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スマブラのコミュニティがプレイヤーによる性的ハラスメントだらけであることが問題に


人気ゲーム「大乱闘スマッシュブラザーズ」シリーズを取り巻くコミュニティにおいて、複数の性的ハラスメントに関する申し立てが行われていることが明らかになりました。

Over 50 Sexual Misconduct Allegations Have The Super Smash Bros. Community In Turmoil
https://kotaku.com/over-50-sexual-misconduct-allegations-have-the-super-sm-1844328719

海外ゲームメディアのKotakuがソーシャルメディア上でのゲーマーの発言を調査したところ、50人以上が大乱闘スマッシュブラザーズシリーズのコミュニティに属する人から何かしらの性的ハラスメントを受けた経験を暴露しているそうです。性的ハラスメントの被害を告白した被害者の中には、レイプなどの性的暴行を受けたという人もおり、その影響でeスポーツ大会のスポンサーの一部が撤退しています。


問題となっているのは「性的ハラスメントを受けた」という申し立てを調査し、罰を執行する統治機関が存在しない点で、多くのケースで、大会の主催者が申し立てに対してどう対処するか一任される状況になっています。

イラストレーターのJacqueline 'Jisu' Choe氏は、Kotakuに対して「『#MeToo』が世界的に広がったあとも、閉鎖的な『スマブラ』文化圏においては、コミュニティで何が起きているのか話すことは困難でした。性的ハラスメントに関する告白は何年にもわたって行われてきましたが、散発的に行われるのみで、コミュニティを動揺させたのちにすぐに排除されてきました。さらに悪いことに、コミュニティに属する人々はファンのあこがれの対象であるトッププレイヤーがいかに恐ろしい人々であるかについての暴露を『注目されているトレンドに戦略的に関わり、注目を集めようとする行為』と呼んできました」と、大乱闘スマッシュブラザーズコミュニティでは長年にわたって性的ハラスメントの申し立てが難しいものであったと語っています。


しかし、2020年6月頃からTwitchコミュニティ上でゲーム配信者が女性に対して行ってきた性的ハラスメントに関する申し立てが相次いでおり、これを受けて大乱闘スマッシュブラザーズのコミュニティ上でも複数の暴露が行われるようになりました。大乱闘スマッシュブラザーズのコミュニティ上で最初に性的ハラスメント被害を告白したのは、18歳の人気プレイヤーであるPuppehさん。同氏は自身が14歳の頃に当時24歳の女性解説者・ダンソン氏から性的ハラスメントを受けたことを告白しています。

ダンソン氏はPuppehさんの申し立てに対して公式な声明などは出していませんが、南カリフォルニアを拠点とする大乱闘スマッシュブラザーズの大規模大会を主催する2GGamingから、大会への参加を禁止されています。

Dear Smash Community.... pic.twitter.com/3uirEAaWEI

— 2GG (@2GGaming)


Puppehさんの告白は大乱闘スマッシュブラザーズのコミュニティに属する多くの被害者を勇気づけたようで、性的ハラスメントの被害者による告白が相次ぐこととなります。中にはPuppehさんのように未成年者による被害の告白もあります。

大乱闘スマッシュブラザーズ for Wii Uの人気プレイヤーのひとりであるJason “ANTi” Bates氏に性的ハラスメントを受けたという告白も複数挙がっています。ある匿名女性は、15歳の頃にBates氏を含む複数のプレイヤーから性的暴行を受けたと告白しました。

Bates氏はこれを否定しており、被害者女性と性的関係を持ったのは女性が18歳の頃であると主張。その後、Bates氏は声明を削除し、Twitterアカウントを鍵アカウントとし、大乱闘スマッシュブラザーズから距離を置いています。なお、複数の女性がBates氏との性的行為について暴露したため、同氏のスポンサーを務めていたeスポーツ団体のT1は契約を終了することを発表しています。

さらに、大乱闘スマッシュブラザーズ界隈で最も有名なプレイヤーのひとりであり、大乱闘スマッシュブラザーズの大会に56回優勝してギネス記録にもなったGonzalo “ZeRo” Barrios氏も、性的ハラスメントを行ったと暴露されています。被害を受けたと訴えた女性はどちらも未成年者で、Barrios氏は女性たちが未成年であることを知らなかったと主張したものの、主張については真実であることを認め、最終的に大乱闘スマッシュブラザーズ関連のイベントへの参加を恒久的に見送ると発表。「もう二度と関わる資格はない」と自身の非を認めています。

I want to mention that I’ll also be permanently banning myself from Smash Bros events in any capacity. I don’t want to make anyone uncomfortable and I don’t deserve to be there ever again after all this.

— ZeRo (@zerowondering)


なお、Barrios氏は2019年にFacebook Gamingと独占的なゲーム配信契約を結びましたが、今回の問題を受け、2者間のパートナーシップが解消されたことも明らかになっています。

Effective today we’re terminating our partnership with ZeRo. We stand with the brave individuals who have come forward to share their stories, and we will do our part to make sure they don’t fall on deaf ears. https://t.co/J8GB9v5m12

— Facebook Gaming (@FacebookGaming)


複数の性的ハラスメント被害が報告されたことを受け、大乱闘スマッシュブラザーズのリリース元である任天堂は、「大乱闘スマッシュブラザーズのゲームコミュニティに属する特定のメンバーに対して行われた複数の暴露に深く動揺しています」「彼らは絶対に許されません。我々はあらゆる人に対して行われる暴力・嫌がらせ・搾取行為をすべて否定し、被害者の側に寄り添う立場であることを明確にしたいと思います」と声明を出しています。

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in ゲーム, Posted by logu_ii

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