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新型コロナウイルスによる封鎖措置の中で幸福感を得るには「ゲームをプレイすること」がオススメだと心理学者が主張


新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大を抑えるため、人々の外出を制限する封鎖措置を実施する国が増えています。そんな中、オーストラリアのスウィンバーン工科大学で心理学講師を務めるブラッド・エルフィンストーン氏と、ゲームと相互作用に関する講師を務めるスティーブン・コンウェイ氏が、「都市封鎖の状況下ではゲームをプレイすることが幸福につながる」と主張しています。

Time well spent, not wasted: video games are boosting well-being during the coronavirus lockdown
https://theconversation.com/time-well-spent-not-wasted-video-games-are-boosting-well-being-during-the-coronavirus-lockdown-135642

オーストラリアではCOVID-19に対応して段階的な封鎖措置が執られており、2020年3月20日から海外からの入国を原則として禁止し、3月22日には不要不急の国内旅行をしないように呼びかけました。その後も3月23日からパブやクラブ、体育館、映画館、礼拝所が閉鎖され、3月30日からは「公共の場で集まることができる人数は2人まで」という制限も設けられるなど、じわじわと封鎖が強まっています。

エルフィンストーン氏らによると、初めて封鎖措置が発表された3月16日~22日の週にはゲーム機本体の売上高が285.6%も急上昇し、「DOOM Eternal」や「あつまれ どうぶつの森」をはじめとするゲームの売上高も278.5%上昇したとのこと。同様の傾向は3月23日から3週間のロックダウンが実施されているイギリスでも見られるそうで、「COVID-19の流行はトイレットペーパーを超えて、明らかに私たちの買い物習慣に影響を与えています」と、エルフィンストーン氏らは指摘。

近年では成人の間でもゲームの人気が高まっているとはいえ、熱心なプレイヤー以外からは、ゲームは子どもがするものだと見なされがちです。また、テクノロジーを利用して自分の行動を追跡して「最適化」することが求められる時代では、「ゲームを楽しんでいる人でも『生産的』でないことに罪悪感を覚えるかもしれません」とエルフィンストーン氏らは述べています。


しかし、エルフィンストーン氏らは、「ビデオゲームが基本的な心理的ニーズを満たすのを助け、全ての年齢層に対して大きな価値を持つことがわかっています」とコメント。ゲームをプレイすることが、「自己決定理論」における3つの基本的欲求を適切に満たしてくれるとのこと。自己決定理論における3つの基本的欲求は以下の通り。

◆自律性:自分が選択肢を持っていることを感じ、自分の価値観に従って行動し、有意義な目標を追求する。
◆有能性:問題を克服する能力を持っていることを感じる。
◆関係性:他者とつながっているという実感を持つ。

以上の基本的な心理的ニーズが満たされると人は幸福を感じたりモチベーションが高まったりしますが、封鎖措置により自宅で待機する時間が長くなると、心理的ニーズが満たされにくくなります。たとえば不要不急の外出を制限されることで選択肢の幅が狭まり、「自律性」の感覚が損なわれます。また、趣味や仕事を通じて「有能性」を実感することも難しくなり、同僚や友人、家族と会えないことで「関係性」も失われてしまう可能性があるとのこと。


エルフィンストーン氏らは、「ビデオゲームがこれらのニーズを満たすことができ、今回の危機の中で時間を過ごす最適な方法かもしれません」と指摘。過去の研究でも、ゲームはプレイヤーに選択肢を与えて意味のあるゴールを設定し、プレイヤーの「自律性」を促進することが示されています。また、上手くバランスが調整されたゲームは適度な難易度によってチャレンジにやりがいを感じさせ、「有能性」を感じさせることもできるそうです。

さらに、ゲームは友人とオンラインで遊んだり、見知らぬプレイヤーと協力プレイをしたり、チャットでコミュニケーションを取ったりすることで、「関係性」を維持する上でも役立ちます。プレイヤーはゲーム内のキャラクターやゲームの世界ともつながりを感じられることもわかっており、ゲーム内のキャラクターを気遣って「関係性」を築き、キャラクターを助けようというモチベーションからプレイに「自律性」が生まれ、目標を達成することで「有能性」を感じることができるとエルフィンストーン氏らは考えています。

ゲームをやりすぎると中毒になるといった意見もあり、世界保健機関(WHO)が「ゲーム依存症」を病気に分類したことも話題となりましたが、ゲーム中毒になるリスクを持つのはゲーマー全体の1~3%に過ぎないとの調査結果もあります。エルフィンストーン氏らは、「封鎖状態での生活があなたを退屈させている場合は、基本的な心理的ニーズを満たすためにゲームをプレイすることを検討してください」と述べ、元々ゲーマーではない人にもゲームはおすすめだと主張しました。

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in ゲーム, Posted by log1h_ik

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