生き物

第二次世界大戦の戦禍を生き延びたワニが84歳で大往生、その波乱万丈な一生とは?

by Московский Зоопарк

モスクワ動物園で飼育されていた84歳のミシシッピワニであるサターンが2020年5月22日に死亡していたことが分かりました。サターンは、かつてアドルフ・ヒトラーのペットだったという都市伝説で知られているほか、第二次世界大戦の空爆を生き抜いたワニとしても有名なモスクワ動物園の名物ワニでした。

‘Hitler’s favourite alligator’ dies at Moscow Zoo aged 84 | Post of Asia
https://postofasia.com/hitlers-favourite-alligator-dies-at-moscow-zoo-aged-84/

Berlin WW2 bombing survivor Saturn the alligator dies in Moscow Zoo - BBC News
https://www.bbc.com/news/world-europe-52784240

モスクワ動物園は5月23日に、「昨日の朝、ワニのサターンが老衰で亡くなりました。84歳という立派な年齢でした」とツイートしました。野生のミシシッピワニの寿命は30~50年ほどだといわれていることを踏まえると、84歳で死んだサターンはまさに大往生だったといえます。


84年間の生涯の大部分をモスクワ動物園で過ごしたサターンですが、生まれてからの10年間は波乱万丈でした。記録によると、サターンは1936年にアメリカで卵からかえりました。その年の内に捕獲されたサターンは、ドイツのベルリン動物園に収容されました。


一部の歴史家は、ベルリン動物園にはヒトラーのために用意された個人的な展示場があり、サターンはそこにいたと主張しています。しかし、サターンがいたのは一般公開された区画だったという見方が大勢を占めているとのこと。そのため、ベルリン動物園を視察したヒトラーがサターンを目にした可能性はあるものの、特にサターンだけがヒトラーにかわいがられたわけではないとされています。

モスクワ動物園はサターンとヒトラーを結び付ける都市伝説について「動物は政治とは無関係なので、彼らに人間の罪を着せるのはばかげています」と述べて否定しています。

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第二次世界大戦におけるドイツの敗色が濃厚になりはじめた1943年には、ドイツの首都ベルリンは空襲を受けて多くの犠牲者を出しました。また、爆弾の1つはベルリン動物園の一角にあった水族館を破壊し、20頭以上いたワニのほとんどが死にました。しかし、ごく一部は生き残ったとされており、動物園を脱走したワニがエサを求めて路上をさまよい歩いているという報道資料も残っています。サターンも、この時生き残ったワニの中の1頭だと考えられています。

その後3年間サターンがどうやって生きていたかは資料が残っておらず不明ですが、1946年にイギリス軍がベルリンを占領した際に、サターンをソ連に引き渡したと記録されています。サターンがモスクワ動物園に到着した当時、園内にはワニが2頭しかいなかったため、サターンはたちまち人気者になりました。しばらくはドイツから来たという理由で「アドルフ・ヒトラー」と呼ばれていたサターンですが、その後改めて現在の「サターン」という名前が与えられました。

サターンは食事の好みがうるさく、また体をブラッシングされるのが大好きだったとのこと。また、サターンは温厚な性格だったので、子どもがサターンの檻の中にほうきの柄を入れることを飼育員が許可したこともあるそうです。なお、サターンがモスクワ動物園で過ごした74年間で人間に危害を加えようとしたのは、1970年に発生した、手づかみで直接エサをやろうとした若い警備員の手にかみつきかけた1件のみでした。

by Московский Зоопарк

モスクワ動物園は「私たちにとって彼は、誇張抜きで1つの時代の象徴でした。モスクワ動物園は、彼を74年間お世話するという栄誉に浴し、彼は私たちを子どものように見守っていました。我々は、彼の期待を裏切らなかったことを願っています」と述べて、サターンの死を悼みました。

サターンの亡きがらは、モスクワのダーウィン博物館にある動物標本製作所に送られて、剥製として特別展示される予定だとのことです。

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in 生き物, Posted by log1l_ks

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