サイエンス

電子たばこに関連するとみられる肺疾患で死亡する事例が多発、専門家は使用の停止を訴える

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電子たばこは水や香料、ニコチンなどを調合した液体(リキッド)を過熱してエアロゾル化したものを吸引する器具であり、紙巻きたばこの代替品として注目を浴びています。その一方で、アメリカでは電子たばことの関連が疑われる肺疾患が急増しており、既に数名の死者が出る事態となっています。

Initial State Findings Point to Clinical Similarities in Illnesses Among People Who Use E-cigarettes | CDC Online Newsroom | CDC
https://www.cdc.gov/media/releases/2019/p0906-vaping-related-illness.html

Cases of Vaping-Related Lung Illness Surge, Health Officials Say - The New York Times
https://www.nytimes.com/2019/09/06/health/third-death-vaping-related-disease.html

CDC urges people to stop vaping as third person dies of mysterious lung disease - The Verge
https://www.theverge.com/2019/9/6/20853122/cdc-vaping-death-vape-e-cigarette-disease-lung-illness


アメリカ疾病予防管理センター(CDC)が発表した電子たばこに関連する肺疾患は、呼吸困難や息切れ、胸の痛みといった症状であり、主に若者を中心に広がりを見せています。報告された事例の症例で患者が電子たばこを使用していたことから、電子たばこが肺疾患に関連しているとみられています。

電子たばこの関連が疑われる肺疾患が急増中、違法な成分を含む製品が原因か - GIGAZINE


アメリカ当局と医療関係者は2019年9月6日(金)、33の州で450人もの電子たばこと関連する肺疾患の患者が発生したことを報告し、電子たばこの危険性と使用の停止を検討するように訴えました。6日にインディアナ州およびミネソタ州の当局者が肺疾患による死者が出たと発表し、以前に報告されたイリノイ州とオレゴン州の事例と合わせ、謎の肺疾患による死者数はアメリカ全体で4人となりました。また、カリフォルニア州ロサンゼルス郡でも肺疾患による死者の調査を行っており、「電子たばこが原因の死亡である可能性がある」と述べています。

CDCの疾病管理・予防センターのディレクターであるロバート・レッドフィールド氏は、「私たちは病気の原因を発見することに全力を尽くしています」「利用可能な全ての情報は慎重に分析されており、最初の調査結果が調査の焦点を絞り、命を救う役に立ちます」とコメント。急増する肺疾患の謎を解明するため、電子たばこに関連する発作症例の収集にはアメリカ食品医薬品局(FDA)も協力しているとのこと。

肺疾患の正確な原因特定には記事作成時点で至っていませんが、研究者は肺疾患の原因がウイルスなどによる感染症ではなく、電子たばこの利用者がさらされる化学物質に関係していると考えています。電子たばこが関連すると疑われる肺疾患の調査を行っているFDAのコミッショナーのNed Sharpless氏は、「私たちの研究室はアメリカ連邦および州のパートナーと緊密に連携し、病気を引き起こしている可能性のある製品または物質を特定するために作業を行い、すでに120を超えるサンプルをパートナーから受け取ってきました」とコメント。

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電子たばこに関連する肺疾患について分析したところ、症状を訴えた患者の多くが大麻(マリファナ)の有効成分テトラヒドロカンナビノール(THC)を含んだリキッドを使用していたことも判明。そのため、THCを含んだリキッドが肺疾患に関連しているともいわれています。

また、ニューヨーク州保健当局は2019年9月5日、「ビタミンEアセテート(酢酸トコフェロール)」という化学物質が原因特定に向けた調査の「主要な焦点」になっていると発表。ビタミンEアセテートは、リキッドを過熱してエアロゾル化する過程で生成されるビタミン複合体の副産物だそうです。

その一方で、ビタミンEアセテートが唯一の原因だとは、記事作成時点で考えられていません。「FDAはビタミンEアセテートを含む広範囲の化学物質を分析していますが、原因となる1つの物質が特定されたわけではありません」とSharpless氏は述べ、複数の化学物質が関係している可能性があるため、肺疾患と化学物質の因果関係を特定するにはさらなる作業が必要となるとみられています。

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CDCは電子たばこに関連する肺疾患の症例を州の保健当局に直ちに報告するよう医療従事者に求めると共に、電子たばこを利用している人々に対し、調査が終了するまで電子たばこの利用を控えるよう推奨しています。CDCで肺疾患の調査を率いるDana Meaney-Delman博士は、「調査は進行中ですが、人々は電子たばこを利用しないことを検討するべきです」と述べました。

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in サイエンス, Posted by log1h_ik

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