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アメリカが「WHOの脱退」を公式に通達、ただし脱退手続きに1年掛かる見込み


2020年7月6日、アメリカが国際連合に対して世界保健機関(WHO)の脱退通知書を提出しました。ただし、実際に脱退するには1年間の時間をおく必要があるため、実際にアメリカのWHO脱退が行われるのは2021年7月6日となる見通しです。

Trump administration moves to formally withdraw US from WHO | TheHill
https://thehill.com/homenews/administration/506214-trump-administration-formally-withdraws-us-from-WHO-

Trump “officially” takes US out of WHO, but withdrawal is a year-long process | Ars Technica
https://arstechnica.com/tech-policy/2020/07/trump-officially-takes-us-out-of-who-but-withdrawal-is-a-year-long-process/

トランプ政権の高官は7月6日、「ホワイトハウスはWHOからアメリカを脱退させるよう公式に動きました」と認めました。WHO側もこの動きを確認したとのことで、WHOのスポークスパーソンは「『2021年7月6日付けでアメリカがWHOから脱退する』という通知書が国連事務総長に提出されたという報告を受けています。現段階で、これ以上の情報はありません」と報道各社に回答しました。


トランプ政権はWHO脱退を数カ月にわたって示唆し続けていました。アメリカは、WHOの年間予算の15%に相当する約4億5000万ドル(約480億円)を毎年支払ってきましたが、2020年4月にはWHOへの拠出金を停止。2020年5月にはWHOとの関係解消を表明していました。

このような行動の原因は、WHOの態度にあるとトランプ大統領は説明していました。トランプ大統領は会見の中で、「アメリカは中国の10倍以上の拠出金を払っているのにも関わらず、WHOは『中国中心』だ」「2020年1月31日に中国からの渡航禁止措置を実施することで数千人のアメリカ人の命が救われたのに、WHOは反対を表明した。WHOは中国からの誤った情報に基づいて、『新型コロナウイルスは伝染性ではなく、渡航禁止措置の必要はない』と述べていた」と強く非難してきました。

以下の2020年2月4日の記事を読むと、新型コロナウイルスの被害状況について各国の専門家が懸念を報じる中、WHOのテドロス・アダノム事務局長は「渡航禁止措置は必要ない」と明言し、中国と歩調を合わせた発言をしていたことがわかります。

新型コロナウイルスの感染者数が1週間で6倍以上に、各国専門家が被害拡大を予告するも中国は「アメリカがパニックを広めた」と回答 - GIGAZINE


以上のように、トランプ政権はWHO脱退に向けて正式に動き出しています。しかし、トランプ大統領の再選がかかるアメリカ合衆国大統領選挙はWHO脱退実行前の2020年11月に実施されるため、仮にトランプ大統領の対抗馬となる民主党大統領候補が勝利した場合、脱退を撤回することは必至だとみられています。

実際に、民主党のボブ・メネンデス上院議員はTwitterで「WHO脱退はアメリカ国民の命と利益を守ることにはならず、アメリカ国民を病気にし、アメリカを孤立させる」と非難しています。

Congress received notification that POTUS officially withdrew the U.S. from the @WHO in the midst of a pandemic.

To call Trump’s response to COVID chaotic & incoherent doesn't do it justice. This won't protect American lives or interests—it leaves Americans sick & America alone.

— Senator Bob Menendez (@SenatorMenendez)

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in Posted by darkhorse_log

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