レビュー

尋常ならざる日本愛があふれるPS4のオープンワールド時代劇アクション「Ghost of Tsushima」は人間の反応速度の限界に挑んだ高速剣戟や美麗な大自然など見どころ満載


アメリカのゲームスタジオであるサッカーパンチ・プロダクションズが開発した、鎌倉時代中期に起きた蒙古(モンゴル帝国)による日本侵攻「元寇」を題材としたオープンワールド時代劇アクションアドベンチャー「Ghost of Tsushima」が2020年7月17日に発売されます。海外のゲームスタジオが日本の時代劇を本気で作ったという本作は、「中世の日本にタイムスリップしたかのようなリアルな体験」を楽しめるゲームを目指しており、とことんリアルさを追求した緊張感あふれる剣戟アクションや、対馬の美麗で時に恐怖すら感じる大自然をオープンワールドで思う存分楽しめるという作品です。そんな「Ghost of Tsushima」を発売より一足先にプレイする機会が得られたので、実際にどんなゲームになっているのか体験してみたところ、驚愕のクオリティと日本人以上の尋常ならざる日本愛を随所に感じることができました。なお、「Ghost of Tsushima」は「CERO:Z(18才以上のみ対象)」の作品ですが、記事内には「CERO:Z(18才以上のみ対象)」に該当する表現は含まれていません。

Ghost of Tsushima Game | PS4 - PlayStation
https://www.playstation.com/ja-jp/games/ghost-of-tsushima-ps4/

物語の舞台となるのは、鎌倉時代中期の対馬です。モンゴル帝国による日本侵攻である「元寇」を題材としており、対馬にモンゴル帝国の大軍勢が襲来したところからゲームはスタートします。用意周到に練られたモンゴル帝国の策略により対馬の武士たちは窮地に陥ることとなるのですが、その中で主人公の坂井仁(さかいじん)は、ほとんど孤立無援の状態から対馬を奪還すべく立ち上がることとなります。

『Ghost of Tsushima』 未曽有の動乱、日本上陸。 - YouTube


これが主人公の坂井仁。ほとんど孤立無援の状態でモンゴル帝国の大軍勢と戦うことを強いられます。しかし、生粋の武士である仁は味方からの闇討ちの提案に対して「誇りはないのか?」「道義に反するつもりはない!」と言い放ち、堂々と敵の前へ出て行き「来い!鬼畜ども!」と、正々堂々と戦いを挑みます。


操作方法は以下の通り。面白いのは「一騎討ち」コマンドが存在することで、特定のタイミングでこのボタンを押すと敵兵に一騎討ちを挑むことができます。また、設定画面の「オーディオ」設定が尺八を吹く仁の姿になっているなど、UIの至る所に「日本っぽさ」や「武士らしさ」が潜んでいるので、それを探してみるのも楽しげです。


画面はこんな感じで、戦闘時には画面左下に赤色の体力ゲージと黄色い丸で示された気力ゲージが表示されます。なお、体力ゲージと気力ゲージ以外にはほとんど何も表示されないため、ゲームへの没入感を阻害するものはほとんどありません。


戦闘では基本的に敵の攻撃に合わせてガードしたり回避したりしながら、速打と強打を織り交ぜて攻撃を繰り出すこととなるのですが、注意すべきは以下のように敵の武器が赤く光る瞬間です。この攻撃だけはガード不可なので必ず回避する必要があり、敵によっては連続でガード不可の攻撃を繰り出してくるため、敵の動きをよく観察しながらしっかりと「後の先」を取っていく必要があります。


また、プレイを進めることで複数の型を会得することも可能。戦闘の中で型を使い分けることで、さまざまな種類の敵を効率よく撃破していくことができるようになります。


少しプレイしただけでも戦闘シーンにはかなりのこだわりが垣間見えるのですが、開発元であるサッカーパンチ・プロダクションズの共同創設者であるクリス・ジマーマン氏も、PlayStation .Blogのインタビューの中で戦闘におけるこだわりを語っています。

基本的に「Ghost of Tsushima」の剣戟シーンの動きはすべてモーションキャプチャーした動きをベースとしているため、実際の人間の動作速度を忠実に反映したものとなっています。ただし、実際の人間の動きはあまりにも速いため、一部の攻撃にプレイヤーが反応できないという弊害が起こったそうです。プレイヤーの操作する仁の動作が速い分には何の問題もないものの、敵となる蒙古兵の攻撃にプレイヤーが反応できるようにするには工夫が必要でとなったそうです。開発チームによると、プレイヤーの反応速度は「約0.3秒」ほどと限界が存在するものの、いつ敵が攻撃を繰り出してくるかを予測する「予測速度」には限界がないことに気づいたそうで、敵が一連の攻撃を始める前にプレイヤーが最初の攻撃に反応できるだけの時間を与えるように調整を加えることで時代劇のような緊張感あふれる剣戟アクションを再現することに成功したとしています。


深いこだわりのもと生み出された「Ghost of Tsushima」自慢の激しい剣劇アクションシーンがどのようなものに仕上がっているかは、以下のゲームプレイムービーの6分55秒以降を見るとわかります。

