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香港の図書館から「民主主義活動家の著作」が撤去されている


中国政府による香港の統制を強めるための法律である「香港国家安全維持法」が施行されたことを受け、香港の図書館から民主主義活動家の書籍が撤去されています。

Hong Kong: books by pro-democracy activists disappear from library shelves | World news | The Guardian
https://www.theguardian.com/world/2020/jul/05/hong-kong-books-by-pro-democracy-activists-disappear-from-library-shelves

香港の中国返還から23年となる2020年7月1日を目前に控えた6月30日23時頃、香港での反政府的な動きを取り締まるため「香港国家安全維持法」が施行されました。


この法律は、国家からの離脱、転覆行為、テロリズム、香港に介入する外国勢力との結託や、中国中央政府と香港の地方政府への憎悪を扇動する行為などの取り締まり、香港に中国中央政府直轄の新たな保安機関の設立などを制定するもの。同法は幅広い解釈が可能である点や、陪審員抜きの非公開裁判が行われる可能性があるという点、さらには容疑者の拘束期間についての制限がない上に、捜査から判決、処罰に至るまでの全てを中国大陸の当局が引き継げる点などから、「中国中央政府がこれまでなかった広範な権力を(自治権を有するはずの)香港に持つことができる」と指摘されています。

【解説】 香港の「国家安全法」 なぜ人々をおびえさせるのか - BBCニュース
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-53259691

そしてこの香港国家安全維持法の施行と同時に、香港における民主化デモを主導してきた活動家の著作が図書館から撤去されていることが判明しました。

図書館から撤去されたことが明らかになっているのは、民主化団体「学民思潮」「香港衆志」のリーダーであり、2014年香港反政府デモを率いた経歴を持つ活動家の黄之鋒氏や、活動家でありながら香港の立法府に議席を持つ陳淑莊議員、香港自治運動の思想的リーダーである陳雲氏などの著作。AFP通信の記者によると、2020年7月4日午後の時点で、香港の黄大仙区の公共図書館から黄之鋒氏らの著作が撤去されていることを確認したとのこと。これについて、図書館を運営する黄大仙区文化サービス課は「国家安全維持法に違反しているかを調べるため、一時的に本を撤去しています」と回答しています。

この一件を受け、黄之鋒氏は「本の撤去は香港国家安全維持法が原因だと信じています。白色テロがまん延し続けており、日本のアニメである『図書館戦争』がまさに香港で起こりつつあります」とFacebookに投稿しました。

国安法實施第四日,圖書館已經有幾本「覆檢中」嘅書,當中包括我喺2013年出版嘅「我不是細路」。

即使書中內容,根本唔涉及任何主權憲法問題,更加冇任何同國際戰線有關嘅內容(因為當時得16歲,又真係未開始打國際線),仍然要作審查。

由此可見,白色恐怖不斷彌漫,國安法根本就係用嚟以言入罪嘅工具,日本動漫「圖書館戰爭」嘅內容,竟然切實咁樣喺香港發生。

黃之鋒 Joshua Wongさんの投稿 2020年7月3日金曜日


イギリス大手紙のThe Guardianは「独立または自治の促進は同法によって禁じられているようです。さらに、過大解釈が可能な条項によって、中国政府や香港政府に対する憎悪の扇動も禁じられています。中国本土では反対意見を鎮圧するために、同種の国家安全維持法が日常的に用いられています」「香港国家安全維持法と本の撤去により、学問の自由が存在しているかどうかに疑念が持たれます」と記しています。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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