インタビュー

オリジナルアニメ映画『君は彼方』の瀬名快伸監督にインタビュー、原作・脚本・プロデューサーも兼任する監督はこだわりと妥協の間でいかに作品を作り上げたか


2020年11月27日(金)に公開されるアニメ映画『君は彼方』は完全オリジナル作品。今回、本作の監督であり、脚本、プロデューサーも兼任するクリエイターの瀬名快伸(せな よしのぶ)氏にインタビューする機会を得たので、どのようにしてこのオリジナル作品を世に送り出すことになったのか、そしてどのように作品を作り上げていったのか、細かい部分まで話をうかがってきました。

映画『君は彼方』
https://www.kimikana.jp/

リモートでのインタビューに答えてくれた瀬名監督


GIGAZINE(以下、G):
参考資料として絵コンテを見せていただいたのですが、これまでにいろいろ見た絵コンテの中でも特に上手なもので驚きました。これは誰が担当したのでしょうか?

瀬名快伸監督(以下、瀬名):
コンテは1番のポイントだと思います。今回、セクションを3つに分けているんです。僕はプロデューサーも兼任していて、4年かけて映画を作っています。最初はプロデュース業と脚本業に携わって、途中から絵コンテに入るのですが、やはりコンテが一番カロリーがかかる。作業を進めていく中でどういうときに映画やアニメの工程が止まるかというと、脚本もありますが特に絵コンテがキツいということが分かったので、そこをケアしない限り、予算内で収まりきらないと考えていました。

G:
コンテの工程を見直したと。

瀬名:
この映画のプロジェクトが始まるまでに、ゲームのOPを作ったりしてきたのですが、絵コンテを描くのではなく、まず、ワードコンテとして文字のコンテを書くようにしたんです。これが画期的だったみたいで、持論なので賛否両論あると思いますが、ワードコンテについて話すと、日本で一番有名な俳句といえば、松尾芭蕉の「古池や……?」

G:
……「蛙飛び込む水の音」、ですか?

瀬名:
そうです!さすがですね。これを4コママンガで表すとすると、1コマ目に「古い池」を描いて、2コマ目にカエルの姿を、3コマ目にカエルが池に飛び込む姿を描いて、4コマ目がポチャンという音がしている……という流れをみんな描くと思うんです。ということは、絵の情報というのはある程度は文字にすることもできると分かったんです。絵にするとカロリーがかかることも、字にしておくことで簡単に作れて、全体を見通すことができる。よく、絵で描いた後に「ここつながってないじゃん」と気付いて描き直し、ということもあるのですが、ワードコンテを作った時点でわかるので、そこで手を入れる。その後、絵コンテを作成し、絵コンテからレイアウトにして、分かりやすいようにレイアウトを絵コンテに貼り付ける作業をして、みんなの指針にしたんです。こうすることによって、ものすごくきちんと進んでいく。

G:
文字のコンテを作ることで絵コンテの描き直しの手間を省きつつ、同時にイメージが共有できてクオリティも上がるんですね。

瀬名:
ただワードコンテも、俳句であれば短いセンテンスですが、アニメはそう単純ではありません。キャラクターがいて、どういう位置関係なのかも大事になるので。それを言葉で表すとき、どうするか。まずはアングル。アイレベルはキャラクターたちの視点なので分かるのですが、アオリならどのくらいのアオリなのか、俯瞰ならばどれくらい高くから見下ろしているのか、コンテマンがわかるように書きます。あとは、キャラクターがどのように配置されているかも、ビジュアライズできるように文字で書きます。それを「絵コンテにしてください」と伝えると、難しいカット以外はほぼ僕が思った通りの絵コンテが上がってくるんです。僕が絵を描いている時間を減らすと、リテイクやミステイクを減らすことができて、主となるカットに時間と人材を集中させることができるようになったんです。

G:
なるほど、スケジュールの調整にもなると。

瀬名:
僕の中では絵コンテは「絵の情報が全て集まっているもの」で、音楽でいうデモテープ。ワードコンテは楽譜といえます。ドラムがこう、ピアノがこうと、プロの人が見ればどうなっているか分かるし、いきなりデモテープを作ると時間がかかるので、まずは1人で楽譜を書く。改善点もその段階で見えてくるので、絵コンテからだとめちゃめちゃ時間が必要なのですが、ワードコンテから認識することで全体のミスの量を減らす。

G:
文字のコンテで問題なく伝わるのでしょうか?

