サイエンス

超巨大な「地震波が遅くなる層」がタヒチ島北東の地下に存在するという研究結果


1990年から2018年にかけて生じた地震7000件の地震波を分析することで、太平洋に位置するマルケサス諸島の地下2900kmに直径約1000kmという超巨大な「超低速度層」が存在しているとメリーランド大学の研究チームが発表しました。

Sequencing seismograms: A panoptic view of scattering in the core-mantle boundary region | Science
https://science.sciencemag.org/content/368/6496/1223

Seismic waves reveal giant structures deep beneath Earth’s surface | New Scientist
https://www.newscientist.com/article/2245939-seismic-waves-reveal-giant-structures-deep-beneath-earths-surface/

「超低速度層」は、グーテンベルク不連続面というマントルと核との境界面に存在する「地震波が伝わる速度が異常に遅くなる(最大30%の速度減)層」です。超低速度層は地中深くに存在しているため、実際に観測することは不可能。「なぜ地震波の伝播速度が遅くなるのか」については明確な結論は得られていませんが、水平方向の横波の伝播速度を弱める性質を持つポストペロブスカイトが超低速度層を構成しているのではないかといった説が存在します。


メリーランド大学の地質学者Doyeon Kim氏が率いる研究チームが発表した研究は、1990年から2018年にかけて太平洋の海盆で確認された地震の中でも、マグニチュード6.5以上かつ地下200km以上の深度で発生した地震7000件を分析するというもの。研究チームは地震データの中から、グーテンベルク不連続面を沿うように伝播する地震波の一種であるS波に着目。機械学習アルゴリズムを使用してデータからランダムノイズを除去して残った数千件のS波を同時に分析して、マルケサス諸島の直下に直径約1000km・厚さ25kmという巨大な超低速度層が存在していると特定しました。さらに、研究チームは以前より存在が知られていたハワイ諸島の直下に存在する超低速度層が、考えられていたよりもはるかに大きいとも言及しています。

超低速度層を含むマントルの研究は、長い年月にわたって地球の構造がどのように変化してきたのかを理解する上で重要です。Kim氏は、「地球のマントルの中ではマントル対流という対流が発生しており、この対流によってホットスポットプレートテクトニクスが生じています」と語り、マントル研究の重要性を強調しています。

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in サイエンス, Posted by log1k_iy

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