新型16インチMacBook Proはバタフライキーボードと決別してより静音性の高い設計に進化

2019年11月14日にAppleが発表した新型の「16インチMacBook Pro」は、16インチのRetinaディスプレイと最大8コア/16スレッドの処理能力を持つIntel Core i9プロセッサを採用したハイエンドモデルです。AppleのMacBookといえば独自開発のキーボード機構である「バタフライキーボード」の構造的な欠陥により集団訴訟を起こされ、最終的にはキーボード設計が見直されることになるのではとウワサされていましたが、この新しい16インチMacBook Proではキーボードがバタフライキーボードから「Magic Keyboard」に変更されており、構造が改良されただけでなく静音性も高まっていることが明らかになっています。

The Best Laptop Keyboards (Oh, and the Best Laptops, Too!) - WSJ
https://www.wsj.com/articles/the-best-laptop-keyboards-oh-and-the-best-laptops-too-11574604002

Is Apple’s 16-inch MacBook Pro keyboard quieter? - 9to5Mac
https://ww.9to5mac.com/2019/11/24/16-inch-macbook-pro-keyboard-sound/

2019年11月に新登場した16インチMacBook Proでは、キーボードの構造がバタフライキーボードからMagic Keyboardに変更されています。Appleの説明によると、このMagic Keyboardは「シザー構造を持ち、キーの運びは1mm。反応が良く快適で、しかも静かに文字入力ができます」とのこと。

16インチMacBook Pro、登場 — Apple - YouTube


そんな16インチMacBook Proを含む複数のノートPCにおけるキーボードの静音性を、クーパー・ユニオンの無響室でテストするという実験をウォールストリートジャーナルが行っています。なぜ無響室でテストを行ったのかというと、無響室では音の反射が吸収されるため、「部屋の中の物体から直接出た音」の大きさのみを測定できるからです。

実験対象となったのは、タイプライター・MacBook Air(第3世代バタフライキーボード搭載)・Surface Laptop 3・XPS 13・2015年モデルMacBook Proのほかに、Googleが「ハッシュキー」と呼ぶキーボード構造を有した、「ほぼ無音のキーボードタイピング」が可能になるというPixelbook Goも含まれています。

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静音性テストの結果、各端末のキーボードをタイプした際に出る音の強さは以下の通り。なお、キーボードタイプ時に出る音の強さはデシベル(dB)で表記されており、数値が大きいほど強い音が出ているということを意味します。

タイプライター：60.2dB
MacBook Air(第3世代バタフライキーボード搭載)：41.9dB
Surface Laptop 3：33.8dB
XPS 13：32.3dB
2015年モデルMacBook Pro(第1世代バタフライキーボード搭載)：31.2dB
16インチMacBook Pro(Magic Keyboard搭載)：30.3dB
Pixelbook Go：30.1dB

16インチMacBook Proのキーボードの静音性はテストした端末の中では2番目に低く、最も静かなキーボードであるPixelbook Goのハッシュキーとほぼ同等の数値でした。一方で、2019年10月に発表されたばかりのSurface Laptop 3は33.8dBと、最新モデルのノートPCとしては静音性はイマイチという結果に。

なお、Apple関連メディアの9to5Macは、「Appleは長らく不評だったバタフライキーボードを従来と同じ構造のキーボードに戻すことで、信頼性や静音性など、キーボード全体に良い変化をもたらしました」と記しています。