ネットサービス

新型コロナウイルスの治療法開発を自分のPCで手助けできる「[email protected]」が新たに低分子スクリーニングプロジェクトを開始


分散コンピューティングによってタンパク質の分子動力学シミュレーションを実行する「[email protected]」は、世界中で猛威を振るう新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のタンパク質構造を解析し、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療法開発を推進するプロジェクトに取り組んでいます。そんな[email protected]の解析プロジェクトに、新しく低分子スクリーニングシミュレーションが追加されたことが発表されました。

New COVID-19 small molecule screening simulations are running on full [email protected]! – Foldi[email protected]
https://foldingathome.org/2020/03/30/covid-19-free-energy-calculations/


Folding@homeが行うプロジェクトは、新型コロナウイルス感染症の治療法を迅速に開発するため、世界中にあるPCのCPU・GPUが持つ未使用の計算リソースを募って分散コンピューティングを運用し、新型コロナウイルスが持つたんぱく質の構造を解析するというもの。世界中の人々が自身の持つ計算リソースを提供した結果、既にFolding@homeの処理速度は世界最速のスーパーコンピューターであるSummitを上回っていることも報じられています。

新型コロナウイルスの解析システムがスーパーコンピューターを超える処理速度に達したとの報告 - GIGAZINE


そして2020年3月30日、Folding@homeは低分子スクリーニングを実行する新たなバッチを稼働させたことを報告しました。新たにスタートした低分子スクリーニングシミュレーションは、新型コロナウイルスの持つ「プロテアーゼ」と呼ばれる酵素を阻害する分子の優先順位付けに役立てられるとのこと。

新型コロナウイルスの主要なプロテアーゼは、細胞に侵入したウイルスが複製する上で重要な役割を果たしているため、主要なプロテアーゼを阻害することでウイルスの増殖を抑えられる可能性があります。学会と産業界の科学者によって作られた国際的な研究グループである「COVID Moonshot」は、主要なプロテアーゼを阻害する数万もの有望な化合物の候補を見つけ出しているとのことで、低分子スクリーニングによってこれらの分子を評価しようとしています。

今回スタートした低分子スクリーニングプロジェクトでは、自由エネルギー摂動法(FEP法)と呼ばれる手法で、潜在的な薬物分子とウイルスの受容体における親和性を計算しているとのこと。この手法は他の手法よりもコストがかかるという問題はあるものの、高い精度と物理的洞察を誇るという利点があるそうです。

以下の記事で、実際に[email protected]に参加して新型コロナウイルスの解析に協力する方法を解説しています。

新型コロナウイルスの解析を自分のPCの計算リソースを使って手助けできる「[email protected]」「BOINC」レビュー - GIGAZINE

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
エイプリルフールに便乗しているサイトまとめ2020年版 - GIGAZINE

新型コロナウイルスの解析システムがスーパーコンピューターを超える処理速度に達したとの報告 - GIGAZINE

新型コロナウイルスの解析を自分のPCの計算リソースを使って手助けできる「[email protected]」「BOINC」レビュー - GIGAZINE

新型コロナウイルスの研究にPCの余ったコンピューティングパワーを使う取り組み - GIGAZINE

新型コロナウイルスの感染は拡大しているのか、それとも収束しているのかが理解できるムービー - GIGAZINE

「新型コロナウイルスのイメージ画像に使われる色」はバラバラ、ウイルスの画像にあえて色を着けることの意味とは? - GIGAZINE

新型コロナウイルスの流行状況を遺伝子配列データをもとに分析したNextstrainのレポートの日本語版が登場 - GIGAZINE

「新型コロナウイルスは空気中で最大3時間生存、徹底的な手洗いと消毒が重要」と専門家 - GIGAZINE

in ネットサービス,   サイエンス, Posted by log1h_ik

You can read the machine translated English article here.