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FacebookのザッカーバーグCEOが従業員との大規模会議を実施、プラットフォームの規制やポリシーについて語る

by Billionaires Success

2020年6月2日、Facebookのマーク・ザッカーバーグCEOは従業員2万5000人とのビデオ通話会議を実施。「トランプ大統領がSNS上で米軍による黒人暴動の鎮圧を示唆した」問題に関する協議を行いました。

Read: Transcript of Mark Zuckerberg’s meeting with Facebook employees about Trump - Vox
https://www.vox.com/recode/2020/6/3/21279434/mark-zuckerberg-meeting-facebook-employees-transcript-trump-looting-shooting-post

黒人男性ジョージ・フロイド氏が白人警官に押さえ込まれたまま死亡した事件をきっかけに発生したミネアポリス暴動に対し、トランプ大統領がTwitterやFacebook上で「when the looting starts, the shooting starts(略奪が起きた場合、銃撃で対処する)」と発言。この発言に対して、Twitterは「暴力の賛美についてのTwitterルールに違反しています」というラベルを付加しました。

一方、Facebookはトランプ大統領の同じ発言に対して、何のラベルも付けませんでした。これはFacebookのザッカーバーグCEOのポリシーを反映した処置でしたが、Facebook従業員はこのポリシー自体が間違っていると反発。ザッカーバーグCEOを公然と非難していました。


以上の経緯については、以下で詳しく説明しています。

「トランプ大統領のソーシャルメディア検閲問題」に関してFacebook社員がザッカーバーグCEOの対応を公然と非難 - GIGAZINE


従業員の反発を受け、2020年6月2日にザッカーバーグCEOは従業員2万5000人とのビデオ会議を実施。トランプ大統領の一件に対して、Facebookの現状のポリシーや、現状のポリシーを改善するならばどういった手法を採るべきなのかについて説明。さらに、従業員との質疑応答を行いました。

会議の冒頭で、ザッカーバーグCEOは「プラットフォームの基本的な原則やポリシーについて熟考が重ねられたと私は確信していますが、100%決まったわけではありません」と明言し、Facebookのポリシーが従業員などの提言によって変更される可能性を認めました。

続けてザッカーバーグCEOは今回の議題について整理。トランプ大統領の「略奪が起きた場合、銃撃で対処する」という発言について、「国家による武力行使の示唆」「将来の暴力に対する予測」「暴力の扇動」という3つの解釈が認められると説明しました。

今回、議題となっているのはトランプ大統領の発言が「暴力の扇動」か否かという点です。ザッカーバーグCEOは3つの解釈のうち、「暴力の扇動」という可能性が一番低いとした上で、「暴力の扇動に関するFacebookのポリシーに例外は存在しない」と言及。いかなる場合においても暴力の扇動は認められないという姿勢を強調しました。

しかし、ザッカーバーグCEOは「暴力の扇動」の定義について、Googleポリシーなどの先例を挙げた上で、「今回のトランプ大統領の発言は『暴力の扇動』に当たらない」という解釈を示しました。


続く議題は、「Facebookのポリシー」でした。トランプ大統領の発言を契機に、社内外から「Facebookのポリシー」に対する疑問が噴出したことを受け、ザッカーバーグCEOは従業員に対して、「ポリシーのあり方」について説明しました。

まずザッカーバーグCEOは「国家による武力の行使」に関するポリシーについて、「議論は許可される」と言及。国家による武力行使の正当性や警察機構による措置などに関する議論がFacebook上で認められることを確認しました。

この議論の中でザッカーバーグCEOが重要視したのが、「ポリシーに関する社内での意思決定」について。ザッカーバーグCEOは、意思決定に関する手順は基本的に透明であると主張し、黒人暴動とトランプ大統領の発言に関する今回の意思決定は、マイク・シュロープファーCTO、シェリル・サンドバーグCOO、マキシーン・ウィリアムスCDO、ジェニファー・ニューステッド法務顧問、モニカ・ビッカートグローバル管理担当副社長などのFacebookの重役と協議して決定したと回答しました。

これに対し、従業員側は意思決定に参加した重役のうち、黒人がマキシーン・ウィリアムスCDOただ1人に限られることを指摘。有権者の抑圧や社会的暴力などの問題に取り組む「Integrity Teams」から代表者を協議に参加させるか、有権者の抑圧や社会的暴力に関する団体が決定に直接的に関与できるような措置を求めました。


また、従業員側は「国家による武力の行使」に関するFacebookのポリシーについて、ホロコーストなどの例を挙げて「今後も同じポリシーを保ち続けるのか」と質問しました。この質問に対して、ザッカーバーグCEOは、暴動や紛争で状況が異なりうる点や、文化的・歴史的背景に応じて状況が異なる点を指摘した上で、「ポリシーを厳密かつ継続的に更新するべき」と回答。ただし、黒人暴動に関する現状については、「(ポリシーを更新するほど)新しい状況ではないと考えています」と述べました。

最後に、従業員側の「プラットフォーム上の人々の見解が2つに割れて、政治的に二極化している点についてはどうお考えでしょうか?」という質問に対し、ザッカーバーグCEOは「個人に対してコミュニティを構築するための力を与えて、世界を1つに構築することがFacebookの使命の1つです。『世界を近づける』ということは『対立を減らす』ということですが、『対立を減らす』というのは、『お互いを否定し合う』という概念の一種の反対だと思います。Facebookが二極化を促進しているという指摘が存在しますが、人気の根強い二極化を促進するようなニュースや陰謀論に関する投稿を減らすという取り組みを行っています。スタンフォード大学の(PDFファイル)研究は、分極化の状況が国によって非常に異なるという結果を示しており、多様な国にまたがるソーシャルメディアとインターネットが二極化の原因である可能性が非常に低いことを示唆しています」と答えました。

・つづき
SNSの検閲問題を巡ったFacebookのマーク・ザッカーバーグCEOと従業員の対話で着目するべき「9個のポイント」とは? - GIGAZINE

by JD Lasica

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in ネットサービス, Posted by darkhorse_log

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