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Twitterから大量削除された中国・ロシア・トルコのアカウントの傾向を分析した結果わかったこととは?

by vazovsky

Twitterはポリシーに違反するアカウントの削除を行っていますが、新たに中国・ロシア・トルコの3カ国で削除された大量のアカウントをスタンフォード大学の研究機関「Stanford Internet Observatory」と情報共有し分析したところ、それぞれの国に傾向が見られました。Stanford Internet ObservatoryとTwitterがその内容を公開しています。

Sockpuppets Spin COVID Yarns: An Analysis ofPRC-Attributed June 2020 Twitter takedown
https://stanford.app.box.com/v/sio-twitter-prc-june-2020

Political Retweet Rings and Compromised Accounts: A Twitter Influence Operation Linked to the Youth Wing of Turkey’s Ruling Party
(PDFファイル)https://fsi-live.s3.us-west-1.amazonaws.com/s3fs-public/20200611_turkey_report.pdf

FSI | Cyber | Internet Observatory - Analysis of June 2020 Twitter takedowns linked to China, Russia, and Turkey
https://cyber.fsi.stanford.edu/io/news/june-2020-twitter-takedown

Disclosing networks of state-linked information operations we’ve removedhttps://blog.twitter.com/en_us/topics/company/2020/information-operations-june-2020.html

◆中国


Twitterは2019年8月に約20万個ものアカウントを削除しましたが、新たに同様の傾向を持つアカウント2万3750個をTwitterは削除したとのこと。これらのアカウントのツイート数は34万8608回に及びました。

これらのツイートは主に「香港民主化デモ」「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)」「郭文貴氏」「台湾」の4つに分けられ、台湾は他3つに比べると規模が小さいものの、データセットとして顕著な傾向がみられたとのこと。

COVID-19に関するツイートは2020年1月末ごろから始まり、3月末にピークを記録。多くのアカウントは1月末に投稿を始める数週間前に作られたものでしたが、中には2019年9月に作成され、3月末にCOVID-19について投稿しだすまで休眠状態のものもあったそうです。


その投稿内容は、中国のCOVID-19に対する反応を称賛するものや、アメリカや台湾の対応と比較するもの、そして香港の活動家を攻撃する方法としてCOVID-19を利用するものなど。また、COVID-19の封じ込めに成功した台湾ではなく、中国のCOVID-19対策を繰り返し称賛する英語のアカウントも存在したと報告されています。

そして、2019年8月に大量削除されたアカウントと同様に、これらのアカウントはフォロワーが10人以下で、プロフィールがなく、似たような名付け方で同じ日に作成されていました。

香港民主化デモや、中国共産党の実情を暴露しアメリカに亡命した郭文貴氏についての投稿は特定の出来事に関連して増加しており、その内容は「デモに対抗すること」「郭文貴氏が元アメリカ主席戦略官スティーブン・バノン氏と契約を結んでいたことへの非難」に集中していたとのこと。

◆ロシア


ロシアでは、親クレムリン、反プーチンへの批判、そして反西欧の主張を行うSNSグループ「Current Policy」と関係しているとみられるアカウント1152個が削除されました。これらアカウントは343万4792件の投稿を行っていました。Current Policyは2013年にTwitter上で活動を開始し、2019年11月にアカウントが削除されるまでに15万フォロワーを獲得し、5万8000回もの投稿を行っていたとのこと。

削除されたアカウントはウラジーミル・プーチン大統領を応援し、政府の活動を広めるために利用されていました。政府の公式アカウントや、ロシアの政治家を自称するものもあったと報告されています。またいくつかのアカウントはロシアのメディア・コングロマリットであるHearst Shkulev Mediaのニュースネットワークと結び付いており、人気のあるアカウントについてはリツイートを購入できるサービスを利用していたとみられています。

◆トルコ

by Michael Gubi

トルコでは、3694万8524回の投稿を行った7340アカウントが削除されました。この中には同じ日に似たようなユーザー名で登録されたアカウントが含まれており、テロ組織を母体に持つ公正発展党を推進する「リツイートの輪」が確認されています。また削除されたアカウントの一部はトルコ政府を批判する組織とつながっており、組織が中傷を行ったことにより削除が行われました。

またツイートには、レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領の権力を強化した2017年トルコ憲法改正国民投票を促進するものも含まれたほか、2019年のトルコ軍によるシリア侵略の支持者を増やそうと意図するものも確認されています。

なお、Twitterはこれらのアカウントのデータセットをアーカイブ化して公開しており、情報操作が公共での会話にどう影響するのかを、研究機関が調査できるようにしています。上記のデータは既にスタンフォード大学のほかオーストラリア戦略政策研究所と共有されていますが、2020年夏の終わりにはオンライン会議を行い、さらなる専門家や産業、政府機関とコラボレーションの機会について議論していく予定とのことです。

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in ネットサービス,   ウェブアプリ, Posted by darkhorse_log

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