セキュリティ

iPhoneユーザーはプライバシー保護を重視するものの実際の行動に移せていないことが明らかに


iPhoneユーザーの多くはプライバシー保護を重要視しているものの、実際に端末上で行われている追跡事情についてはほとんど理解していないことが、ウェブブラウザのFirefoxなどの開発を支援する非営利団体のMozilla Foundationの調査によって明らかになっています。

Smartphone Privacy Settings Are a Priority for Most Americans | Ipsos
https://www.ipsos.com/en-us/news-polls/mozilla-smartphone-privacy-2019

Mozilla Foundation - What Half of iPhone Users Don’t Know About Their Privacy: New Poll
https://foundation.mozilla.org/en/blog/what-half-of-iphone-users-dont-know-about-their-privacy-new-poll/

Google・Apple・Yahooなどのサーバーにある個人情報を直接のぞき見できる極秘システム「PRISM」により、アメリカの政府機関が数年間にわたって国民のプライバシーに関する情報を盗み見てきたことが明らかになって以降、世界中でテクノロジーにおけるプライバシーのあり方を見直す動きが加速しました。その結果、多くの企業がプライバシー保護に積極的に取り組むようになっており、AppleもiPhoneのプライバシー面の強化を重点的に行っていることをアピールしています。

GoogleアシスタントやAlexaが注目を集める中、Appleが注力していることとは? - GIGAZINE


しかし、Mozilla FoundationはAppleがアピールするプライバシー保護に関する文言には、iOS端末向けの広告識別子でありアプリのアクティビティを追跡しサードパーティの広告主に送信している「Advertising Identifier(IDFA)」に関する情報が存在しないと感じた模様。IDFAはアプリ上でユーザーがどのような操作を行っているかを記録・送信する広告識別子であるということで、Mozilla Foundationは「IDFAはユーザーのプライバシーを侵害するものである」と主張しているわけです。

Mozilla FoundationはそんなIDFAによるユーザートラッキングを不安視しており、Appleに対して「毎月ユーザーのIDFAを自動的にリセットすること」を求める活動を開始しています。なお、Mozilla Foundationに賛同する場合は以下のページから署名し、IDFAのリセットを訴えることができます。

Mozilla Foundation - “Privacy. That’s iPhone.” But is it?


これを受け、Mozilla Foundationは市場調査企業のIpsosと協力して、2019年10月にアメリカ在住のスマートフォンユーザー1007人に対して、iPhoneおよびAndroidのどちらが気に入っているかや、プライバシーに関する知識などを調査するインタビューを実施しました。

調査の結果、スマートフォンユーザーの半数以上(57%)が、ダウンロードするアプリやスマートフォンでアクセスするウェブサイトがサードパーティにより追跡されていることを懸念していると回答。さらに、iPhoneユーザーの過半数以上(61%)が「スマートフォン購入時における重要なポイント」としてプライバシー面の厳重さを挙げているほか、iPhoneユーザーの54%がIDFAを定期的に(少なくとも年に数回)リセットすることを望んでいると回答しました。


その一方で、IDFAを認識しているiPhoneユーザーのうち、61%がIDFAを無効にする方法を知らないことも明らかになり、実際に定期的にIDFAをリセットしているユーザーはわずか20%でした。

なお、IDFAを無効にするには、「設定」→「プライバシー」→「広告」から「追跡型広告を制限」をオンにすればOK。


他にも、回答者の38%がスマートフォンを購入する際にデフォルトのプライバシー設定を優先しないと回答しています。

これについてMozilla Foundationは「iPhoneユーザーはプライバシーを懸念しているのに、実際にはIDFAを無効にする方法を知らない」と指摘しています。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
実はセーフでも何でもないという「セーフブラウジング機能」について専門家が解説 - GIGAZINE

iPhoneがSafariのデータを中国企業に送信していた可能性が浮上、Appleは否定 - GIGAZINE

「iPhoneアプリの多くがユーザー情報を第三者に送信している」との報道 - GIGAZINE

GoogleアシスタントやAlexaが注目を集める中、Appleが注力していることとは? - GIGAZINE

GoogleがSafariのプライバシー設定を迂回してデータ収集した件で4780億円の損害賠償を請求される - GIGAZINE

in モバイル,   セキュリティ, Posted by logu_ii

You can read the machine translated English article here.