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InstagramがTikTokユーザーのヘッドハンティングを開始、中には数千万円が支払われるケースも

by light up!

Facebook傘下の写真共有SNSであるInstagramが、ショートムービー共有サービスTikTokから人気のクリエイターを引き抜き、自社が新たに開始する競合サービス「Instagram Reels」に招待していると報じられています。

Facebook Offers Money to Reel In TikTok Creators - WSJ
https://www.wsj.com/articles/facebook-seeks-to-reel-in-tiktok-creators-raising-stakes-in-social-media-rivalry-11595928600

TikTokは累計ダウンロード数が20億回を突破するなど、世界的な人気を誇るアプリですが、その裏では「ユーザーの情報を収集し中国政府に引き渡している」との嫌疑がかけられています。そのため、日本アメリカの議会ではTikTokの使用制限に向けた議論が活発化しているほか、インドは既にTikTokを含めた数十個の中国製アプリに対する禁止措置を打ち出しています。

アメリカやインドといった巨大市場の喪失に直面しているTikTokが、新たに抱えている問題が強力な競合アプリの登場です。2020年7月16日には、InstagramがTikTokと同様に15秒のショートムービーを共有するサービス「Instagram Reels」の導入を進めていることが報じられました。

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アメリカ・ユタ州の日刊紙Deseret Newsの報道によると、Instagram Reelsは8月上旬からアメリカでリリースされるとのこと。また、アメリカでのリリースから間もなくして、日本を含む世界50カ国でサービスが展開されるとの情報もあります。

そんなInstagram Reelsについて、経済紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は7月28日に「Instagramは有名なTikTokユーザーに有利なオファーを出して、自社の新しい競合サービスに参加させようとしています」と報じました。WSJによると、TikTokクリエイターと呼ばれる投稿者のうち、特に人気の高い有名クリエイターに支払われる金額は、数十万ドル(数千万円)にのぼる可能性があるとのこと。とりわけ、Instagramに独占的にムービーを投稿するクリエイターには特に多額の報酬が支払われるそうです。

Instagramの広報担当者であるサリッサ・スロワー氏はWSJの取材に対し、「目下Instagram Reelsのテストを実施しているいくつかの地域では、多様なクリエイターにアプローチしています。我々は引き続き、クリエイターと彼らの体験の両方に投資することに取り組んでいきます」と話しました。


一方のTikTokも、新たなライバルに対抗するための方策を打ち出しています。TikTokは7月23日に、クリエイターを支援することを目的とした2億ドル(約210億円)規模のファンド「TikTok Creator Fund」の創設を発表。8月から、アメリカでクリエイターからの申請受付を開始することを明かしました。

WSJの取材に答えたTikTokの広報担当者は、2018年にリリースされたFacebookのショートムービー共有アプリ「Lasso」が7月にひっそりとサービスを終了したことを指摘して、「Lassoがはやらなかったことを考えると、FacebookがInstagram経由の模倣品でこの分野に切り込もうとするのは自然なことです。とはいえ、彼らがどんなに頑張っても、何億人もの人々がTikTokを楽しんでいることに変わりはありません」とコメントしました。

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in モバイル,   ネットサービス,   動画, Posted by log1l_ks

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