任天堂が作った「日本初のプラスチック製トランプ」に関する歴史的資料が公開中

by beforemario

世界的なゲームメーカーの任天堂ですが、最も売れたゲームシリーズとしてギネス記録にも認定されているマリオシリーズなどがヒットして大企業となる以前は、花札やおもちゃの製造を行っていたことも有名です。そんな任天堂のファンが公開している、任天堂が1953年に発売したトランプカードの販売資料を見ると、任天堂の伝統と歴史をうかがい知ることができます。

beforemario: Nintendo's washable playing cards from 1953
http://blog.beforemario.com/2020/06/nintendos-washable-playing-cards-from.html

「マリオ以前」の任天堂のおもちゃなどを取り上げているブログ「beforemario」を公開しているのは、オランダ在住のエリック・ヴォスキール氏です。ヴォスキール氏は、任天堂のおもちゃ好きが高じて「Before Mario」という本を出版したことがあるほか、日本のゲーム雑誌からも度々インタビューを受けている筋金入りのコレクターです。

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そんなヴォスキール氏が「トランプのメーカーとしての任天堂の地位を固めたもの」と評しているのが、任天堂が1953年に発売したプラスチック製トランプカードです。

ヴォスキール氏が公開している、発売当時の販促用リーフレットの表紙には「ナップカード」という商品名と、水中に沈められたトランプのイメージが掲載されています。

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記事作成時点でも「NAP」シリーズとして任天堂から販売されている「ナップカード」ですが、プラスチック製のカードとしては日本初の画期的な製品だったとのこと。

リーフレットには、「トランプの王者はまさにこれだけ！！」「我が国のトランプに一大革命をもたらす事となりましょう」とうたわれています。また、プラスチック製カードに慣れていない当時の日本人にアピールするため、紙製のトランプと違って水や汚れに強いという特徴が前面に押し出されていることもうかがえます。

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ヴォスキール氏は「主な製品の特徴として宣伝されているのは、カードが洗えるという点です。リーフレットの表紙にも水に浸したカードが示されています。実際にカードを定期的に水洗いする人がどれくらいいるかは疑問ですが、汚れに強く、破れたり折れ曲がったりしないという点は、確かに非常に優れたものでした」と指摘しています。

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リーフレットの裏面には社名として「任天堂骨牌株式会社」と記載されています。なお、骨牌とはカルタのことです。

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「ナップカード」発売後も、任天堂は紙製のトランプを製造し続けていましたが、次第にプラスチック製トランプが子ども向けのトランプカードのスタンダードとなっていきました。

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ヴォスキール氏は「プラスチック製トランプの発売は、トランプメーカーとしての任天堂の地位を確固たるものにしました。さらに重要なのは、ナップカードは山内溥の主導により開発された最初の革新的製品だということです。彼は50年以上にわたり任天堂の社長を務め、2002年に岩田聡にその役目を引き継ぐまでの間に、数多くの革新的な製品を世に送り出しました」と述べました。

このブログ記事を取り上げたソーシャルニュースサイトHacker Newsのスレッドには、「任天堂が、日本の文化と経済の劇的な変化の中で100年以上も生き残り、今も変わらず革新的な企業であり続けていることに、驚きを感じます。一体どのようにしてこれほど長い間、創造性を追求する企業文化が維持されているのでしょうか？」というコメントや……

「映画『サマーウォーズ』を見てから花札を探してみたときに、任天堂がまだ花札を作っていてくれたのが分かったのはうれしかったです！私はまだ花札が上手ではありませんが、任天堂のカードは大好きです！」といったコメントが寄せられていました。