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ストレスサイクルを打ち破るのに驚くほど有効な「目標の多様化」とは?


適度なストレスは記憶力に有益な影響を与えるという研究結果が示される一方で、慢性的なストレスは記憶力・思考力を低下させるといわれています。現代人の多くは絶えずストレスにさらされていますが、ストレスから解放される方法として、「目標の多様化」が効果的だと医学教育現場の燃え尽き症候群について研究するアシュトン・ダンカン氏が主張しています。

How I Broke the Cycle of Stress - Scientific American Blog Network
https://blogs.scientificamerican.com/observations/how-i-broke-the-cycle-of-stress/

慢性的で絶え間ないストレスが持続することで意欲を無くしてしまう状態は一般的に「燃え尽き症候群」と呼ばれますが、この呼び名は非常に曖昧だという指摘があります。このため、慢性ストレスが人にどのように影響するかを示す、より全体的な指標としてアロスタティック負荷(allostatic load)が用いられます。アロスタティック負荷は、その根本に「もし誰かが別の誰かを壊すことなく、その人に対して十分な圧をかけ続けると、その人の体が持つ機能や将来的なストレッサーに対する反応は不適応という現象によりねじ曲げられてしまう」という発想を持つ考え方です。

公衆衛生学修士課程を取得したのちにメディカルスクールに通い、医学教育現場の燃え尽き症候群について研究するダンカン氏は、医学生として「不適応」の問題が研修生や訓練を積んだ医師の間で頻繁に起こっていることを目にしていると語っています。このような状況は調査結果にもあらわれており、2015年には毎年多くの数の医師が臨床の場から離れることで、深刻な状況が起きていると示されています

医師の臨床現場離れの問題点として、ダンカン氏は「医師が自分自身に自由を与えず、次から次へと『大きな1つのゴール』に向けて集中してしまうこと」を挙げています。大きな1つの目標に対してつき進むと、複数の仕事や計画を持っている時に比べ、目標にたどり着くまでの障害が、はるかに大きなストレスとなるとのこと。患者のために全力を尽くすこと医師の務めですが、ダンカン氏は自身の経験から、「慢性的なストレスにさらされた医師はミスを犯しやすく患者の死や障がいにつながりやすい」「最善のケアを提供しようとする医師ほどこのような状況に陥りやすい」と述べています。


上記のような医療現場の問題を解決するため、ダンカン氏が提案しているのが「目標の多様化」です。ダンカン氏によると、ポジティブ心理学や組織のダイナミクスについての研究から、「複数の異なる種類の目標を設定すること」は、「ストレスを減らし心身へのアロスタティック負荷の影響を小さくすること」との関連性が示されているとのこと。目標の多様化を促進するという方法で介入を行う実験では、ウェルビーイングに関係していることが示されています。

またポジティブ心理学の分野では「ゴールの設定が人の行動を変え、たとえ大うつ病の人でもウェルビーイング向上する」という調査結果が発表されています。ポジティブ心理学の中心の1つである、カンザス大学のリック・スナイダー博士による(PDFファイル)希望理論はこのような研究結果に基づいており、設定するゴールが個人的に価値が高く多様化していると、仕事における生産性が上がり、ストレスを軽減すると説明しています。

医療における大きな障害は、臨床現場に多くの作業負荷があることと、臨床医が筋書きに従うことを余儀なくする法的な束縛にあるとのこと。このような環境の中で希望理論に従い目標を多様化するのは困難ですが、1つの方法として、「日常的な職場の活動を減らし、協同的ケアモデルを取り入れ、職員が仕事の質を向上させるプロジェクトに参加することを許す」ということが提言されています。この提言は、医療従事者が決まり切った反復的な目標以上の物に取り組めるようにすることでよりプロフェッショナルとして目標を達成する実感を得られるようにすることを目的としています。


人は毎日新しい目標を取り入れることにより、ストレスのサイクルを断ち切ることが可能だとダンカン氏。自分の幸福を犠牲にして物事を進めることは、持続可能とはいえません。医学であれ、他の分野であれ、目標の多様化を推奨する文化を育て、「ただ働く」以外の何かを保証する必要があるとダンカン氏は述べました。

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in メモ, Posted by logq_fa

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