『Ghost of Tsushima』 ゲームプレイトレーラー - YouTube


「Ghost of Tsushima」の物語の中心にあるのは「元寇」と、モンゴル兵に抗う主人公・仁の心の中の「葛藤」です。仁は圧倒的な武力を誇るモンゴル兵との戦いの中で、自身がこれまで築き上げてきた「武士」としての道とは反する、「闇討ち」などの汚い手を使ってでも相手を倒す誉(ほま)れなき「冥人(くろうど)」として戦わなければいけない場面に遭遇します。仁の葛藤は過去回想やさまざまな登場人物、サブクエストなどを通して丁寧に描かれるため、本作はまさにアクションだけでなくドラマとしても時代劇を忠実に再現しています。自身の大切なものを守るために、武士として最も大切なものを捨てなければいけないのか、それとも武士としての矜持を保ったままモンゴル帝国を退けるころができるのか、仁の物語の行く末については実際にプレイして確かめてみてください。

『Ghost of Tsushima』ストーリートレーラー - YouTube


「Ghost of Tsushima」の魅力は洗練されたアクションや、重厚な武士としての物語以外にもあります。実際にプレイしてとにかく驚いたのが映像の美しさで、対馬の時に美しく時に恐ろしくもある自然が、とにかくプレイヤーを引きつけます。真っ赤な紅葉や……


一面真っ黄色の銀杏の森。


霧とすすきの原が相まって、この世とあの世の境目にいるかのような幻想的な風景が演出されることも。


ライティングも秀逸で、朝日により見慣れた風景が違った表情を見せたり……


日の沈む時間になると、恐ろしげな雰囲気が演出されたりと、同じ風景でも時間によってさまざまな顔が見られます。


対馬中を自由に行き来できるオープンワールドアクションゲームとなっているため、美しい大自然に心を癒やされながら気ままな旅をすることも可能です。ゲーム中の対馬の自然について、環境アートチームのジョアンナ・ワン氏は「本作の“対馬”は、実在する対馬を再現したものではなく、私たちから対馬への恋文のようなものです。対馬からは多くの要素を取り入れましたが、日本本土の風土から得た着想も組み合わせて、本作独自の“対馬”を作り上げました」とインタビューの中で語っています。


この他にも日本文化へのリスペクトが作中の至る所に隠されています。例えば「設定」の「画面」の中には「黒澤モード」というものがあり、これを「有」に変更すると……


黒澤明監督の日本映画を彷彿とさせるようなモノクロ画面に変化。より時代劇風にゲームを楽しみたいという人は、黒澤モードを「有」にしてプレイするのもオススメです。


なお、「Ghost of Tsushima」の時代劇映画風トレーラーなるものも公開されており、いかに「プレイする時代劇」を目指して本作が作られたかがよくわかります。

『Ghost of Tsushima』時代劇映画風トレーラー - YouTube


「Ghost of Tsushima」では極力ゲームへの没入感を損なわないようにするために、画面上に表示されるテキストやUIは最小限のものとなっています。それでも次の目的地がどこにあるのかなどがわからなくならないように、作中では「風」が次の目的地へと仁を誘ってくれます。この風の役目について、ワン氏は「往年の時代劇映画を思い出してみてください。ふたりの侍が草原で向かい合い、鯉口(鞘の口の部分)を持ち上げてにらみ合う。互いに微動だにせず、息を止めて、相手の出方をうかがっている。すべての動きが止まったかのような静寂の中で、草が揺れ、木の葉が宙を舞い、着物が風にはためき、やがて、天から雨だれが落ちてきて地面を打つ。このように、緊張が高まるにつれ、周囲の景色が緊迫感を盛り上げ、静と動の対比によって時代劇のあの瞬間を感じていただけるようにしたかったのです」と、ユーザーを目的地に導くだけでなく時代劇風の緊迫した雰囲気を演出する役割も担っていると語っています。


また、対馬の雄大な自然の中で生活する動物が仁を導いてくれることもあります。たどり着いた先ではアイテムがゲットできたり、瞬時に複数ボタンを押す「竹割り」が行えたり……


秘湯で戦いの傷を癒やしたり……


和歌を詠んだりと、日本らしい(?)ミニゲームなどがプレイヤーを待ち受けています。


「Ghost of Tsushima」をプレイすると、日本の時代劇を参考に作り上げられた激しく鋭い剣戟アクションや、日本の四季が詰まったかのような対馬の大自然、誉れを重んじる武士道を描く骨太な物語など、とにかく作中の至る所に日本へのリスペクトが隠れていることに気づきます。日本のどのゲームよりも日本への愛を感じる「Ghost of Tsushima」をプレイしていると、自分が日本人であることを誇りに思えてくるほどで、オープンワールドやアクションゲームに興味があるという人だけでなく、すべての日本人にプレイしてもらいたいと感じる作品でした。


なお、「Ghost of Tsushima」は2020年7月17日発売で、Amazon上での販売価格は税込6078円となっています。

Amazon.co.jp: 【PS4】Ghost of Tsushima (ゴースト オブ ツシマ) 【早期購入特典】デジタル ミニサウンドトラック ・「仁」ダイナミックテーマ ・「仁」アバター(封入) 【CEROレーティング「Z」】: ゲーム

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in レビュー,   動画,   ゲーム, Posted by logu_ii

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