瀬名:
アクションシーンを文字で表現するのは難しいです。なので、絵コンテを描く人の隣について、質問されたら人形を使って「これは、このキャラがこうなんです」と見せる。また、カメラワークについてはケータイカメラを人形と一緒に動かして「こうやって近づいたり回ったりしているんだよ」と教えることによって、文字じゃ伝わりにくい部分を固めていきました。それでも「本当に文字だけでは分からない」という部分もあって、そこに関しては僕が絵コンテを描きました。ただ、基本的には文字情報で「これはこういうアングルです」と指定すれば、間違っていないものが上がってくるんです。

G:
それで、絵コンテがとても分かりやすいのですね。間違っていないから。

瀬名:
ワードコンテから絵コンテにする段階では僕ともう一人で描くのですが、それを作画監督が見て絵コンテを直すと時間がかかるので、レイアウトの段階で直します。レイアウトの段階で直したものを、みんなが分かりやすいように絵コンテにはめ込んでいる、という感じです。だから絵コンテのクオリティがものすごく高くて、たくさんの人が見ていくときに、「ここはこういうことなんだな」と分かりやすくなっています。

G:
その作業で制作時間としてはどれぐらい短縮できるものですか?

瀬名:
他の現場を知らないのでなんとも言えないですが、かなり短縮されたと認識しています。原作・脚本・監督・コンテ・プロデュースを兼任していたので決定が早い、というのもあります。どこかのセクション待ちとか、そういうのがほぼゼロですから。たとえばワードコンテの部分だと、脚本をあげる時点で絵がほぼアタマの中で完成しているので、ワードコンテを絵コンテマンに投げている間に次のワードコンテを書けるんです。

G:
そこで止まらないんですね。

瀬名:
コンテマンから「これってどういうことですか?」と聞かれたら、さきほどの話のように人形を持ってきて……と。絵コンテの時点でそこまでクオリティを仕上げてしまうと時間がかかりますから。また、今回は澪と新という2人の物語なので、この2人に集中して感情移入できるよう、画面構成をシンプルにしようと心がけたというところはあるかもしれません、。

G:
瀬名監督は脚本からワードコンテ、絵コンテの一部、さらにプロデューサーも兼任されているとのことで「監督・脚本・原作:瀬名快伸」とクレジットされています。本作『君は彼方』は、そもそもどういう企画として始まったのでしょうか?

瀬名:
もともとは短編作品で、長編にはできないだろうと考えていました。ところが、機会があって長編として作ることになり、脚本を20回ほど直しました。短編を60分にして、それを90分にして、と。映画としては必要ないと考えてカットしたものもあります。「なぜこのキャラはこの事実を知っていたのか」「なぜこの時このキャラがここにいたのか」というような情報はすべて、KADOKAWAファンタジア文庫から出る小説『君は彼方』で補完されています。

G:
公式Twitterで2020年8月14日に、不思議な世界に迷い込む主人公を助ける謎の少女役に早見沙織さんが出演するよという告知があって、そこに監督のコメントとして「アフレコの後、この映画を作った経緯を説明したのですが、途中からずっと早見さんは泣いていました。」とありました。これは、どのような経緯だったのですか?


瀬名:
「僕が泣かした」みたいに間違わないでくださいね!コロナの影響で収録をリモート中継していたので、ちゃんと証拠も残っていますから(笑) これは、収録が始まる前にまず、早見さんにこの映画をどういう経緯で作り始めたかというのを説明して、終わった後にもう少し詳しく作品の成り立ちとか、僕自身がどういう人生を歩んできたかというのを説明したんです。あの……澪ちゃんって、基本、ダメじゃないですか。

G:
ダメ(笑)

