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中国の長征3号Bロケットのブースターが民家を直撃し猛毒の燃料が飛散したと報じられる

by AAxanderr

中国が2019年11月23日9時55分(日本時間)に、四川省の西昌衛星発射センターから長征3号Bロケットを打ち上げました。ロケットの打ち上げは成功しましたが、切り離したブースターが中国の居住地帯に落下して民家を破壊し、有毒な燃料や煙が一帯を覆ったと報じられています。

Chinese Rocket Launches 2 Satellites (and Drops Debris on Settlement) | Space
https://www.space.com/chinese-rocket-launch-drops-debris-on-homes.html

Once again, a Chinese rocket has doused a village with toxic fuel | Ars Technica
https://arstechnica.com/science/2019/11/china-keeps-dropping-toxic-rocket-parts-on-its-villages/

以下のムービーを再生すると、長征3号Bロケットのブースターが落下した地点の様子を見ることができます。このツイートを投稿したのは、中国の宇宙計画について報道しているジャーナリストのアンドリュー・ジョーンズ氏で、同氏はこの映像を中国のSNS・Weiboの投稿から入手しました。


ムービーには、レンガ造りの民家が破壊され、家の中からは火の手が上がっている様子が映し出されており、現場は慌ただしい雰囲気に包まれています。


奥にはブースターの破片とおぼしき円筒形の構造物が見えます。ジョーンズ氏によると、円筒形の物体の奥から立ち上っている黄色い煙は、ハイパーゴリック推進剤の燃焼によるものだとのこと。ハイパーゴリック推進剤は非常に毒性が高いため、充填作業時などには完全防護服の着用が必要だとされていますが、ムービーに映り込んだ男性は普段着のままです。


民家の前にある草むらにも破片が散乱しています。


40秒ほどの短いムービーの間にも、火勢はどんどん強くなっているように見えます。


墜落地点からはほかにも、落下したロケットの部品や、それにより破壊された建物や焼け焦げたバイクの写真などが寄せられていました。


ジョーンズ氏によると、落下予測地点の付近に住む住人には事前に警告と避難命令が発令されており、ロケットの部品を見つけても絶対に近づかないよう指示されているとのこと。しかし、民間人によって撮影されたムービーには、もうもうと煙を上げるロケットの部品と、それを間近で見物している地元住民の姿や声が収められています。


元NASAの職員で、アメリカ連邦航空局の諮問委員でもあるグレッグ・オートリー氏はこうした状況について「中国の打ち上げ事業に関する緩い安全基準を見たら、アメリカの規制当局は卒倒するでしょう」とコメント。「中国の環境破壊や人の安全を省みないやり方は、厳しい規制を受けているアメリカ企業に対する絶大なコスト優位性を約束します」と指摘し、安全性を度外視した中国の宇宙開発事業の在り方を非難しました。

なお、中国が今回打ち上げたロケットは、中国の衛星測位システム「北斗3号」を構成する50・51基目の人工衛星を搭載しており、中国の宇宙開発当局は2020年の半ばには北斗3号を完成させるとしています。

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in ハードウェア,   動画, Posted by log1l_ks

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