生き物

なぜクジャクの青い羽は「自然界で最も鮮やかな色」なのか?


クジャクやタマムシ、モルフォチョウといった色鮮やかな生き物たちが持つ発色の仕組みである構造色において、青と緑が多い理由をケンブリッジ大学の物理学者であるジャンニ・ジャクッチ氏らの研究チームが報告しています。

The limitations of extending nature’s color palette in correlated, disordered systems | PNAS
https://www.pnas.org/content/early/2020/09/04/2010486117

Why blue and green are the brightest colors in nature
https://www.zmescience.com/science/why-blue-and-green-are-the-brightest-colors-in-nature/

構造色とは、その物質自体には色が無いにも関わらず、物質表面の構造によって光が干渉することで起きる発色のことを意味します。例えば、クジャクの羽根に見られる構造色は微小な小羽枝によるもので、モルフォチョウの構造色はりんぷんによって発せられています。体の表面にあるナノスケールの複雑なパターンによって光が反射されることで、生物ごとに違った構造色が表れています。

ジャクッチ氏らの研究チームは、構造色において「光沢のない色」の存在する範囲を評価するため、PCで構造色のモデルを使用した数値実験を行いました。その結果、光沢のない構造色は可視光線内において青から緑までしか存在しなかったとのこと。


「自然界に存在する光沢を持った構造色の多くは虹色ですが、光沢のない構造色は青から緑の範囲でのみ存在しています。光沢のない赤やオレンジを構造色で人工的に再現しようとすると、彩度と色純度の両方で質の悪い結果になりました」と研究チームの1人であるルーカス・シェルテル氏は述べています。この結果、光沢のない構造色の中に「鮮やかな赤」や「鮮やかなオレンジ」は存在せず、青や緑が最も鮮やかな色合いとして発色されるわけです。

構造色の研究は、新たな塗料の開発に役立つとのこと。構造色の原理自体は車の塗料などで実用化されており、例えば2018年にはトヨタ自動車が展開する自動車ブランドのレクサスからモルフォチョウの構造色を応用した自動車「Structural Blue」が登場しています。


構造色の研究がさらに進めば、自然に無害かつ色あせにくい塗料の実用化につながるとジャクッチ氏らの研究チームは述べており、ジャクッチ氏は「構造色を応用した塗料は強度や耐退色性に特化しており、有害な物質を必要としないので環境に優しいと言えます」とコメントしています。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
99.5%の光を吸収する世界一真っ黒な魚「ウルトラブラックフィッシュ」が発見される - GIGAZINE

人間が想像すらできない「色」を鳥が見ていることが3年にわたる実験で示される - GIGAZINE

200年ぶりの新しい青「YInMnブルー」はどのようにして研究室から生まれたのか?そして新しい「赤」は見つかるのか? - GIGAZINE

金よりも貴重と言われる顔料「ウルトラマリン」の作り方 - GIGAZINE

人を死に至らしめた「色」の歴史 - GIGAZINE

in 生き物, Posted by log1m_mn

You can read the machine translated English article here.