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PlayStation 5のスペック情報公開で可変周波数CPU&GPU搭載やNVMe SSDを後付け可能であることが判明


2020年3月19日、ソニーが次世代機「PlayStation 5(PS5)」の詳細なスペック情報を公開しました。

PlayStation®5:ハードウェア技術仕様の追加情報を公開(更新) | PlayStation.Blog
https://www.jp.playstation.com/blog/detail/9451/20200319-ps5.html

Inside PlayStation 5: the specs and the tech that deliver Sony's next-gen vision • Eurogamer.net
https://www.eurogamer.net/articles/digitalfoundry-2020-playstation-5-specs-and-tech-that-deliver-sonys-next-gen-vision

ソニーが公開した具体的なスペックが以下。CPUはAMDの高性能x86コア「Zen 2」アーキテクチャーを使用した最大3.5GHzを出力可能なRyzen、GPUもAMDの次世代GPUアーキテクチャ「RDNA 2」を使用しレイトレーシングに対応した最大2.23GHzのRadeon。メモリは16GB、SSDは825GBとなっています。


発表に際して、ソニーはPS5のスペックについてプレゼンテーションも実施。PS5のリードアーキテクトであるマーク・サーニー氏がシステム構想やデザインの理由に関して詳細を説明しました。

The Road to PS5 - YouTube


「超高速」SSDを搭載することにより、PS5は旧型機であるPlayStation 4(PS4)と比べてケタ違いのデータ転送速度を実現しています。PS4の転送速度の実測値がおよそ50~100MB/sだったのに対して、PS5は最低でも5GB/sの転送速度を達成する見込み。また、データの読み書き開始までにかかる時間であるシークタイムはPS4は2~50ミリ秒必要でしたが、PS5では一切不要。結果として、PS4は1GBの読み込みに20秒かかっていましたが、PS5は2GBの読み込みにわずか0.27秒しかかからないとのこと。100倍以上の読み込み速度になっている計算です。


そして、このSSDと統合されたカスタムI/Oなどによって、ゲームのロード時間や配信などに必要な演算処理が100倍高速化されるとサーニー氏は解説。広大なゲームの世界でも瞬時に移動することができるようになり、ゲーム体験がシームレスかつダイナミックになるそうです。


SSDの容量は825GBですが、PS5はNVMe SSDスロットが搭載されているため、M.2 SSDを自分で取り付けて拡張が可能。ただし、物理的なサイズや帯域幅などの制約から、現行販売されているM.2 SSDはPS5に対応していない可能性があるとのこと。「ソニーの認証のないNVMe SSDを購入しないでください」とコメントしています。


次にサーニー氏は、AMDと協力して開発したCPUとGPUの「可変周波数」について言及。電子機器の演算処理の中核を成すCPUやGPUは、通常ならば高温下では処理速度が低下します。しかし、PS5では「周波数を一定に保つように電力を変化させる」のではなく、「一定の電力を保つように周波数を変化させる」という仕様によって、温度問題を解決したとのこと。CPUとGPUの仕事量を分析し、それぞれの周波数が一致するようにモニタリングすることによって、可変周波数を最適化しているそうです。


それゆえ、CPUの周波数は「最大3.5GHzまで可変」、GPUは「最大2.23GHzまで可変(10.3 TFLOPS)」と表記されていますが、常にこの最大値で処理が行われているわけではありません。ただし、電力を10%削減する場合でも周波数の低下は数%程度なため、周波数を可変させたほうが利益が大きいとして今回のような仕様に踏み切ったとのこと。サーニー氏は「可変周波数によって、PlayStationゲーマーは大きな恩恵を得られるでしょう」と述べています。

また、PS5では「Tempest Engine」という新たに開発された3Dオーディオシステムを搭載しています。従来のゲームでは、「雨の音」といっても、単一な音が出力されていました。しかし、Tempest Engineは個々の雨滴が周囲の地面に当たる音をシミュレートして、「それぞれの雨滴の音」を生成することが可能。さらに、この音がプレイヤーの耳に届くまでに変化することを考慮に入れて、その周波数の変化を頭部伝達関数(HRTF)で処理することで、最適な音を出力しているとのこと。


この最適化には当然ながら「頭の大きさ」や「耳の形状」によって誤差が生じてしまいます。この誤差について、ケーニー氏は「頭部や耳の形状から最適なHRTFを選出するニューラルネットワークのようなシステムを作る」という構想が存在することを明かしました。


Tempest Engineはサラウンドスピーカーだけでなく、一般的なヘッドホンや2チャンネルスピーカーにも対応しているとのこと。ゲーム系ニュースサイトのEUROGAMERはTempest Engineについて「革命的」と賛辞を送っています。

また、後方互換性について、PS4で発売されたゲームの中でも最もプレイ時間の長い上位100タイトルを調査したところ、ほぼ全てのタイトルがPS5でスムーズに動作することを確認したとのこと。ソニーは今後も検証を継続し、互換性の対応を進めると述べています。

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in ハードウェア,   動画,   ゲーム, Posted by darkhorse_log

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