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政治家がTwitterに「中傷アカウントの法的責任」を求めるも「Twitter自体は無関係」という判決が下る


アメリカ下院議員のデビン・ヌネス氏が、Twitter上の風刺アカウントを名誉毀損(きそん)で訴えると同時にTwitterにも法的責任を求めた問題について、「Twitterは無関係である」という判決が下りました。

Judge rules Nunes can't sue Twitter over satirical accounts | TheHill
https://thehill.com/regulation/court-battles/504398-judge-rules-nunes-cant-include-twitter-in-lawsuit-against-satirical

ヌネス氏が訴えていたのは、「Devin Nunes 'Mom(デビン・ヌネスの母親)」「Devin Nunes' Cow(デビン・ヌネスの牛)」というTwitterアカウント。これら2つのアカウントはヌネス氏を皮肉るツイートを多数投稿していました。2つのアカウントのうち、Devin Nunes 'Mom(@DevinNunesMom)はアカウントが凍結されていますが、Devin Nunes' Cow(@DevinCow)は健在。訴訟を受けているのにも関わらずヌネス氏を煽り続けている様子を見ることができます。

Devin Nunes’ cow ????さん (@DevinCow) / Twitter
https://twitter.com/devincow


ヌネス氏はこれら2つのアカウントを「評判を傷つける」として名誉毀損で訴えるのと同時に、Twitterも「風刺的な発言をプラットフォーム上に投稿することを許可した」として、その責任を問う裁判を起こしていました。

ヌネス氏対Twitterの裁判では、「インターネット企業には第三者によって提供されたコンテンツに対して、一部の例外を除き法的責任はない」と定める「通信品位法第230条」が争点となりました。ヌネス氏の弁護人であるスティーブン・ビス氏は、「Twitterは保守的なコンテンツよりもリベラルなコンテンツを支持しており、ヌネス氏をあざけるコンテンツを助長させた」と述べ、本件に通信品位法第230条が適用されるべきではないと主張。一方Twitter側の弁護人は、「通信品位法第230条の例外は『第三者が投稿したコンテンツの開発や作成に協力した場合』に限るため、本件には通信品位法第230条が適用される」と言い立てました。


本件の審理を務めたジョン・マーシャル判事は「先例に従って、許可するコンテンツが偏っていた場合にも通信品位法第230条は適用される」として、Twitter側の主張を全面的に受け入れました。Twitterの広報担当を務めるキャサリン・ヒル氏は、今回の判決について、「ヌネス氏が申し立てた起訴を棄却するという本日の決定は、正しいものだったと強く信じています。Twitterは背景や政治的所属に関わらず、サービスを利用する世界中の全ての人に対して公平にルールを施行しています」とコメントしています。

なお、ヌネス氏が2つの風刺アカウントに対して起こした訴訟は、記事制作時点でも継続中とのことです。

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in ネットサービス, Posted by darkhorse_log

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