瀬名:
ある意味、彼女は僕の分身なんです。映画のような恋愛の話じゃないんですけど、仕事の上で僕はあまり前に出たくないタイプで、そのために、自分がやってきたけどプロフィールには書いていないことがいっぱいあるんです。「僕じゃなくて他の人を出してください」と譲ってきちゃった人生で、このままいくとダメになるなと思って、一念発起してやり出したのが『君は彼方』のプロジェクトなんです。……ということを早見さんに説明したら、途中からウルウルしていて、「監督の話を聞いていたら涙が止まらなくて」と。なんて純粋な子なんだと思いました。

G:
瀬名さんのコメントとしては、本作の第一報での「『これが最後の作品になるかもしれない』という強い気持ちで劇場公開させていただけたら」というのも気になりました。なぜ初の長編劇場アニメなのにいきなり「最後の作品になるかもしれない」だったのですか?

瀬名:
普通に考えたら、僕、出て行ったらダメなんですよ(笑) 実績のない監督、人気原作でもない。客観的にこの企画書が回ってきたら「大丈夫!?」って言います(笑)

G:
(笑)

瀬名:
笑ってますけれど、これ、100%ダメですよ!(笑) 「僕、はんこ押せない」って言いますよ。ムリですって。普通に考えたら、実績のない人間がコケたら、次はもうない。ただ、それだけの話なんです。アイデアは尽きることがなくて、ネタは100個以上あるんです。でも、死ぬまでに1本ずつ作っても100年かかるんです。残りの人生で、1年に1~2本は新しくできるので、「どれをやろうかな?」と考えていく人生です。

G:
壮絶ですね。

瀬名:
壮絶ですよ(笑) このあたりは今あまり言い過ぎると怒られるので、しかるべき時になれば出せるお話かなと思います。

G:
企画開始から4年以上かけた作品とのことです。原作も監督も手がけていると、制作のすべての段階で進行に携わることになると思いますが、この4年間で特に苦しかった場面・状況はどういったところでしたか?

瀬名:
コンテです。先ほどいったワードコンテと絵コンテを平行して進めなければいけなくて、作業が重なることがあるんです。コンテ作業中に連絡が入ってきて「これどうなってるの?」と。制作も進行も僕がやっていて、ラッシュの予定の時間割も決まっていなくて「時間いつですか?」と問い合わせがあるので、調整して、アシスタントに電話をかけてもらって……。

G:
まさに「全部」やってるんですね。

瀬名:
そうですね。……いま、横にいるアシスタントもうんうんと言ってくれてます。「本当はゴーストライターがやってるんだろ」とか言われようとも、自分でやってますもん。僕以外に人がいないですし、もっと人がいたら新宿で3回も泣いてないです(笑)

G:
なぜそんなことに(笑)

瀬名:
もういろいろあって……。エンドクレジットで僕がやっていることになっているものを「自分がやった」という人がいるとしたら、むしろ、僕が知りたいです。企画が立ち上がった当初は宣伝も自分でやっていたくらいです。

G:
東京大学で行った「瀬名快伸トークショー in 東大~監督から声優までこなすアニメ制作者の素顔~」の中で、「幼少期は家でよくアニメを見ていた」という話をされたそうですが、当時はどのような作品を見ていたんですか?


瀬名:
ドテラマン』です。今でも歌えますもん。すごいコンセプトじゃないですか。どてらを着て戦うんですよ!

G:
なぜそんなに思い入れが(笑)

瀬名:
僕がどてらを着ていたからですね。あと『ドロロンえん魔くん』とかも好きでした。他は『少女革命ウテナ』とか『セーラームーン』『幽☆遊☆白書』……ジャンプアニメは見てましたね。

G:
このトークショーでは、瀬名さんがアニメを作ろうと思い立ったとき、アニメ制作会社一覧の五十音順に電話をかけていき、話を聞いてもらった会社とタッグを組んで『印ストール』を作ったという話があったとのことです。どう交渉して、アニメを作るところまでいったのですか?

