ユーザーベース、特にユーザーがFacebookに費やす時間と注意の量を増やし続けるために、彼らはさらに多くのものを必要としました」ともケンダル氏。


Facebookでは「エンゲージメントが利益につながる」という考えのもと、エンゲージメントが全ての指標になっていたとのこと。

当初は「エンゲージメントを高めることはユーザーの利益になる」と考えていたケンダル氏ですが、次第にエンゲージメントを高めることで、ユーザーがプラットフォームから離れることができなくなることに気づいたそうです。記事作成時点でケンダル氏はFacebookと距離を取るだけでなく、Facebookで行ってきた自分の仕事を後悔しているとも語っています。そして、金銭的あるいは法的な罰則がない限り、Facebookで有害なコンテンツが広まる状況は変えられないとケンダル氏は強調しました。


Facebookのやり方に疑問を持ち、会社を離れた人物はケンダル氏の他にも存在します。マーク・ザッカーバーグCEOと共にFacebookを創設したクリス・ヒューズ氏も、「マークは親切ないいやつ」としつつ、「クリックのためにセキュリティと礼節を犠牲にして(Facebookを)成長させていくやり方には怒りを覚えます。政府はマークに説明責任を負わせなければなりませんし、Facebookは解体すべき時です」と述べています

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in ネットサービス, Posted by darkhorse_log

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