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「悲観主義者」であることが成功や自信につながる場合があるのはなぜか?


物事の悲観的な面に着目する悲観主義はよくないものだと考えられがちであり、世の中には「楽観的に生きる方法」などを教えるセミナーや書籍も存在するほか、楽観主義者は寿命が平均して11~15%長いといった研究結果も発表されています。ところが、シェフィールド大学の心理学者であるFuschia Sirois氏は、「特定のタイプの悲観主義者にはさまざまなメリットがある」と主張しています。

The surprising benefits of being a pessimist
https://theconversation.com/the-surprising-benefits-of-being-a-pessimist-91851

Sirois氏によると、悲観主義者は単にネガティブな考え方をするだけでなく、特定のイベントについて楽観主義者が「望ましい結果になる可能性が高い」と考えるのに対し、悲観主義者は「望ましくない結果になる可能性が高い」と考えるそうです。悲観主義が人生にいい影響をもたらす場合は多くありませんが、「防衛的悲観主義者」と呼ばれる一部の人々は、イベントの結果について悲観的に考えることで、多くのメリットを享受しているとのこと。


防衛的悲観主義者とは、未来の出来事について、最悪のシナリオまでも含めた悪い結果を予想する人のことを指します。たとえば「就職面接に失敗するかもしれない」といった悲観的な見方をすれば、「面接の受け答えに失敗する」「面接の時間に遅れる」といった、就職面接で失敗する原因になり得る要素についても詳細に考えるそうです。

防衛的悲観主義者が通常の悲観主義者と異なる点は、防衛的悲観主義者は悪い結果を予想し、その原因となる要素を減らすために行動する点です。たとえば就職面接に失敗するシナリオを考えた場合、「面接で失敗しないように事前に練習する」「面接に遅刻しないように早めに現地に到着する」など、想定した最悪の事態が起きないように策を講じます。これにより、防衛的悲観主義者は他の人々よりも結果的に物事を上手く運ぶ場合があるとSirois氏は述べています。


また、2008年の研究では、防衛的悲観主義者の人々にパズルを解いてもらい、「ポジティブな気分になるように促された場合」と「ネガティブな気分になるように促された場合」で、パフォーマンスがどのように変化するのか調査されました。その結果、防衛的悲観主義者の人はネガティブな気分になるように促された場合、パフォーマンスが大幅に向上したとのこと。

ネガティブな気分になった場合に防衛的悲観主義者のパフォーマンスが向上したのは、ネガティブな気分になってパズルが上手く解けないシナリオをたくさん想定し、パズルを解く際により慎重な戦略を採用したからです。この結果は、防衛的悲観主義者が「ネガティブな気分」を利用して、自らのパフォーマンスを向上させるように動機付けていることを示唆しています。

悲観主義者は自分に自信がないと考えられがちですが、奇妙なことに、防衛的悲観主義者は自尊心が高いこともわかっています。大学生を4年間にわたって追跡調査した2007年の研究では、防衛的悲観主義者の自尊心が他の悲観主義者よりも著しく高く、楽観主義者と同程度に高かったことが示されています。この理由についてSirois氏は、「防衛的悲観主義者は悪い結果を予想し、それを上手く回避することで自信を深めていったのかもしれません」と述べました。


否定的な結果を防ぐためにさまざまな対策を行う防衛的悲観主義者は、健康上のメリットを享受できる可能性もあります。たとえば感染症が流行している状況において、楽観主義者は「自分は感染しないだろう」と考えてしまうかもしれませんが、防衛的悲観主義者は「自分も感染してしまう可能性が高い」と考えがちです。その結果、防衛的悲観主義者は頻繁に手を洗うなどの防衛策を講じ、不審な症状が出たら早めに医師の診察を受ける傾向があるとのこと。

また、Sirois氏は2015年の研究で、炎症性腸疾患や関節炎といった慢性疾患を持つ人を対象に、自分の病気が将来的にどうなるのかを予想してもらいました。これらの慢性疾患は長期的に悪化する可能性が高いものですが、楽観主義者の患者は「自分の症状は将来的に改善する」と考えた一方、悲観主義者は「自分の症状は将来的に悪化する」と考えていました。この結果から、悲観主義者の方が医師のアドバイスを聞き入れやすく、痛みを軽減するなどの対処に積極的になる可能性が示唆されています。

多くの悲観主義者は不安に対処する方法として、嫌なことを考えることを避ける「回避」を使用しがちですが、防衛的悲観主義者は不安に対処するためにあえて嫌なことを考えます。この点が、防衛的悲観主義者が高いパフォーマンスを発揮する秘訣であり、必ずしも全ての悲観主義が悪いわけではないとSirois氏は主張しました。

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in メモ, Posted by log1h_ik

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