サイエンス

夏になると新型コロナウイルスの流行は収まるのか?最新の専門家の見解はこんな感じ


季節性インフルエンザは春になって気温が上昇する頃に終息するという傾向があるため、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)も「気温が高まる夏が近づけば流行が収まっていくのでは」という見解が報じられてきました。しかし、カナダ・トロント大学の研究チームは「COVID-19の流行と緯度・気温の間に関連性は存在しない」という研究結果を報告しました。

Impact of climate and public health interventions on the COVID-19 pandemic: A prospective cohort study | CMAJ
https://www.cmaj.ca/content/early/2020/05/08/cmaj.200920


Canadian study finds temperature, latitude not associated with COVID-19 spread | EurekAlert! Science News
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-05/cmaj-csf050720.php

New Study Indicates if Summer Weather Could Affect The Spread of COVID-19
https://www.sciencealert.com/study-says-summer-won-t-be-the-coronavirus-saviour-we-hoped-for

新たに発表された研究は、「COVID-19の流行と関連性のある要素」に関する総合的な調査です。研究チームは計144の国や地域から合計37万5600万件を超えるCOVID-19の症例データを収集し、2020年3月20日の症例数と2020年3月27日の症例数を比較。これによって、流行に影響を与える要素を特定しようと試みました。なお、中国・イタリア・イラン・韓国はCOVID-19の流行がピークを越えたと見なされたため、データ収集の対象にはなりませんでした。


調査の結果、緯度および温度はCOVID-19の流行とほとんど関係がないか全く関係がなく、相対湿度および絶対湿度は弱い負の関連が存在したとのこと。一方、大規模集会の禁止や学校の閉鎖、社会的距離の制限などの公衆衛生に関する施策はCOVID-19の流行の減少と強い関連性を示しました。なお、本調査において、「国ごとの検査方法の差異やCOVID-19の実際の罹患率、社会的距離の順守度合いなどのデータの正確性には限界がある」と研究チームは付記しています。

研究チームのディオンヌ・ヘーシング氏は「夏になってもCOVID-19の流行には影響はないと人々が知ることが重要です」「公衆衛生に関する施策が多ければ多いほどCOVID-19の流行は鈍化させる影響が大きくなります。こういった施策はCOVID-19の流行を妨げる唯一のもので、非常に重要です」とコメントしています。


一方で、季節がCOVID-19の流行に間接的な影響を与えるという主張も存在します。アメリカ合衆国疾病対策センターのロバート・レッドフィールド所長は「季節性インフルエンザの流行シーズンとCOVID-19の流行が組み合わさった場合、医療システムに対する負担がさらに増加する」という見解を示しており、季節性インフルエンザが流行する冬季には状況がより悪化する可能性があると述べています。

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in サイエンス, Posted by log1k_iy

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