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Google社員は「Googleアプリの位置情報をオフにしても位置情報を収集する設定」が誤解を招く難解なものと認識していた


2018年に報じられた「Googleアプリが端末の位置情報を無効にしても位置情報を収集し続けている」という問題について、Google社員が「Googleアプリの位置情報の許可に関する設定は明らかに誤解を招く」と認識していたことが明らかになりました。

Unsealed Google lawsuit docs show its own engineers were confused by privacy settings
https://www.azmirror.com/2020/08/24/unsealed-google-lawsuit-docs-show-its-own-engineers-were-confused-by-privacy-settings/

Unredacted suit shows Google’s own engineers confused by privacy settings | Ars Technica
https://arstechnica.com/tech-policy/2020/08/unredacted-suit-shows-googles-own-engineers-confused-by-privacy-settings/

事の発端となったのは、2018年8月に報じられた「Googleアプリが端末の位置情報を無効にしても位置情報を収集し続けている」という問題です。一例では、Googleマップアプリはプライバシー設定で位置情報をオフにしても、起動時に位置情報をスナップショットとして保存していることが挙げられています。

Googleアプリはたとえ位置情報を無効にしても場所データを追跡・収集し続けていると判明 - GIGAZINE


そのため、完全に端末の位置情報を収集されないようにするためには、OSの設定画面から「位置情報」をオフにした上で、「ロケーション履歴を使用」をオフにし、さらにGoogleアカウントでデフォルトでオンになっている「ウェブとアプリのアクティビティ」をオフにする必要があります。

この報道の直前には警察がGoogleに対してユーザーの位置情報を提供するよう要求していたこともあり、世間の位置情報に対するプライバシー意識が高まっていました。そのため、Googleアプリの位置情報設定の難解さは「わざと誤解を招くものだ」と強く非難されました。

この非難を受け、アリゾナ州検事局もGoogleの位置情報問題についての独自調査を開始。2020年5月に「アリゾナ州の消費者詐欺法に違反している」としてGoogleを訴えました。

Androidが位置情報を不正に追跡? 米アリゾナ州がGoogleを訴える|Real Sound|リアルサウンド テック
https://realsound.jp/tech/2020/06/post-561013.html

この訴訟では当初Googleの要求を受けて証拠文書の一部が非公開とされていました。しかし、2020年8月3日にデジタルコンテンツに関する業界団体Digital Content Nextとアメリカ・カナダの報道協会News Media Allianceが証拠文書の開示を要求。この要求を裁判官が承認したことにより、「Googleの内部文書」が新たに開示されることとなりました。

新たに開示されたGoogleの内部文書には、位置情報問題について同社の社員が語り合ったメールとチャットのログが多数含まれていました。これによって、一部の社員が「現在のUIはユーザーが理解できないほど難解」「我々はユーザーを混乱させるUIを出荷している」「『位置情報オフ』とは『実際に位置情報をオフにする』ということを意味すべきで、『この場合やあの場合を除く』というものであるべきではない」と語っていたことも判明。Google社員ですらGoogleアプリの位置情報をオフにするための設定が難解すぎると認識していたことが明らかになりました。


さらに、開示された内部文書によって、位置情報問題がどのように報じられているかに関してGoogleが日報を作成して社内で共有していたことも明らかになっています。

arizona-v-google-exhibit-219-225.pdf
(PDFファイル)https://cdn.arstechnica.net/wp-content/uploads/2020/08/arizona-v-google-exhibit-219-225.pdf


この日報では報道初日におけるメディアの論調が「100%否定的」であったことや、報道から日がたつにつれて問題が注目を集めなくなったことなどが記されています。

Googleの広報担当者は一連の問題について、「位置情報に関しては我々はユーザーからのフィードバックを参考にし、プライバシーコントロールを改善するために努力してきました」と語っています。

なお、2019年5月には位置情報の自動削除機能が登場しています。

Googleが位置情報とウェブ&アプリのアクティビティ管理の自動削除機能導入を発表 - GIGAZINE

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in ネットサービス, Posted by darkhorse_log

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