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Facebookの広告ライブラリには「誰が政治広告を出しているのかわからなくなる」欠点があると判明


Facebookは、FacebookやInstagramに掲載されたすべての広告を掲載する「Facebook広告ライブラリ」を、2018年7月に公開しました。ニューヨーク大学タンドン・スクール・オブ・エンジニアリングの研究チームがFacebook広告ライブラリの調査を行い「悪意のある広告主が身元の情報を正確に開示しないようにできてしまう可能性があり、広告の透明性が十分保障されていない」と報告しました。

A Security Analysis of the Facebook Ad Library
(PDFファイル)http://damonmccoy.com/papers/ad_library2020sp.pdf


Tens of thousands of political ads on Facebook lacked key details about who paid for them, new report finds - The Washington Post
https://www.washingtonpost.com/technology/2020/03/06/tens-thousands-political-ads-facebook-lacked-key-details-about-who-paid-them-new-report-finds/


Facebook's transparency efforts around political ads fall short, study finds - CNET
https://www.cnet.com/news/facebooks-transparency-efforts-around-political-ads-fall-short-study-finds/


Facebook広告ライブラリには、社会問題、選挙または政治に関連するすべての広告に関するデータが収められており、「どういった形で広告が出されていたか」「誰が広告を出したのか」を調べることが可能です。ニューヨーク大学タンドン・スクール・オブ・エンジニアリングのローラ・エーデルソン氏らの研究チームはFacebook広告ライブラリのうち、2018年5月から2019年6月までに掲載された広告のデータを対象に調査を行いました。


調査の結果、8万6000件以上ものFacebookページ上で、政治広告が「有権者の誤解を招くやり方」で掲載されていたことが判明。また、1万9000件以上の広告が「信頼性に欠けるコミュニティ」が広告主となっていたこともわかりました。

以下の画像は異なる3つのFacebookページで、同一の記事から同一の画像とテキストが引用され、民主党と共和党の支持率が拮抗するスイング・ステートの有権者を対象とするターゲティング広告として投稿されていた様子。このような政治広告の多くは、Facebook広告ライブラリでは広告主は自分の身元を開示する決まりとなっているにもかかわらず、Facebook広告ライブラリ上で広告主が誰なのかがわからないようになっており、広告主が身元を明らかにしないように巧妙に回避しながら政治広告を出していたことが明らかとなりました。こうした不正な広告主が支払った広告費は総額およそ3700万ドル(約38億円)になると研究チームはみています。


掲載されている情報の信頼性が低く、Facebook広告ライブラリから誰が広告キャンペーンの背後にいるかを把握するのは難しいことを研究チームは問題視しています。研究チームの1人であるダモン・マッコイ氏は「正確な情報開示と透明性を避けるような政治広告主が減るように、Facebookは広告ライブラリを積極的に改善するべきだと考えます」と述べました。


広告ライブラリという形でデータを開示してもなお、Facebookの広告システムは透明性の低さを指摘されています。例えば、Facebook広告ライブラリの仕様変更で広告分析ツールがブロックされたことで「広告の透明性を保つツールが排除された」と批判され、2019年2月にはMozillaが「Facebookが選挙に与える影響」への懸念を表明しています。

Facebookが広告の透明性を保つツールを排除した問題でMozillaが選挙への影響を懸念して欧州委員会に書簡を送る - GIGAZINE


また、TwitterやGoogleなどのテクノロジー企業が政治広告を全面禁止にしたり規制を大幅強化したりする流れの中で、Facebookは政治広告を掲載し続ける方針を明らかにしたことも、一部から批判を受けました。

Facebookが「政治広告を掲載し続ける」方針を発表 - GIGAZINE


加えて、元大統領候補だったマイケル・ブルームバーグ氏はInstagramのインフルエンサーに政治的な投稿を依頼することで、政治広告の規制を回避したことが報じられており、Facebookの政治広告の規約・規制には不備があると指摘されました。

Facebookは「今回の調査が行われた後で、Facebookの広告認可と透明性は大きく変わりました」「Facebookはテレビやラジオ、その他デジタル広告プラットフォームよりも政治広告に対する透明性を高めています」という声明を発表しました。ワシントン・ポストの報道によれば、Facebookは調査後の2019年10月から政治広告を展開するFacebookページに、納税者番号など広告主の身元に関する情報を提供しているとのこと。

エーデルソン氏は「Facebookの政治広告への姿勢が変化したことで、広告の透明性が高まる」と認めるものの、「Facebookが常に警戒をしなければ、悪意ある広告主による操作から有権者を守ろうというFacebookの取り組みはうまくいかないでしょう」と述べました。

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in ネットサービス, Posted by log1i_yk

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