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360年前から国会議事堂の壁に眠っていた「秘密の抜け道」が発見される


ロンドン中心部にあるウェストミンスター宮殿は、1834年の火災で焼失したものの1860年に再建され、16世紀から現在までイギリス国会議事堂として使われています。そんなイギリス国会議事堂の壁に小さな抜け道が発見されたと報じられています。

Secret doorway rediscovered in the House of Commons - News from Parliament - UK Parliament
https://www.parliament.uk/business/news/2020/february/secret-doorway-rediscovered/


At U.K. Parliament, Long-Forgotten Secret Passageway Is Discovered In A Wall : NPR
https://www.npr.org/2020/02/28/810345171/long-forgotten-secret-passageway-discovered-in-a-wall-at-u-k-parliament


ウェストミンスター宮殿は11世紀末に建築され、当初は王宮として使われていました。しかし、1530年にヘンリー8世ホワイトホール宮殿に居を移した後、ウェストミンスター宮殿は国会議事堂兼裁判所として用いられるようになりました。

オリジナルの宮殿は1834年に発生した火災によりほぼ焼失し、30年以上かけて再建されたのが、ゴシック調の新しいデザインとなったウェストミンスター宮殿です。第二次世界大戦のロンドン大空襲も耐え抜き、ウェストミンスター宮殿はイギリス国会議事堂として活躍しましたが、水道や電気、ガスのパイプラインやアスベストの使用もあって、老朽化が問題化。2017年からは日本工営の現地グループ会社がウェストミンスター宮殿の大改修を請け負っています。また、修復には歴史の専門家も加わり、ウェストミンスター宮殿の設計図の解析も行われています。


そんな中、残された文献に基づいて調査を行ったところ、下院議会の廊下の木製パネルの1つに小さな真鍮(しんちゅう)製の鍵穴が発見されたそうです。改修現場のスタッフが鍵を開けたところ、扉の向こうに秘密の通路が見つかったとのこと。

ヨーク大学の歴史学者で、改修チームの歴史コンサルタントであるリズ・ハラム・スミス氏は「イングランド歴史的建造物・記念物委員会のアーカイブに残されている、ウェストミンスター宮殿関連の1万もの文書を探している最中に、ウェストミンスターホールの裏にある廊下に出入り口があることがわかりました」と語っています。

秘密の通路には1950年代に設置されたと思われる照明が取り付けられていたため、当初は第二次世界大戦後に設置された防空(ごう)のような施設と思われたそうですが、部屋の天井材が1659年に伐採された木材で作られていることから、秘密の抜け道が少なくとも360年前のものであることが判明。


さらなる調査によって、この秘密通路が国王と王妃が座る広間につながっていること、そして戴冠式の際に議員が議会にアクセスするために使われていたことがわかりました。

秘密の抜け道を調査した歴史家のマーク・コリンズ氏は「今回発見された秘密の抜け穴はわくわくするような発見ですが、ウェストミンスター宮殿には間違いなくもっとたくさんの秘密が眠っています。宮殿が元の姿に戻り、世代を超えて語り継がれ、決して忘れられないものになった時に、宮殿を訪れた人にその秘密をお話したいと思います」と語りました。

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in メモ, Posted by log1i_yk

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