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ウェブの父ティム・バーナーズ=リーが「ウェブは女性にとってうまく機能していない」と苦言

by Southbank Centre

「ワールド・ワイド・ウェブ(World Wide Web)」の父であるティム・バーナーズ=リー氏は、「ウェブはすべての人が利用できるもの」という理想を掲げています。しかし、実際にはウェブは「女性や少女にとって、うまく機能している状況にない」ということで、苦言を呈しています。

Why the web needs to work for women and girls – World Wide Web Foundation
https://webfoundation.org/2020/03/web-birthday-31/


Internet inventor warns web 'not working for women' - France 24
https://www.france24.com/en/20200312-internet-inventor-warns-web-not-working-for-women

ティム・バーナーズ=リー氏は2019年3月12日、ウェブ誕生30周年に際して、「自由で開かれたウェブ」のために人々が考えるべきことを指摘し、インターネットが「デジタル・ディストピア」にならないために「ウェブのための契約」を提言しました。

ウェブの父ティム・バーナーズ=リーが「今こそ我々全員がウェブのために立ち上がる時だ」と語る - GIGAZINE


それから1年。ティム・バーナーズ=リー氏は改めて「いまのウェブは、女性や少女に対して機能していない」と苦言を呈しました。

ティム・バーナーズ=リー氏は、世界が「男女平等」について重要な進展を遂げたことを認める一方で、LGBTQ+コミュニティや、社会的に疎外された女性たち、特に有色人種の女性・少女がオンラインで被害にあっていることを危惧。改めて、CEOのような立場の人物からエンジニア、学者、公務員まで、テクノロジーに携わる人々が注意を払う必要があると述べました。


挙げられた問題点は、以下の3つ。

◆1:
まずは、世界の女性の多くはまだネットに接続する環境にない、という点です。主な理由は経済的な事情や、必要なテクノロジーの不足、利用スキルの不足です。インターネットに接続している人口は、男性の方が女性より21%多く、開発途上国だとこの差は52%に広がり、不平等を拡大しているとのこと。


◆2:
第二に、多くのユーザーにとってウェブが十分に安全な場所ではない、という点です。調査機関によると、調査対象となった若い女性の半数以上が、セクハラや脅迫的なメッセージの受信、同意ない画像の共有などの「オンライン暴力」を受けた経験がありました。そのうち84%は、問題はどんどん悪化していると考えています。

◆3:
第三に、女性に対するオンライン差別が潜在的に存在し続けている点です。人工知能が人間の言葉から女性差別や人種差別を学び取ることはすでに指摘されていますが、これにより、既存の不平等がさらに深まることになります。多くの企業はこの問題の解消に取り組んでいますが、対応が間に合わなければ、差別はかつてない速度と規模で拡大します。

2020年3月に、世界保健機構(WHO)が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を「パンデミック」であると認定しました。会社ではリモートワークが推奨されていますが、その実現にはウェブは不可欠な存在であり、女性や少女が「ウェブの基本」を奪われている状態はとても受け入れられるものではない、とティム・バーナーズ=リー氏は主張しています。

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in メモ, Posted by logc_nt

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