サイエンス

大量発生したセミがうるさすぎて住民が「この音は何?」と保安官事務所に通報する事態に


周期ゼミは北アメリカ大陸に生息するセミのグループであり、17年または13年の周期で大量発生することが知られています。アメリカ南東部のサウスカロライナ州ニューベリー郡では、久しぶりに現れたセミの鳴き声に驚いた住人が保安官事務所に騒音の理由を問い合わせているとAP通信が報じました。

Cicadas are so noisy in South Carolina that residents are calling the police | AP News
https://apnews.com/article/noisy-cicadas-south-carolina-police-39f2bd760a51c8c1d28d88b12473840e


北アメリカ東部に生息する周期ゼミのうち、周期が17年の周期ゼミは北の方に、13年の周期ゼミは南の方に分布しています。発生する年によって「Brood(ブルード)」と呼ばれる集団に分類されており、2024年は13年周期の「Brood XIX」と17年周期の「Brood XIII」が同時に発生する大量発生の年に当たります

2024年に発生する周期ゼミの数は1エーカー(約4047m2)あたり100万匹と推定されており、周期ゼミが発生する16の州全体で数百兆匹に達する可能性があるとのこと。

以下の図は、Brood XIXが現れる地域を水色で、Brood XIIIが現れる地域をオレンジ色で示したもの。13年周期のBrood XIXは南部から中部に、17年周期のBrood XIIIは北部に分布していることがわかります。イリノイ州中部には2種類が重なり合う場所がありますが、交雑している可能性は低いとみられています。


こうした周期ゼミの大量発生により、一部の地域住民は鳴き声に驚かされているようです。AP通信によると、サウスカロライナ州の北西部に位置するニューベリー郡では、住民が保安官事務所に連絡し、「サイレンやごう音」が聞こえる理由を尋ねているとのこと。

ニューベリー郡は13年周期のBrood XIXが発生する地域に当たります。なお、日本でセミといえば夏に発生するイメージですが、Brood XIXは地面の温度がカ氏64度(セ氏17.8度)になった頃に地上へ出てくるため、発生時期は春から初夏になります。

こうした事態を受けて、ニューベリー郡保安官事務所はFacebookでメッセージを発表。「サイレンや鳴き声、うなり声のような音がするという問い合わせが何件かありました。この音の正体はセミです。セミは毎年春になると現れる昆虫のグループで、幼虫は13~17年間地中で生活してこの時期に羽化します。うるさいと思う人もいるかもしれませんが、人畜無害です。残念ながらこれは自然の音なのです」と説明しました。

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in サイエンス,   生き物, Posted by log1h_ik

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