サイエンス

高脂肪・低炭水化物食の「ケトンダイエット」は1週間以上行うと逆効果であることがマウス研究で示される

by Daniel_Dash

ケトンダイエット(ケトン食)は食事の栄養素の構成を「脂肪分90%・タンパク質6%」といったようにし、可能な限り炭水化物をとらずエネルギーを脂肪から摂取するという食事法です。もともとはてんかんを治療する目的で1920年代に提唱されたケトン食ですが、近年は減量目的で多くの人が行っています。ケトンダイエットの影響については賛否両論でしたが、新たにイエール大学の研究者がマウスを対象に行った実験から、ケトンダイエットにはプラスとマイナス両方の効果があることが示されました。

Ketogenesis activates metabolically protective γδ T cells in visceral adipose tissue | Nature Metabolism
https://www.nature.com/articles/s42255-019-0160-6

Keto diet works best in small doses, Yale researchers find | YaleNews
https://news.yale.edu/2020/01/23/keto-diet-works-best-small-doses-yale-researchers-find

論文著者であるVishwa Deep Dixit氏によると、炭水化物をほとんどとらないケトンダイエットによって体は飢餓状態になるためグルコースレベルが下がり、炭水化物の代わりに脂肪を燃やし出すとのこと。このプロセスでケトン体という化学物質が生成され、燃料の1つとしてケトン体が燃焼されるときにガンマデルタT細胞という免疫細胞が体中に広がっていきます。この結果、糖尿病リスクや炎症が減り、体の代謝が向上します。マウス実験でも、ケトンダイエットを開始した1週間後にマウスの血糖値や炎症は減少することが確認されました。

by duskbabe

しかし、この「実際には飢えてはいない飢餓モード」にあるとき、脂肪の分解とともに脂肪の蓄積が起こっていることを、研究者は発見しました。1週間以上にわたりマウスが高脂肪・低炭水化物の食事を続けていると、脂肪の燃焼量よりも摂取量の方が多くなり、肥満や糖尿病のリスクが増加したそうです。マウスは、脂肪中に含まれ体を守ってくれるガンマデルタT細胞も失ったと研究者は述べています。この研究結果はNature Metabolismで発表されています。

肥満や2型糖尿病は現代社会に広まる生活習慣病であり、今回の研究では、限られた期間内であればケトンダイエットを実行することが有益である可能性が示されました。

by Satura_

ただし、今回の研究はマウス実験にとどまるものであり、ケトンダイエットが代謝や免疫に対して有益なのかそうでないのかを理解するためには、制御された環境下で大規模な臨床試験を行うことが必要だと研究者は考えています。

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in サイエンス,   , Posted by logq_fa

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