メモ

クリエイティブな仕事に必要な「まとまった時間」を会議で台無しにされないためのアイデア

by Headway

ビジネス向けの情報共有・タスク管理ソフトNuclinoの開発者チームが、クリエイティブな仕事をする「Maker(作り手)」にはまとまった時間が必要だと指摘し、意思疎通や情報共有に不可欠な「ミーティング」と「まとまった時間の確保」との間にどのように折り合いをつければよいのかについてまとめています。

Makers, Don't Let Yourself Be Forced Into the 'Manager Schedule' | Inside Nuclino
https://blog.nuclino.com/makers-don-t-let-yourself-be-forced-into-the-manager-schedule

ファーストパーソン・シューティングゲーム(FPS)の代名詞的なタイトルであるDOOMQuakeの開発者で、FPSの生みの親とも呼ばれているジョン・D・カーマック氏は、日没と同時にプログラミングを開始し、夜明けとともに仕事を終えるという昼夜逆転のスタイルで仕事に臨んでいたことでも知られています。


プログラマーでもあるエッセイストのポール・グレアム氏は、カーマック氏のように集中力や独創性を要求される仕事を行う人を「Maker(作り手)」と呼んで、調整を主な仕事としている「Manager(管理者)」と区別しました。グレアム氏は作り手と管理者のスケジュールについて論じた記事の中で「『管理者』のタスクは基本的に1時間ごとに区切られていますが、『作り手』は少なくとも半日単位での時間を必要としています。1時間かそこらでは、仕事に手が付きません」と述べています。

理想的な「作り手」と「管理者」のスケジュールをシンプルな図にするとこんな感じ。左側の「管理者」は朝9時にメールをチェックしてから、1時間単位でミーティングの時間をもうけています。一方、右側の「作り手」のスケジュールを見ると、1日の仕事が半日単位に分かれていて、昼食で午前と午後に分割されている以外は途切れることなく仕事に専念しています。


しかし、企業でのチームワークには意思疎通のためのミーティングが欠かせません。とういわけで、「作り手」と「管理者」のミーティングを加味した現実のスケジュールはこんな感じ。10時と15時に実施されたミーティングにより、「作り手」の午前と午後の仕事は見るも無残な「Ruined(台無し)」になっています。


一説には「仕事が中断されてしまうと、再開後に元の調子を取り戻すのにかかる時間は平均23分15秒」ともいわれており、「作り手」が生産性のある仕事をするためには、極力ミーティングに仕事を邪魔されないようにする必要があります。

そこで、SNSへの予約投稿サービス「Buffer」の開発者であるハリソン・ハーニッシュ氏は、1日の中でスケジュールをわけるのではなく、1週間の中で仕事を分割するようにしているとのこと。具体的には、月曜日と金曜日をミーティングなどの共同作業の日に割り当てて、それ以外の週日をプログラミングに没頭する日として確保しています。

また、ミーティングといっても、実際には仕事仲間が一堂に会する必要はありません。プロジェクト管理ツール「Basecamp」を開発した37signalsの創設者兼CEOであるジェイソン・フリード氏は「多くの人々は、同じ部屋に人を集めて資料を配付するのがベストだと思っているようですが、これは非効率的です」と述べて、オンラインでの非同期的なやりとりで十分だとの見解を示しています。

フリード氏の意見を参考に、Nuclinoの開発チームが行っている情報共有方法がこんな感じ。週報の中でJohnnyが次週の予定として挙げた「新人バックエンド開発者の候補と面接」に対し、Anaが「履歴書を候補者リストにアップロードしておきました」と報告しているのが分かります。これなら、わざわざミーティングを開いて各々の作業状況や今後の予定を報告したり、その席で履歴書の紙束を受け渡ししたりする必要はないというわけです。


また、自社独自のナレッジベースを作って情報共有を行うようにすると、質問やそれに対する対応に時間を割かれる心配もありません。


Nuclinoは記事の中で「現実には、リアルタイムな対面でのコミュニケーションが必要になることもありますが、『作り手』のスケジュールを台無しにして生産性を損なうという潜在的コストに見合った緊急案件はほとんどありません」と述べて、無駄な会議を減らすことの重要性を強調しました。

その一方で、記事には「結局のところ、うまくいくかは企業風土次第です。経営者が、『作り手』には自分自身のスケジュールがあるということを理解し、それを尊重する努力をしなければ、細かいルールを作っても機能しません」とも書かれており、スタッフが各々のスケジュールを尊重しながらチームワークを発揮するには、ツールよりも相互の理解と尊重の方が大切だと結論付けています。

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in メモ, Posted by log1l_ks

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