サイエンス

「新型コロナウイルスのワクチンはいつできるのか?」など専門家が5つの質問に回答

by seventyfourimages

新型コロナウイルスの大流行でFoxconnやSamsungのハイテク工場が閉鎖するなど産業レベルでの影響が出始め、多数のデマで社会的な混乱をきたす事態となっています。いまだワクチンが開発されず、患者や死者を増やし感染範囲を拡大している新型コロナウイルスですが、「ワクチンはいつ開発されるのか?」などの気になる質問に、ミシガン大学で公衆衛生学の教授を務めるオーブリー・ゴードン氏と、マウントサイナイ医科大学でワクチン学の教授を務めるフロリアン・クラマー氏が答えています。

When will there be a coronavirus vaccine? 5 questions answered
https://theconversation.com/when-will-there-be-a-coronavirus-vaccine-5-questions-answered-130590

Q1:コロナウイルス用の開発中のワクチンは存在するか?

A:
アメリカ国立衛生研究所を初めとする複数の機関が「2019-nCoV」として知られる新しいコロナウイルス株に対するワクチンの開発を始めています。ワクチン開発は始まったばかりですが、このワクチン開発は2002年に流行したSARSや2012年のMERSのワクチン開発から恩恵を受けられると考えられています。また体の中でワクチンの抗原を作り出す「DNAワクチン」の最新技術も役立つはずです。

Q2:2019-nCoVの特定の株について研究は行われていたか?

by claudioventrella

A:
SARSやMERSといった人間に深刻な症状を与える他の類似ウイルスの研究は行われていますが、2019-nCoVという特定の株は、科学者の懸念対象ではありませんでした。科学者はその存在すら知らず、流行が始まるまで人間に病気をもたらすとは想像していなかったのです。

Q3:コロナウイルスのワクチンが開発されるべき時期を科学者はどのように理解しているのか?

A:
深刻なコロナウイルス用のワクチン開発は、これまでも人間への感染が始まってから行われてきました。

しかし、過去20年間に2つのコロナウイルスによって深刻な病気が引き起こされてきました。新しいコロナウイルスによって3回目の大流行が起こったことを考えると、「これらのウイルスに対し、広範に人間を守ることが可能なワクチン開発に投資すべきだ」とゴードン氏とクラマー氏は主張しています。

Q4:どのような開発が進行中であり、ワクチンが現実に受けられるようになるのはいつか?

by Pressmaster

A:
ワクチンの開発は「適切な標的抗原」「免疫システムが標的にするウイルスタンパク質」といったものを割り出してワクチンの構成をデザインし、安全で効果があることを動物実験で示すことから始まります。動物実験で安全性と効力が示されたら臨床試験に移り、人間に対しても予測した免疫反応が現れ安全であると確認された後に、一般に向けたワクチンの大量生産が始まります。

2020年1月28日時点ではまだ実験のサンプルとなるコロナウイルス株が不足しており、ワクチンが適切であると確認するための抗体も足りていません。ワクチンが機能し免疫反応が誘発されるのを確かめるためのウイルスが必要であり、同時に動物実験を行うためのマウスや人間以外の霊長類を確保する必要もあるわけです。


このため、ワクチンの開発には数カ月かかる可能性があります。

Q5:このような病気の流行から人間を守ることができる日は来るのか?

A:
このようなタイプの流行は予測可能な未来において、不規則な間隔で発生するとみられています。

病気の大流行やパンデミックを避けるためには、世界中の人間と動物の両方において監視を強めるとともに、科学者がウイルスの人間に対する潜在的脅威を評価するためのリスク評価に投資を行い、ウイルスを検知できるようにする必要があります。

コロナウイルスやジカ、エボラ、インフルエンザに類似した新しいウイルスが現れた時に迅速に採用できるワクチンへのアプローチを作るには、世界規模のアクションが必要です。現時点において、新しい病原体への反応はそのほとんどが「起こった後の反応」であり、継続的な投資によってより「予防」に目を向けたアプローチが必要だと考えられています。

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in サイエンス, Posted by logq_fa

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