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大学でスマホを用いた出欠管理システムが普及中、学生の現在地を追跡し直接連絡するケースも

by monkeybusiness

アメリカの大学で、BluetoothビーコンやWi-Fiネットワーク、学生のスマートフォンを利用して、学生の居場所を随時把握し、出席管理や問題の早期発見に役立てるという動きが出て来ています。大学がスマートフォンを利用し学生を監視しているという状況に対し、プライバシーが大きく損なわれるとして指摘の声があがっています。

Colleges are turning students’ phones into surveillance machines - The Washington Post
https://www.washingtonpost.com/technology/2019/12/24/colleges-are-turning-students-phones-into-surveillance-machines-tracking-locations-hundreds-thousands/

US Colleges Turning Students' Phones Into Surveillance Devices, Tracking Locations of Hundreds of Thousands - The Union Journal
https://theunionjournal.com/us-colleges-turning-students-phones-into-surveillance-devices-tracking-locations-of-hundreds-of-thousands/

ワシントン・ポストによると、近年はスマートフォンに搭載されているBluetoothと大学全体に広がるWi-Fiネットワークを利用して学生を監視する大学が増加しているとのこと。この監視システムの1つがSpotterEDUと呼ばれるもの。例えば新入生がジェフ・ルービン教授の応用化学の授業を受けるため教室に入ると、教室に設置された7つのBluetoothビーコンが学生のスマートフォンアプリと接続し、出席を管理します。そして生徒が授業をさぼるとシステムがそれを認識、その後の行動も追跡し、場合によっては成績が下がる要因になりえるとのこと。システムは生徒が授業に参加しなかったことをルービン教授に通知するため、教師側は学生に連絡して居場所を把握することもできるそうです。

ルービン教授はこのようなシステムについて、「学生たちは私が彼らの行動を見ていると知っているため、行動には変化が現れます」と語っています。実際に、ルービン教授のコースの出席率はシステム導入によって90%以上まで増加したそうです。

このようなシステムを作る企業の多くはBluetoothトランスミッターとWi-Fiによって学生の位置を把握しており、システムによっては1日に1人の生徒から6000回も位置情報を収集するものもあるとのこと。大学側は追跡システムを使うことで問題により早く介入することができ、生徒の成功を支援できると主張しています。

by jacoblund

しかし、容易に学生を監視できるこのシステムには、生徒のプライバシーを侵害し、大学生の独立性を損なうという批判の声も存在します。インディアナ大学のカイル・ジョーンズ准教授は、「これらの監督者は、自分たちの求める結果を出すために、学生の監視を正当化しています」と述べました。ジョーンズ准教授はまた、少数民族の監視にシステムが利用される危険性についても懸念しています。

SpotterEDUのチーフであるリック・カーター氏は元バスケットボールコーチで、学生選手を監視するために2015年からSpotterEDUのシステムやアプリを利用していたとのこと。


しかし、SpotterEDUによると同社のシステムは単なる出席管理ツールにとどまらないとのこと。生徒が大学のどこで時間を過ごしているかを追跡することで、生徒の「苦悩」を察知することが可能となっています。例えばカフェテリアを避けるという行動は学生が社会的な問題を抱えていることを、授業を欠席することは気分の落ち込みがあることを示唆します。もちろんこれらの情報は結論を示すものではありませんが、有益な情報として蓄積され、学生が障害にぶつかりドロップアウトする可能性を未然に防ぐことに応用できると考えられています。

カーター氏によると、記事作成時点でオーバーン大学、セントラルフロリダ大学、コロンビア大学などの40学部がSpotterEDUと提携しており、過去12カ月で150万人の学生が記録されたとのこと。一部の両親は子どもが大学の監視下に置かれることを望んでおり、カーター氏は大学が学生の両親と情報を共有する必要があるという考えを示しました。

by seventyfourimages

一方で、バージニアコモンウェルス大学の2年生であるロビー・パイパー氏は、「私たちは大人です。監視する必要があるのでしょうか?なぜこれが重要なのでしょうか?私たちにどんな利益があるのでしょうか?」と疑問を投げかけました。

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in モバイル, Posted by logq_fa

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