マジックマッシュルームを非犯罪化する新たな地域が現る

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これまで「違法薬物」として扱われてきたマリファナやLSDに精神障害を緩和させたり治療したりする効果がある可能性が近年は指摘されており、徐々にその効能についての研究も行われだしています。そんな中、アメリカのカリフォルニア州サンタクルーズ市が、日本では規制対象となっているマジックマッシュルームを非犯罪化する法案を通過させました。

Santa Cruz City Council Votes To Decriminalize Magic Mushrooms – CBS San Francisco
https://sanfrancisco.cbslocal.com/2020/01/28/santa-cruz-city-council-votes-to-decriminalize-magic-mushrooms/

Santa Cruz decriminalizes psychedelic mushrooms - ABC News
https://abcnews.go.com/US/santa-cruz-decriminalizes-psychedelic-mushrooms/story?id=68611065

マジックマッシュルームに含まれる幻覚剤成分のシロシビンは、過去の研究でうつ病を改善することが示唆されており、従来の薬では効果が認められない難治性うつ病で限定的に使用が認められてきました。

マジックマッシュルームが重度のうつ病を取り除くことが臨床試験で判明 - GIGAZINE

by Gregor Dodson

また2019年には大うつ病性障害の治療薬にシロシビンを使うことがアメリカ食品医薬品局(FDA)によって認められ、マジックマッシュルームの扱いは近年急速に変化しています。

マジックマッシュルームと同じ幻覚剤成分がうつ病の「画期的治療薬」として当局に承認される - GIGAZINE

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そんな中、2020年1月28日(火)、新たにアメリカ・カリフォルニア州サンタクルーズ市でマジックマッシュルームを非犯罪化する法案が通過しました。この法案は「成人が向精神作用のある植物や菌類を所持・使用・栽培することに対し逮捕や調査を行う」旨を定めた既存の法案を、法執行機関にとってより優先度の低いものとする内容です。

サンタクルーズの議員であるクリス・クローン氏はABCニュースに対し「精神的経験を誘発する植物は、われわれのコミュニティ内に存在する、オピオイドのような医薬品に依存する人々に対し、依存から抜け出す方法を提供します。昨晩のミーティングでは、集まった人々がいかにこれら植物が彼らの人生を変えたのか、その効能について語ってくれました」とコメントしています。

オピオイドはアメリカで広く使われている合法の鎮痛剤ですが、製薬会社が「依存性が少なく安全」とうその見解を示していたことが明らかになっています。アメリカでオーバードーズ(薬物の過剰摂取)で亡くなっている人のうち、40％がオピオイドを原因にしているといわれています。

完全に合法な鎮痛剤が違法な薬物よりも多くの死者を生み出している - GIGAZINE

by Phil Renaud

また、この法案に賛成したドリュー・クローバー議員は世界中の文化において「精神的経験を誘発する植物や菌類は癒やしや知識、クリエイティビティ、自然との精神的つながりを提供するものとして重んじられてきました」「この法案が可決されたことで、サンタクルーズは麻薬戦争がコミュニティに与えた影響に対抗する一歩を踏み出し、同時に、PTSDや依存症、うつなどを患い医療的なニーズのある人々に選択の自由を与えます」と語っています。