サイエンス

地球の磁場が弱まってきていると判明

by Windell Oskay

欧州宇宙機関(ESA)が、「南半球のアフリカから南アメリカまでの地域において地磁気が弱まってきている」と報告しました。

ESA - Swarm probes weakening of Earth’s magnetic field
https://www.esa.int/Applications/Observing_the_Earth/Swarm/Swarm_probes_weakening_of_Earth_s_magnetic_field

地磁気は、地球の大気や水の宇宙空間への拡散を防ぎ、太陽から降り注ぐ宇宙線紫外線を減らす効果があるため、地上に住む生物にとっては不可欠な存在です。「地磁気がどのように生成されているのか」については諸説ありますが、ESAは「地下3000kmの外核を構成する液体の鉄の対流によって生み出される」という説を支持しています。

しかし、そんな地磁気が弱まったり、形状が変化したりしていることが明らかになっています。ESAによると、過去200年間で地球全体の地磁気は平均して9%弱まっているとのこと。中でもアフリカから南アフリカにかけて存在する地磁気が特に弱い地域である「南大西洋異常帯」では、地磁気の低下が著しいそうです。

ESAは地磁気の変化を分かりやすく示したムービーも公開しています。以下のムービーでは、地磁気の強さを「色」で表しており、赤色が地磁気が強く、青色が地磁気が弱いことを意味しています。南アメリカのパラグアイを中心とした青色が濃く著しく地磁気が弱い地域が南大西洋異常帯です。

South Atlantic Anomaly impact radiation - YouTube


マップ上の白い点は、人工衛星「Swarm」が地磁気を観測した場所です。ムービーの開始時である2014年4月1日の地磁気の様子はこんな感じ。


5年後の2019年8月13日の地磁気の様子が以下。南大西洋異常帯における青色箇所が広く濃くなっており、地磁気が弱まっていることが視覚的に示されています。


ESAによると、1970年から2020年にかけて南大西洋異常帯の地磁気は約2万4000ナノテスラから約2万2000ナノテスラまで低下し、南大西洋異常帯自体が年間約20kmのペースで西に移動しているとのこと。さらに、円形だった南大西洋異常帯に「第2の中心」といえる箇所が発生しており、「2つに分裂する」という兆候が現れています。

地球の歴史の中で、「地磁気が動く」という現象は実はよくあること。約25万年ごとの周期で北極と南極が入れ替わる「地磁気逆転」という現象が発生すると考えられているため、今回の南大西洋異常帯については「常識の範囲内」だとESAは記しています。

ESAはSwarmを飛ばして、地磁気の変化に関する研究を一貫して続けています。ドイツ地球科学センターのユルゲン・マツカ氏は「南大西洋異常帯の第2の中心は約10年前に発生し、近年活発に発展しています。この現象の進展を調べるため、軌道上にあるSwarmの存在は本当に心強いものです。我々が今取り組んでいるのは、地磁気の変化を生み出している内核におけるプロセスの研究です」とコメントしました。

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in サイエンス,   動画, Posted by log1k_iy

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