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最も危険な職業の1つ「ローマ皇帝」の死のパターンと機械の故障率の間には共通パターンがあるとする研究

by iam_os

古代ローマ帝国では非常に文化が発達し、統治を行った皇帝たちも豊かな生活を送っていましたが、一方で皇帝は暴力的な死を迎える確率が非常に高いことが調査によって示されました。さらに、航空宇宙工学者が信頼性工学の観点から分析を行った結果、ローマ皇帝が死ぬまでの時間と、機械が故障するまでの時間の間に、ある共通パターンが見つかったとのことです。

Statistical reliability analysis for a most dangerous occupation: Roman emperor | Palgrave Communications
https://www.nature.com/articles/s41599-019-0366-y

What Do Roman Emperors and Engineering Have in Common? | Technology Networks
https://www.technologynetworks.com/tn/news/what-do-roman-emperors-and-engineering-have-in-common-328789


ローマ帝国を初代皇帝アウグストゥスからテオドシウス1世までの69人の統治者を対象に行われた調査から、全体の62%にあたる43人の皇帝が暴力によって死亡していたことが示されました。「暴力による死」で一般的なのは暗殺ですが、自殺や戦死なども含まれたとのこと。


歴史的な書物には通常、人物の死が個々のイベントとして記されており、そこに共通するパターンがあるかどうかはわかりません。そこで、ジョージア工科大学の航空宇宙工学者であるジョゼフ・サーレハ氏は、ローマ皇帝の治世が死ぬまでにどれくらい続いたのかを調べ、パターンを探しました。

サーレハ氏によると、このような統計学的手法はエンジニアリングの分野においてコンポーネントの信頼性をテストするために用いられるとのこと。サーレハ氏がローマ皇帝の就任から死亡までの一般的な長さをモデル化したところ、「エンジニアリングにおけるコンポーネントの一見するとランダムな故障」と「一見するとランダムに見える皇帝の死」の間に類似点を発見したとのこと。

「エンジニアリングにおいて、コンポーネントやプロセスの信頼性は『特定の時間にまだ動いている確率』と定義されます。プロセスやコンポーネントが故障するまでの時間は平均故障間隔と呼ばれますが、これに、ローマ皇帝が暴力的な死を迎えるまでの時間との類似点がみられました」とサーレハ氏は述べています。

by Max Rovensky

サーレハ氏によると、ローマ皇帝はまず就任の年に暴力的な死を迎える可能性が非常に高くなるとのこと。これはエンジニアリングにおけるコンポーネントの故障が初期に見られることと類似しており、多くの場合、コンポーネントは意図した通りに機能しないことが初期にわかりますが、ローマ皇帝の場合も就任初年度に「求められる役割を果たせない」ことが判明します。その後8年間は死亡リスクが安定しますが、就任後12年を過ぎると再びリスクが上昇。これはコンポーネントの故障率が疲労や腐食、摩耗によってあがるパターンと類似しているそうです。

ローマ皇帝の死亡リスクをグラフにするとバスタブのような曲線となりますが、サーレハ氏はこのグラフについて「機械部品と電機部品で広く見られるパターン」だと語りました。


「一見するとランダムに見えるローマ皇帝の暴力的な死が、エンジニアリングで広く使われる統計モデルで把握できるという点は、非常に興味深いです。単独で見るとそれぞれのイベントはランダムです。しかしこの発見は、死までの時間を決める根本的なプロセスがあった可能性を示します」とサーレハ氏。一方で、この調査のもととなった歴史的情報は食い違うことがあり、文献によって異なった死の原因が記されていることもあります。さらなる研究を行うことで、ローマ皇帝がなぜ暴力的な死を迎えることになったという理由に加え、ほかの歴史的出来事にひそむパターンなどを分析できると研究者はみています。

なお、この論文は「2019年で最もオタクな研究」として海外メディアに取り上げられていました。

Study: Roman emperor violent deaths mirror mechanical parts
https://www.fastcompany.com/90447258/nerdiest-study-of-2019-reveals-a-remarkable-pattern-in-the-violent-deaths-of-roman-emperors

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in メモ, Posted by logq_fa

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