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100年以上にわたりアメリカで「手作り豆腐」を作り続けているアメリカ最古の豆腐店のムービー


豆腐は日本料理に欠かせない伝統食材ですが、日本人でも実際に作っているところを見たことがある人は多くありません。アメリカ・オレゴン州ポートランドで、1911年から1世紀以上にわたり豆腐を作り続けている「Ota Tofu」のムービーを見ると、第二次世界大戦を乗り越えてきた伝統と技術を現代に受け継ぐ、豆腐職人の熱い思いをかいま見ることができます。

How the Finest Tofu in America is Handmade Every Day — Handmade - YouTube


Ota Tofu – Portland, Oregon - Gastro Obscura
https://www.atlasobscura.com/places/ota-tofu-oldest-tofu-shop-united-states

「手作り豆腐の鮮度は、さながら焼きたてのパンのようなものです。当店では、30分か1時間前にできたばかりの豆腐をお客さんに売るようにしています。その日に作った豆腐が一番おいしいですからね」と語るのは、Ota Tofuの主人であるジェイソン・オガタ氏です。


プロ野球選手として活躍した経験もあるオガタ氏が、子どものころから食べて育ったのが、1911年に創業した豆腐店Ota Tofuの豆腐です。


Ota Tofuの職人が手作りで豆腐を作る技は、芸術の域に達しているとのこと。このムービーでは、実際にオガタ氏が大豆から豆乳を作り、それが豆腐になるまでを見ることができます。


Ota Tofuが使っているのは、遺伝子組み換え作物ではない有機栽培の大豆のみ。


産地にもこだわっており、オハイオ州でとれた高タンパクな大豆を選んでいるとのことです。


Ota Tofuの豆腐の原材料は、大豆のほかはにがりと水だけ。「オレゴン州の水はアメリカで一番おいしいので、豆腐の味をよく引き立ててくれます」とオガタ氏は語ります。


豆腐作りは、大豆を水に浸す浸漬(しんせき)から始まります。浸漬する時間は水の温度次第ですが、だいたい2時~17時まで15時間ほど水につけます。


十分に浸漬したら、次は大豆をグラインダーに入れて細かく砕きます。


砕かれた大豆はこんな感じに、ドロドロになります。


続いて、圧力鍋に入れて煮ます。煮る際の210度という高温はバクテリアを死滅させるだけでなく、豆腐作りにも最適な温度だとのこと。ただし、これらの工程には豆の状態や水の温度などによって毎日変化が生じるため、正確にコントロールするのは困難を極めるそうです。


煮た後は、ろ過するための専用の袋を使用して、豆乳とおからに分けます。


ろ過には絞り機を使用し、2回に分けてろ過します。


豆乳の表面には湯葉ができます。Ota Tofuでは売っていませんが、こうしてできた湯葉を売る豆腐店もあります。


おからが入ったフィルターをよく振って、できるだけ濃厚な豆乳を作ります。


濃厚な豆乳から作られる豆腐の味について、オガタ氏は「スーパーなどで売られている豆腐は味が薄いので、『豆腐は味がないもの』と思っている人がいますが、それは誤解です。本物の豆腐は、ナッツのような豆の風味とほのかな甘みがあるものでなくてはなりません」と話します。


豆乳を搾り出すと、おからができます。おからは料理の具材にもなりますが、Ota Tofuではおからを牛などの家畜の飼料にしています。


豆乳ににがりを加えて手でかき混ぜるのは、豆腐作りで最も重要な工程です。きちんとかき混ぜないとうまく凝固しませんが、かき混ぜすぎると豆の成分と水が分離してしまいます。


この難しい工程を手作業で行うことで、豆腐職人はその日の豆腐の出来を確認するとのことです。


かき混ぜてから15分ほど待つと、こんな感じに凝固します。


最後に、型に入れてから絞って水分を抜きます。


Ota Tofuの「手絞り」の技術は、他店や大手メーカーではまねできないそうです。


ある程度水分を抜いたら、機械も使って絞ります。


一気に水分を絞り出すと、中心部と周辺部で濃さに違いが生じてしまうので、外側を切ってから中に入れて、繰り返し絞ります。


こうして固まった豆腐を切って……


包装すると手作り豆腐の完成です。


Ota Tofuは日本からアメリカに移住したオオタ氏という人物が1911年(明治44年)に創業しましたが、戦争により日米関係が悪化すると、当時店を切り盛りしていたオオタ夫妻らは日系人収容所に入れられてしまいます。主人のオオタ・サイゾー氏は、1943年にアイダホ州にあるミニドカ強制収容所で亡くなりましたが、シナ夫人が店を続けました。その後、シナ夫人の孫であるオオタ・コウイチ氏ら夫婦がもう店を閉めようとしていることを聞きつけたオガタ氏が、「自分がやらなければ」と店を継いで今に至るとのこと。


オガタ氏だけでなく、50年以上前に日本から取り寄せた道具や、40年以上Ota Tofuで働いているベテラン従業員が、今でもOta Tofuの豆腐作りを支えています。


そんなアメリカの豆腐作りにも機械化の波が押し寄せているそうですが、オガタ氏は「手作りで豆腐を作るのは手間がかかりますが、大切なことです。私は、この伝統と技術という遺産を残してきたいと思います」と話しました。

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in 動画,   , Posted by log1l_ks

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