ハードウェア

Armが5G対応の次世代スマホ向けCPU「Cortex-A78」やGPU「Mali-G78」などを発表


イギリスの半導体企業・Armが、2020年に本格的な普及が始まる5Gに対応した次世代モバイルデバイス向けのCPU「Cortex-A78」「Cortex-X1」とGPU「Mali-G78」、ニューラルプロセッシングユニット(NPU)「Ethos-N78」を発表しました。

New Arm IP delivers true digital immersion for the 5G era – Arm
https://www.arm.com/company/news/2020/05/new-arm-ip-delivers-true-digital-immersion-for-the-5g-era

Sustained performance through Arm Cortex-A78 CPU - Processors blog
- Processors - Arm Community

target="_blank">https://community.arm.com/developer/ip-products/processors/b/processors-ip-blog/posts/arm-cortex-a78-cpu

Arm、5G時代のデジタルイマージョンを実現する、次世代モバイルデバイス向けプロセッサIPスイートを発表|アーム株式会社のプレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000101.000022759.html


◆Cortex-A78
Cortex-A78は、前世代CPUであるCortex-A77と同じアーキテクチャが採用されているとのこと。ただし、マイクロアーキテクチャを最適化することで、パフォーマンスの向上だけでなく、消費電力とエリアサイズ両方の効率化を目指しているとArmは述べています。


1W出力でCortec-A78のシングルコアパフォーマンスがCortex-A77よりも20%向上しており、なおかつ電力消費が50%抑えられ、エネルギー効率も大幅に向上しているとのこと。また、4基のCortex-A78と4基のCortex-A55を組み合わせた「DynamIQクラスター」は、4基のCortex-A77と4基のCortex-A55のクラスターよりもパフォーマンスが20%向上するそうです。


さらに、Cortex-A78は、L1-IキャッシュやL1-Dキャッシュを削減することで、ミリワット当たりの効率が非常に優れており、折りたたみ型スマートフォンのように小型化が求められるモバイルデバイスでも高い演算能力を発揮可能。2020年中に普及が始まる5Gへの対応をサポートできるとArmは主張しています。

◆Cortex-X1
Cortex-X1は、Armが発表した「Cortex-Xカスタムプログラム」の一環で発表されたもので、Cortex-A77に比べてピークパフォーマンスは30%向上。、1基のCortex-X1と3基のCortex-A78と4基のCortex-A55を組み合わせると、DynamIQクラスターよりもさらにピークパフォーマンスが向上しており、ハイエンドのスマートフォンや大画面デバイスも想定しているとArmは述べています。


また、Cortex-X1のシングルスレッドでの整数演算パフォーマンスは22%向上。また、Cortex-A77にくらべて機械学習パフォーマンスが2倍に向上しています。


◆Mali-G78
前世代のMali-G77と同じValhallアーキテクチャであるMali-G78は最大24コアをサポートし、パフォーマンスが25%改善されました。Armは「高品質のモバイルゲーム体験、没入型のエンターテインメント体験を可能にし、モバイルデバイスでより複雑なゲームや映像、カメラ、セキュリティ機能を実現できます」と述べています。


また、Mali-G78は前世代と比較して、煙や木など複雑なCGをレンダリングが求められる3Dゲームでは描画性能が最大17%、GPUを用いた機械学習に関する演算性能がおよそ15%向上しています。なお、最大6コアとなるミドルレンジ向けの廉価版GPU「Mali-G68」も発表されました。


◆Ethos-N78
スマートフォンアプリでは画像処理や、拡張現実(AR)など、さまざまな分野で機械学習が使われるようになりました。機械学習のワークロード自体はCPUでも実行可能ですが、Ethos-N78はCPUとは別に機械学習に特化したNPUです。Ethos-N78は前世代のEthos-N77から最大30%高い面積効率を提供し、ピークパフォーマンスが2倍に、パフォーマンス効率が25%向上、DRAM帯域幅効率が40%向上しています。これにより、バッテリーをより長持ちさせつつ、ソフトウェアアプリケーションで機械学習関連の演算をより効率よく行えるようになるとArmは述べています。


サムスン電子のSoC設計部門ヴァイス・プレジデントのキム・ジュンソク氏は「SamsungとArmは、テクノロジー面での強力なパートナーシップを有しています。Cortex-X CustomプログラムによりArmは新たな方向性を示しており、Androidエコシステムにおける次世代のユーザー体験に向けたイノベーションの実現に大きな期待を寄せています」とコメント。

また、Unityの研究開発部門ヴァイス・プレジデントのラルフ・ハウバート氏は「Armの新たなプレミアムソリューションは、パフォーマンスと電力効率に優れたプラットフォームであり、Unityの多数のクリエイターは今後、あらゆる人々の日々の暮らしを形作る、没入感あふれる次世代のネットワーク体験をシームレスに提供できるようになります」と語りました。

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in モバイル,   ハードウェア, Posted by log1i_yk

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