小さなチョコバーの製造には21リットルの水が必要、それぞれの食品を製造するのに必要な水の量とは?

By fotoblend

オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)の研究チームが、モノやサービスを生産・消費する過程で使用された水の総量を算出する「(PDFファイル)ウォーターフットプリント(水消費量)」という概念を用いて、「食品生産が水不足に与える影響」について解説しています。

Nutrients | Free Full-Text | Diet Quality and Water Scarcity: Evidence from a Large Australian Population Health Survey
https://www.mdpi.com/2072-6643/11/8/1846

It takes 21 litres of water to produce a small chocolate bar. How water-wise is your diet?
https://theconversation.com/it-takes-21-litres-of-water-to-produce-a-small-chocolate-bar-how-water-wise-is-your-diet-123180

研究チームによると、食料生産が世界の淡水使用量の約70%を占めているとのこと。日本では水資源が豊富なためその認識は薄めですが、水不足の地域では、食料生産にかかる水の量が重要といえます。

CSIROの研究チームは、オーストラリアの成人9341人の食事を調べて、「Water-scarcity Footprint(補正済水消費量)」を計測しました。補正済水消費量は、その食品の生産にかかる水消費量に生産地の水の希少性を考慮して補正をかけた水消費量です。

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調査の結果、被験者の1日あたりの食事を生産するために必要な補正済水消費量は、平均して362リットルだったとのこと。食品別にみると、アーモンドは1kgあたり3448リットル、乾燥アプリコットは1kgあたり3363リットル、ポン菓子でできた朝食用シリアルは1kgあたり1464リットルの水が必要です。

被験者の食事の生産に必要な補正済水消費量を調べると、その25%はケーキ、ビスケット、アルコールなどの嗜好品の生産に使われており、19%は果物や果物ジュースの生産に使われていたとのこと。一方で赤身の肉が消費する補正済水消費量は、全体のわずか3.7%に過ぎませんでした。この結果は、水消費量の観点からすると肉は優秀な食品だということを示しています。

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一方で、研究チームは「自分の食べている食品の生産にかかる水消費量を把握することは困難だ」と述べています。一例では中くらいの大きさのリンゴを生産するのに必要な補正済水消費量は3リットルであるのに対して、250mlのオレンジジュースの生産に必要な補正済水消費量は100リットル以上となります。これはリンゴとオレンジの生産に必要な補正済水消費量が大きく異なることと、ジュースを作るには複数個の果実が必要なことが原因です。それゆえ、「特定の食品の生産にかかる補正済水消費量」を消費者が把握することは困難です。

さらに、補正済水消費量はその食品を作る生産者によっても変化します。シドニーに出荷されたトマトの補正済水消費量を調査したところ、生産者によって補正済水消費量は1kgあたり5リットルから52.8リットルまで変動が出たとのこと。この変動は、農業方法の違いや地域による水資源の不足度合いの違いなどが原因だそうです。

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研究チームは、「水消費量は食料生産と消費において重要ですが、あくまで環境因子の1つです。水消費量だけを考慮して『何を食べるか』を変更することは勧められませんが、今回の研究が食品の生産と消費に関する持続可能性の議論に役立つことを望んでいます」と記しています。

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