ネットサービス

Facebookが特定の言語をすべてブロックする事態に、ユーザーから新たに検閲への懸念が持ち上がる


ミャンマーの少数民族の1つであるカチン族によって話される言語・ジンポー語で書かれたFacebookの投稿が、2020年1月16日、投稿拒否されていたことが判明しました。これは言語インフラストラクチャのバグによって生じたものですが、この問題によって「Facebookは言語を特定し、政治的に監視することが可能だ」として新たな懸念が持ち上がっています。

Facebook accidentally blacked out an entire language - The Verge
https://www.theverge.com/2020/2/11/21132042/facebook-users-myanmar-blackout-jinghpaw-language-censorship-kachin

2017年、Facebookがヘイトスピーチへの対策をほとんど行っていなかったことで、Facebookがミャンマーのロヒンギャに対する憎悪をかき立てるために使用されたということが大きな問題となりました。2018年に国連は、国粋主義の仏教徒がFacebookページでロヒンギャやその他の少数民族に対する暴力や憎悪を扇動していること、Facebookがミャンマー国内でロヒンギャへの差別意識が膨らむ温床となっていることを指摘しています。

「ロヒンギャへのヘイト拡散」 フェイスブックに批判 写真3枚 国際ニュース:AFPBB News
https://www.afpbb.com/articles/-/3167279


国際的な非難をあびたFacebookはその後ヘイトスピーチへの対策を発表し、2019年にはミャンマー軍の関係者とつながっているとみられるFacebookアカウントを削除し続けていることを示しました。

Facebookがミャンマーに関連する大量のアカウントを削除し続けている理由とは? - GIGAZINE


2020年1月16日の出来事は、Facebookに投稿を行おうとしたユーザーに「この投稿を行うことができませんでした。タップすると詳細が表示されます」と表示されたというものでした。ユーザーがタップを行うと、「リクエストを処理できませんでした。このリクエストに問題がありました。できるだけ速く修正できるよう取り組んでいます」と示されたとのこと。

同日、Facebookはジンポー語を含む新しい10言語をサポートする最新の言語識別モデルのアップデートを行ったところであり、バグはこのアップデートに由来するものだとみられています。Facebookはバグの報告を行った数時間後、1月17日付けで問題の修正を発表しました。


しかし、「ジンポー語による投稿が行えなくなる」という事態は、カチン族の人々のFacebookに対する懸念を生み出すことに。ミャンマーでは仏教徒が過半数を占めますが、 カチン族の多くは キリスト教徒であり、カチン族の1人によると、ミャンマーにはカチン族の抵抗勢力による表現を監視する動きがあるとのこと。このため、Facebookの技術の使用に関して透明性が求められています。また、別のカチン族の人は「多かれ早かれ、Facebookは民族的なユーザーについて『投稿が政治的にセンシティブかどうか』とシステム的に監視するようになる」という見方を示しています。

また、Facebookは2019年以降、カチン独立軍を含む4つの武装民族グループのFacebookアカウントやそのサポートなどを停止していますが、これが「地元民の声を置き去りにしている」と言われることも。ミャンマーの多様な少数民族の声をFacebookはくんでいないのではないかという懸念が示されています。一方で、Facebookは海外ニュースメディアのThe Vergeに対し、「Facebookはミャンマーの少数民族のポジティブな経験を保障するよう努力を続けています」とコメントしています。


またFacebookは「ミャンマーは歴史的にコンテンツ違反の報告レベルが低かったため、我々は『ヘイトスピーチ分類器』のような検知ツールの開発に投資を行い、現在はこれが完全に機能しています。2018年の第三四半期には、ミャンマーにおける6万4000ものコンテンツの63%がヘイトスピーチのポリシーに違反したとして削除されました」と述べ、「ミャンマー政府は2013年以降、5回にわたってユーザーデータを提供するよう要求していますが、Facebookはいかなるデータも提供していません」とデータの秘匿性についてアピールしました。

Facebookは2020年の夏に新たに監視機関を立ちあげる予定ですが、この機関のメンバーがどれほど少数民族に精通しているかは不明とのこと。権利団体・Free Expression MyanmarのYin Yadanar Thein氏は、ミャンマーでのFacebookの活動の多くは不透明なままであり、「Facebookにはより高い透明性を求めます。同社はミャンマーで大きな力を持っていますが、どのような決定が行われているのか市民は何も知りません。この結果、コンテンツが削除された時に、その理由が誰にも分からないのです」と述べました。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
「もしザッカーバーグの立場だったらどうする?」との問いにティム・クックは「私はあんな状況には陥らない」と回答 - GIGAZINE

アムネスティがFacebookとGoogleを人権侵害で非難、Facebookらも反論を展開 - GIGAZINE

「性的な意味でナスと桃の絵文字を使用すること」をFacebookとInstagramが禁止へ - GIGAZINE

インターネット上のコンテンツを監視・削除するモデレーターは「最悪の仕事」 - GIGAZINE

GoogleやFacebookなどの巨大な管理者なしで個人同士がつながりを作り出す新しいウェブの世界「Dweb」とは? - GIGAZINE

in ネットサービス, Posted by logq_fa

You can read the machine translated English article here.