iPhone 5でメールやウェブを使い続けるには11月3日までにOSをアップデートする必要あり

2012年9月21日に発売された「iPhone 5」でメール・ウェブブラウジング・GPSといった機能を使い続けるには、2019年11月3日までにOSをアップデートする必要があることが明らかになりました。

Update your iPhone 5 to continue using App Store, iCloud, email, web, and other services - Apple Support
https://support.apple.com/en-us/HT210712

Update your iPhone 5 before November 3rd to keep email, web, and GPS working - The Verge
https://www.theverge.com/2019/10/30/20939840/iphone-5-update-gps-time-date-ios-10-how-to

日本時間で2019年11月3日の21時以降、iPhone 5では正確なGPS情報を維持することができなくなり、App Store・iCloud・メール・ウェブブラウザなどの正しい日時に依存する機能を使い続けることができなくなるとAppleが公表しました。この問題を修正するには、OSをiOS 10.3.4までアップデートする必要があります。iPhone 5に問題が起きるのは、2019年4月頃に明らかになったGPS対応製品に影響を及ぼす「GPSタイムロールオーバー問題」が原因で、Apple端末の場合は日本時間で2019年11月3日21時までは問題の影響を受けることはないとのこと。

GPSの日付フィールドには10ビットが割り当てられており、グレゴリオ暦の年月日という形式で日付を記録する一般的なシステムとは異なり、何週目かをカウントすることで日付を計算しています。つまり、年と月という概念が存在しないため、GPSからブロードキャストされる日付データは毎週1ずつ増加し、そのフィールドは10ビットなので1024週ごとにゼロにリセットされるようになっています。なお、このリセットは位置情報も混乱させる可能性があるとのこと。GPS時刻が利用開始となった1980年1月6日以降、1999年8月21日に週番号は一度リセットされており、2度目のリセットが間もなく起き、iPhone 5はその影響を受ける可能性があるというわけです。

テクノロジーメディアのArs Technicaによると、GPSタイムロールオーバー問題の影響を受けるのは、iPhone 5以外の端末としては、iPhone 4S、第1世代iPad mini、iPad 2、第3世代および第4世代iPadなどだそうです。ただし、アップデートし忘れても影響を受ける機能以外は引き続き動作する可能性があるとのこと。なお、海外携帯キャリアのVerizonによると、2006年から2016年までの期間に製造された端末がGPSタイムロールオーバー問題の影響を受けるとのことで、影響を受ける可能性のある端末のリストも同時に公開しています。

Global Positioning System
https://www.verizonwireless.com/legal/notices/global-positioning-system/

幸いなことにほとんどの端末はOSをアップデートするだけで問題を回避できます。なお、アップデートが完了していない場合、GPSタイムロールオーバー問題がiCloudに影響し、ワイヤレスアップデートとiCloudバックアップが機能しなくなる模様。その場合、PCなどを利用してiPhoneをバックアップから復元する必要があります。

なお、2017年12月2日の12時15分にiPhoneの時計でバグが発生した際には、端末が複数回クラッシュする事態が発生。同じようにApple Watchも時計でバグが発生した際には、端末が何度もクラッシュするという問題が発生しているため、対象端末の利用者はOSをアップデートしておくことをオススメします。