アニメ『印ストール』 - YouTube


瀬名:
五十音順に公式サイトを見ていったのは本当なんですが、電話をかけたのはこの『印ストール』で組んだ旭プロダクションさんが最初だったんです。僕みたいな変なやつを受け入れてくれる体制かどうか、電話してもダメそうなところはやめておこうと思ったので。なので、「一発一中」という感じです。

G:
一発で当たりを引いたという。

瀬名:
当時、ちょうど旭プロダクションさんは企画を募集しているところで、脚本を書いて持っていったらプロデューサーさんが「面白いね」と反応してくれて「共同でやりましょう」ということになり、とんとん拍子で作品につながったんです。

G:
当時の1日のスケジュールとして「6時半に起きて朝ご飯食べながら仕事したりします。12時に寝るみたいな生活です」とあるのですが、今はどんな感じですか?

瀬名:
当時はそんな感じだったんですね。今は……もうちょっとハードなときもあります。少ない夢の中でもうなされていたり(笑) お酒を飲んでいても、仕事の電話があるとぱっとしらふに切り替わっちゃいます。

G:
トークショーでは「アニメはイケてるビジネスと思うか?」という質問に対して「振り幅がすごい。売れるものはものすごく売れるし、売れないものは全く売れない。だからこそ夢があるのかもしれない。イケてると思う。」と答えたそうですが、これは今でも同じような考えですか?

瀬名:
まったく一緒ですね。「イケてる」かどうかはこの『君は彼方』がヒットするかどうかで答えが変わるかもしれません(笑) これでコケたら、「まぁ、そうですよね……現実はそう甘くはないよな」と。でも、後悔したくはないので、全力でぶち当たります。外では笑顔でいるようにしているので、現場ではふだん「瀬名さん、全然辛そうじゃないんだもん」って言われてます(笑)

G:
いやー、話を聞いていると壮絶です。

瀬名:
そういうのは外には出さないようにしているんです。僕、モノには当たれないんです。スリッパを床に投げつけようと思っても「ここでスリッパを投げつけたら、ご近所さんの迷惑になるかもしれない」と考えて、振り上げたスリッパをそっとはき直すという。

G:
(笑) それほど爆発したくなることが……。

瀬名:
だってもう、クリエイティブをやっていて「このカットどうするべきか……ああでもないこうでもない」って。毎日、あり得ないことが1日は1個ぐらい起きるので。

G:
1日1個!? では、モノに当たったりできないのであれば、怒りはどう解き放っているのですか?

瀬名:
うーん、どうしてるんだろう。……思い出した、忙しすぎてまぎれていくんですね(笑) だって「ウォー!!!!」っていう状態でも、電話がかかってきたら「ハイもしもし」って出ますもん。電話をかけてきた人は何も悪くないですから。

G:
確かに。それほど忙しい中で、想像していたよりも大変だったとか、大変だったけどここは特によくできた、というような部分はありますか?

瀬名:
絵の部分だと、不思議の世界と現実の世界をどう区別するかということ。あと、演出において、ルール決めを最初にしたんです。【最終盤までの内容を含むため、監督の発言の一部は作品公開後に追記します。お楽しみに】

あとはキャラクターの動きですね。画面にキャラクターを多く登場させすぎず、シンプルにすることで主人公へ感情移入しやすくしました。「このキャラクターは、このシーンで、どのようにお客さんの感情を持っていきたいのか」を考えてカット割りしています。予算のこともあり、難しいことをやって原画や作画に負担をかけるわけにはいかないので、表現を変えていくところもありました。ですが、カロリーが高いと思って僕が外したカットもあります。たとえば「ここはカメラを回したい」と思っても、本作では3DCGは一切使ってないから回り込みをするのは大変です。だから、そういうのは絞り込んで、やれるところだけ考えました。でも、外そうと思ったところって、どう考えてもそう思って外したのって、絵コンテになったときにわかっちゃうんですよね。「ここ、瀬名監督カメラ回したいよね。でもカットバックにしたでしょ」って(笑) それで「ちょっと現場で考えておく」と言ってくれて、できあがったら回り込みになっていたときには、現場の熱さを実感しました。

