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重力波が織り成す新種のオーロラ「デューン」が愛好家によって発見される、ムービーも公開中


過去にはオーロラのような新種の発光現象「スティーブ」がアマシュア天文家により見つけられていますが、これに続きオーロラの新種「dunes(デューン)」がオーロラ愛好家によって発見されたと報じられました。北欧の夜空を彩る光の芸術は、目には見えない重力波と大気中の酸素によって描かれたものだと推測されています。

Citizen Scientists Discover a New Auroral Form: Dunes Provide Insight Into the Upper Atmosphere - Palmroth - 2019 - AGU Advances - Wiley Online Library
https://agupubs.onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1029/2019AV000133

Glowing green 'dunes' in the sky mesmerized skygazers. They turned out to be a new kind of aurora. | Live Science
https://www.livescience.com/citizen-scientists-discover-new-dunes-aurora.html

Citizen scientists discover new type of aurora named ‘the dunes’ (video available) - AGU Newsroom
https://news.agu.org/press-release/citizen-scientists-discover-new-type-of-aurora-named-the-dunes-video-available/

以下の20秒ほどのムービーを再生すると、今回発見された新種のオーロラを観ることが可能です。

A new type of aurora named ‘the dunes’ - YouTube


このムービーが撮影されたのは、2018年10月7日のこと。撮影したのは、フィンランドのオーロラ愛好家グループです。


オーロラのうち、中央から右側にかけてカーテン状に見える部分は、オーロラがアーチ状になる「極光弧」という現象。


そして、左側のしま模様の部分が、今回発見された「デューン」です。「dunes」は「砂丘」を意味する言葉です。


以下の2つの画像は、同じ日に発生したオーロラを、異なる2つの地点から捉えたもの。どちらにも6つのしま模様があるのが分かります。このしま模様は、大気中で発生する重力波という現象によるものだと考えられています。なお、ここでいう重力波は、天体の運動などで発生した時空のゆがみが光速で伝わる重力波とは別の現象です。


大気中で発生した重力波は、通常は鉛直方向に進みますが、まれに中間圏界面逆転層の間にとらえられて、水平方向に進むことがあります。水平方向の波になった重力波により、酸素が濃い部分と薄い部分が発生し、そこに太陽から放出された電子が衝突することで、波状の光を放つオーロラになるというのが、デューンの発生原理だとのことです。


ヘルシンキ大学の宇宙空間物理学者であるミンナ・パルムロス氏は「オーロラを通じて大気の波が観測されたのは、これが初めてのことです。デューンが発生する領域は、地上から観測するには高すぎますが、衛星などから観測するには低すぎるので、謎が多い領域です」とコメントしました。

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in サイエンス,   動画, Posted by log1l_ks

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