メモ

新型コロナウイルスに対応するために空港はどんな進化を遂げつつあるのか?

by Delta News Hub

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に伴う渡航制限や利用者減により空前の被害を受けている航空業界が、ロボット技術や非接触技術を活用して生き残りを図っている事例を、アメリカの技術誌Popular Mechanicsがまとめています。

Flying During COVID-19 - Safety Technology at Airports
https://www.popularmechanics.com/technology/infrastructure/a32703817/future-airport-tech-coronavirus/

COVID-19により、航空業界はアメリカ同時多発テロ事件よりも甚大な被害を受けており、アメリカ・ペンシルベニア州ピッツバーグ市にあるピッツバーグ国際空港(PIT)も例外ではありません。

PITの広報担当者であるBob Kerlik氏はPopular Mechanicsに対し、「とにかくワクチンが開発されないことには、顧客数が95%近く減少した状況が大きく変わることはないでしょう。PITの利用者数はゆっくりと回復しつつありますが、それでも2020年の3月までのような安定成長は到底見込めません」と話しています。


こうした状況の中で、空港はさまざまな工夫を凝らして生き残りを図っています。

◆タッチレスチェックイン

by Delta News Hub

利用客が自分でチェックインするシステム自体は1990年代後半には登場していましたが、これにはタッチスクリーンを触る必要があるという問題があります。これに代わり、虹彩スキャンや顔認証といった生体認証技術により、非接触型のチェックインを採用する空港が増えているとのことです。

◆ロボット清掃員
人間に代わってロボットが清掃業務を担う「ロボット清掃員」も登場しています。2020年5月に香港国際空港が導入した「インテリジェント滅菌ロボット」は、紫外線殺菌装置や空気清浄機を搭載しており、全自動で動き回りながら空気中と床や壁の表面の両方を消毒することが可能とされています。

Hong Kong International Airport Applied Advanced Technology to Step Up Disinfection Against Virus
https://www.globenewswire.com/news-release/2020/05/08/2030414/0/en/Hong-Kong-International-Airport-Applied-Advanced-Technology-to-Step-Up-Disinfection-Against-Virus.html


◆免疫パスポート
一度COVID-19にかかってから回復して免疫を獲得した人は、外出や移動などの制限が解除されるという「免疫パスポート」は、COVID-19に対する免疫のメカニズムは科学的にまだ解明されておらず、多くの問題があるとの指摘もなされています。

そんな中、イギリスを拠点とするIT企業Bizagiは、COVID-19の抗体検査の結果を証明できるスマートフォンアプリ「CoronaPass」をリリースしました。

CoronaPass
https://www.coronapass.org/home


BizagiのGustavo GomezCEOは、 CoronaPassについて「COVID-19と免疫の関係についてはまだ科学的に証明されていませんが、事業継続をサポートし、社会で最も弱い立場の人々をCOVID-19から守るためには、幅広い状況で使用できる証明書が必要なのは明らかです」と述べました。

◆サーマルカメラ
アメリカのダレス国際空港やタンパ国際空港では、熱があるかどうかを検知できるサーマルカメラを導入しています。両空港が導入しているInfrared Camerasのサーマルカメラは、皮膚の温度を測定し、熱がある可能性を検知することが可能とのこと。発熱の原因がCOVID-19なのか、ただのかぜや他の病気なのかはサーマルカメラでは分かりませんが、非接触を維持したままスクリーニングする方法としては優れています。

How Do Infrared Cameras Work | Infrared Cameras Inc
https://infraredcameras.com/in-the-news/how-do-infrared-cameras-work/


こうしたテクノロジーを駆使してCOVID-19に対抗している空港の取り組みについて、Popular Mechanicsは「ロボット清掃員にサーマルカメラ、免疫パスポートなどの新技術により、私たちが知っているような空の旅は変わろうとしています。未来の空港はすでに、すぐそこまで来ているのです」と記しています。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
「航空業界にとって新型コロナウイルスによる損害は9.11よりもひどい」として各国が航空業界への支援を表明 - GIGAZINE

新型コロナウイルス流行で「航空券の変更手数料無料」と広告しつつもユナイテッド航空は倍額のチケットを表示しているという指摘 - GIGAZINE

新型コロナウイルスの流行を空港での検査がどれほど防ぎ遅らせることができるかを可視化するとこうなる - GIGAZINE

新型コロナウイルスの流行による旅客便削減で「航空貨物の運賃」が高騰している - GIGAZINE

in メモ, Posted by log1l_ks

You can read the machine translated English article here.