G:
おお、それはうれしい。

瀬名:
僕がプロデューサーとして全体のカロリーを考えていたところを、監督としての意思をくみ取って変えてくれたという点も多々あります。たとえばオープニングも、僕が最初に描いたコンテとは全然違うものになっています。オープニング部分はカロリーを使うのが目に見えて分かっていますが、そこにリソースを費やしてしまうと後がハードになる。なので抑えめのコンテを描いたんですが、現場が「瀬名監督。置きにいってるでしょ。劇場版のオープニングですよ」と。「いやいや、カロリー使うわけにいかない」と僕が言っても「大丈夫」、なんてこともありました。実際に上がってきたのを見て「ここまでになったのか」と思いました。本当はこうしたかったけれど予算で……とか、僕が端々で言っていたのかもしれません。それを現場の演出が拾ってくれて、熱い気持ちで僕のコンテをブラッシュアップして、動かしてくれたりして……。

G:
効果音や音楽のこだわりはありますか?

瀬名:
音の収録に行ってきたんですけど、すごいですよ。ストリングスだけで30人ぐらいいましたから。ソーシャルディスタンスを保ってミュージシャンを分けてやっていましたが、総勢40~50人ほどいたんじゃないですかね。

G:
それはめちゃくちゃ豪華ですね。

瀬名:
僕は音楽もやるので、音にはこだわりたいなと。セリフの音と、劇場なので5.1chで音の奥行きをどう出すか。効果音とセリフのバランス、音の鳴らし方、ベースがどう聞こえるか。音は耳だけじゃなくて、なんとなく見えてくるんです。低い音は低いし、「音の高さ」で映画全体の臨場感を作っていきたいというのがずっとあって。ここは音楽の知識を使ってエフェクトやバランス、音楽の入り方を徹底しています。

G:
こだわりの音楽制作はどのようなチームで行っているのですか?

瀬名:
音楽プロデュースは日音がやってくれています。絵を見て効果音が前に出てくるだろうというところは、音楽のピークを外しています。たとえば「クジラが海面に出た」というシーンなら、クジラが海面に着く瞬間に100%の効果音で「ザッバーン」という音が来るところなんです。音楽の盛り上がりも普通はそこなんですが、あえて「ザッバーン」の手前に入れて、音楽の直後に「ザッバーン」という音が続くようにしています。徹底的に、音楽と効果音とセリフがかぶらないように、ということですね。

作曲家も音楽プロデューサーも素晴らしくて、澪ちゃんが強く言うセリフがあった場合、音楽の強い部分が重ならないように、秒単位・コマ単位で音をずらします。ストーリーが輝くために、お芝居が輝くために、どう引き立てるかをひたすら考えてメロディーまで考えてもらっています。最初、『君は彼方』を見た時、ものすごく音が大きく聞こえると思います。それは音が重なっている部分がないからなんです。音楽を立てるところは声がないです。電球のピカピカ音と音楽も重なりません。全体としてはシーンの迫力も音の迫力も消さずに、何を伝えたいかというのを確実に伝えることができる。音が入ったデモを見て、何度も見ている自分の作品なのに泣いちゃいました。

G:
最後に、このインタビューを最後まで読んだ読者の方に対して、作品のアピールを改めてお願いします。

瀬名:
脚本の時点で、万人にウケるものじゃないかもしれないと思っていました。テーマが王道っぽく見えて王道じゃない。生きていて息苦しいと感じる人、人間関係や、将来、恋愛の悩み……そういう生きていく上の息苦しさを感じている人が見たときに刺さるテーマかなと思って作りました。というのも、僕が一念発起して人生最後の大バクチをしてやろうと思っている作品で何を語ろうかと思ったとき、僕がそうだったようにずっと息苦しさを感じて生きている人がたくさんいて、でも「私、僕、息苦しいです」とはいえないんじゃないか。僕がそうだったように。ひょっとしたら、映画を見る人の中にもそういう人がいるのではと思ったんです。

自分が同じように息苦しく生きてきたものですから、そういう人が映画を見たとき「自分が変われたような気がする」と。映画館を出たときに「私も、僕も、今息苦しさを感じているけど、変われたかも、変われるかも」と思ってくれたらいいなと。おこがましいかもしれませんが、そのようになってくれたらいいなと思います。

G:
本日はありがとうございました。

映画『君は彼方』は2020年11月27日(金)公開です。

映画『君は彼方』特報①30秒 - YouTube

©「君は彼方」製作委員会

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