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太陽光発電も可能なEV「Lightyear One」が空力特性の世界記録を樹立


フル充電時の最大航続距離725kmに加えて、ボンネットとルーフに備え付けられたソーラーパネルでいつでも充電可能な電気自動車(EV)「Lightyear One」が5人乗りの自動車における空力特性の世界記録を樹立しました。

Home | The electric car that charges itself with sunlight | Lightyear
https://lightyear.one/

Lightyear One solar car sets record for world's most aerodynamic car | The Driven
https://thedriven.io/2019/10/30/lightyear-one-solar-car-sets-record-for-worlds-most-aerodynamic-car/

Lightyear Oneはオランダのスタートアップ企業「Lightyear」が製造・販売するEVです。Lightyear Oneの最大の特徴は、ボンネットとルーフに安全ガラスで守られた「ソーラーパネル」が埋め込まれているという点。Lightyear Oneは、WLTP定められた燃費試験により証明された、フル充電時の最大航続距離・725kmのバッテリーを備えています。このバッテリーに加えて、ソーラーパネルによる太陽光発電を行うことで航続距離を1時間あたり最大12km伸ばすことが可能。公式ページによると、冬期に暖房をつけながら走ったとしても、高速道路ならば400km走行できるとのこと。


このバッテリーとソーラーパネルによる動力を最大限に生かすのが、デザインだけでなくパフォーマンスも重視して、細部まで設計を重ねたという車体です。Lightyear Oneの車体は空力特性と軽量化の両方を実現したそうで、空力によって消費されるエネルギーを最大限に抑えることを目指したとのこと。空力とは、走行中に車に働く空気による力を指す言葉です。車が進む向きに対して反対には「空気抵抗」が働き、車の垂直方向には「揚力」が働きます。空力が大きいと、走行時のパワーロスが増加するため、燃費が悪くなってしまいます。空力特性が優れているとは、走行時に受ける空力が少ないということ意味します。


車体自体には最新の素材が使われており、総重量を減らしながらも、厳しい安全基準をクリアしたとのこと。


また、車輪はそれぞれ独立して駆動可能で、各車輪の動きに応じて、必要最小限の電力だけが供給される仕組みです。


空力特性を計測する風洞試験の結果、Lightyear Oneはこれまでに「世界で最も空力特性が優れている」とされてきた、2019年製のメルセデス・ベンツ Aクラスを上回って、空力特性の世界新記録を樹立しました。

空力特性世界記録を樹立するために、どのように車体の設計と最終調整を行ったかについて、Lightyearはムービーを公開しています。

Lightyear One | Testing Aerodynamic Performance in the Windtunnel - YouTube


風洞試験では、まず平均的な天候・気候などの環境における空気抵抗と揚力を測定したとのこと。


通常時における測定結果を元に、車体の20箇所から25箇所にテープを貼って形状を調整。わずかな車体の角度などが、風洞試験の結果にどれほどの影響を与えるかを計測したそうです。


Lightyear Oneは縦長で後部の傾斜が緩やかなため、短く後部の傾斜が急な車体に比べて、車の後部に発生する風の流れによって、揚力に対する回復力を得ることが可能。


ホイールカバーもまた重要なポイント。ホイールカバーで車輪周辺の風を制御することによって、空力特性を大きく向上させたそうです。


Lightyear Oneの出荷時期は2021年以降。価格は14万9000ユーロ(約1800万円)となっています。

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in 乗り物, Posted by darkhorse_log

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