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Amazonで購入可能な偽ブランドのチャイルドシートは安全基準を全く満たしていないとの検証結果


子ども用品メーカーSimple Parenting製のチャイルドシート「Doona」は、チャイルドシートとしてもベビーカーとしても使用できる便利さが特徴で、トランプ大統領の娘で実業家のイヴァンカ・トランプ氏が子育てに愛用していることでも有名です。しかし、アメリカのテレビ局CNNがAmazonでDoonaを検索してみたところ、安全基準を全く満たしていない偽造品が発見されたとのことです。

Fake and dangerous kids products are turning up for sale on Amazon - CNN
https://edition.cnn.com/2019/12/20/tech/amazon-fake-kids-products/index.html

以下の画像のうち、左が本物のDoonaで、右がCNNがAmazonで購入した偽造品のベビーカーです。ハンドルの色は異なりますが、全体的なデザインやホイールの意匠は瓜二つ。価格はというと、Doonaが499ドル(約5万5000円)なのに対し、偽造品は299ドル(約3万2000円)でした。また、偽造品が販売されていたAmazonのページには国家道路交通安全局(NHTSA)の安全基準を満たしていると記載されていましたが、中国から届いた偽造品には認証ラベルが張られておらず、取扱説明書に記載されているNHTSA規格の登録番号はDoonaの番号だったとのことです。


CNNが実際に時速30マイル(時速約48.28km)での衝突実験を行ってみたところ、偽造品は多数の破片をまき散らしながら壊れてしまいました。


CNNがテスト結果を小児科医に見せたところ、「胸部、首、頭部に怪我を負うおそれがあり、子どもの安全に重大な危険をもたらす」との見解が得られました。そこで、CNNは偽造品の販売元であるStrolexという中国の業者に連絡してテスト結果を伝えましたが、代表者は「私の製品は安全です」と答えるだけで質問には答えず、担当者の名前すら名乗りませんでした。

Simple Parentingの広報担当者であるAmiad Raviv氏によると、Amazonで発見されたDoonaの偽造品や、Doonaの知的財産権を侵害した製品は2019年だけで40件もあったとのこと。Doonaはそうした偽造品を発見次第Amazonに連絡し、偽造品販売業者を排除していますが、すぐに新しい業者が現れるいたちごっこの状態だそうです。また、偽造品の多くはAmazonの倉庫から発送されるため、Raviv氏は「多くの人は、Amazonが取り扱っているものなら本物だと思っているようですが、実際にはそうでないケースが少なくありません」と話しました。


かねてから、Amazonの公式ストアには偽造品が氾濫していることが指摘されています。

「Amazon公式ストアが偽造品を販売している」と報告される - GIGAZINE

by Global Panorama

Amazonで発見されている危険な子ども用品は、チャイルドシートだけではありません。おくるみのブランド「Love to Dream」のメーカーであるRegal Lagerが、「襟元が大きすぎて赤ちゃんの口元をおおってしまう」という苦情を受けてAmazonを調べたところ、偽造品が20件も発見されました。Regal Lagerの共同創業者であるLuanne Whiting-Lager氏はCNNの取材に対し、「ある偽造品の販売業者をたたくと、また別の販売業者が出てくるという始末です」と話しました。


もちろん、Amazonもこの状況を手をこまねいて見ているわけではありません。Amazonは事業者向けに「Amazonブランド登録」というブランド保護ツールを提供しており、画像や検索ワードで偽造品を素早く発見できるようにしています。ほかにも、一意のコードでブランドを管理できる「トランスペアレンシープログラム」がアメリカでスタートしたほか、AIを活用した偽造品対策「Project Zero」といった取り組みも始まっています。

また、アメリカでは「通信品位法第230条(通称:セクション230)」という条項により、「ウェブサイトなどのプラットフォームは、第三者がプラットフォームを通じて提供したサービスの責任を負わない」とされており、これまでAmazonはマーケットプレイスで販売された偽造品の責任を負ってきませんでした。しかし、2019年7月にアメリカの連邦巡回区控訴裁判所が「Amazonはサードパーティ業者が販売する製品についても法的責任を負う必要がある」という判決を下すなど、Amazonから購入した製品が偽造品でも消費者は泣き寝入りするしかないという状況は変わりつつあります。

Amazonで知育玩具を販売しているCrazy Aaron's Thinking Puttyの創設者アーロン・マデリック氏はCNNの取材に対し、「誰かが責任を負うようにならなければ、なにも改善されないでしょう」と話して、危険な偽造品の氾濫を防ぐには、法改正が必須だとの見方を示しました。

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in ネットサービス, Posted by log1l_ks

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